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013 ところで家畜一号。最近どう?
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なんだかんだやっているうちに月日はあっという間に経過してしまった。
迷いの村に最初の奴隷が住み着いてから早一年。
最初は十人ちょっとだった人口も今では五百を少し上回るほどになっている。
この世界の村としては規模が大きく、街の規模に片足を突っ込んだくらいの人口らしい。
まぁ街は外壁がなければどんなに人口がいても認められないみたいだけど。
無論認められようが認められまいがボクには関係ない話だけどね。そもそも誰も知らないだろうし。
家畜一号が貴重な森の恵を周辺の街に販売することにより得られた資金は予想よりも遥かに多かった。やはりボクの予想通りに迷いの大森林で生計を立てていた村や冒険者は多かったみたいで森の恵の希少性が上がっていた。
結局、外層にやってくる侵入者が以前と同じ程度に戻るまでには十ヶ月近くかかったことになる。
その間に立ち行かなくなった村も多いのだろう。
そのおかげで奴隷の供給が多く、豊富な資金と合わせて一気に人口が増える結果になった。
とはいえ、全員が全員MPが多いわけではない。どうせMPが多い奴隷を集めていけば同じことになるので、供給が増えて安くなっているうちに購入してしまうことにしたのだ。
少ないMPでも数が集まれば馬鹿にできない量になるからね。
もちろんMPが多い奴隷は率先して購入するようにしてある。
森の恵を売りさばいた全ての街の奴隷商にMPの多い奴隷を集めておくように交渉してあるので、優先的にボクに販売されるようになっている。
実際、迷いの村の人口の半分は比較的MPの多い奴隷だ。
人口が増えるにつれて村の規模は拡大していったけど、住居は建築系の魔物が、畑は周辺を強い魔物たちに開梱させて確保してある。
迷いの大森林は広大な面積を誇っているからね。中心部もとても広い。人口五百程度の村なら楽勝で収まる。
人口が増えたことによる様々な問題は監督役を増やすことで対応できている。
迷いの村は家畜一号を最高責任者として、その上にボクが君臨している。
家畜一号の下にはちょいちょい捕獲した強い冒険者を再教育して就かせ、さらにその下に奴隷の中から使えそうなのを選抜してグループを作り、均等に奴隷を監督させている。
こうしてしっかりと品質の管理をさせ、問題を解決させているのだ。
まぁ何のトラブルもなかったわけではないけれど、見せしめに何人か奴隷を潰すことになった程度で概ね順調かな?
迷いの村では周辺の村や街よりもいい暮らしをしているらしいし、それが長く続けば奴隷たちが増長してくるのも予想の範囲内。
適度に締めるところを締めておけば問題も発生しづらくなっていく。
その結果で潰された奴隷は必要経費というやつだろうね。もちろんMPが少ない奴隷を使っているので大した損害ではないけれど。
こんな感じで迷いの村は概ね順調だ。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「お嬢様、お時間でございます」
「あれ、もうそんな時間? ふあぁ~……セーブしちゃうからちょっとまってねぇ~」
この一年でグレ君はボクと喋れるようになった。
魔物は生物的に人型をした生命体とはコミュニケーションが取りづらいらしいのだけど、言語系のスキルを獲得することにより障害が少なくなる。
SPがとてもかかるグレーターデーモンのグレ君ですら、一年近くをかけてやっと言語スキルを獲得したくらいには難易度が高いのだけどね?
むしろ言語スキルを獲得するよりも早く、自身を進化させてしまったくらいだ。
グレーターデーモンだったグレ君は今やデーモンロードに。
好青年だった見た目は貫禄のあるナイスミドルになり、渋いおじさまになっている。
執事としての貫禄も増してボクの専属筆頭としての地位は揺るがない。
「失礼致します、お嬢様」
「あぁ~もうちょっと、もうちょっとでセーブポイントだからぁ~」
言語スキルを獲得できたのは実はグレ君だけではない。
アルダーデーモンのモンちゃんもグレ君と一緒に必死で努力したらしく、やっぱり言語スキルを獲得する前に自身を進化させてしまった。
アルダーデーモンからクイーンデーモンへと進化したモンちゃんの見た目は大して変わっていない。ちょっと色っぽくなった程度だ。
でも進化後のモンちゃんはアルダーデーモンとは一線を画す存在になっているのは確か。
ボクのお世話をするときに見せる並々ならぬ執念はお世話されているボク自身が一番よくわかっているからね。
この一年で専属も少し増やしたんだけど、進化したのはグレ君とモンちゃんだけ。
言語スキルを獲得できたのも二人だけだ。
魔物の進化は早々起こるものではない。
それも高位の魔物になればなるほど進化しづらくなっていく。
グレ君とモンちゃんの努力はそんな高難易度の進化すら踏み台にするくらいのものなのだからすごい。
おしゃべりができるようになった二人に理由を聞いてみれば、答えは非常に簡単だった。
ボクともっとコミュニケーションを取りたかったから。
ボクも事ある毎に彼らに話しかけていたし、そう思ってくれたのは嬉しい。
そのためにかけた努力は凄まじいものがあったけど。
そんなわけで今日は週一に減った迷いの村への視察の日。
毎日色んなものを神魔通販で購入し続けたボクのランクはGからFにあがって、魔力吸収の指輪の上位アイテムを購入できるようになった。無論個人販売からだけどね。
購入したのは、蓄魔結晶。
機能としては魔力吸収の指輪と同じようなものだが、マスター登録をしておけば本人が身につけている必要がないという便利なものだ。
MP吸収に際しての制限はそのまま残っているけどね。
なので迷いの村に設置して毎日MPを捧げさせている。
そして週一でそれを回収しているというわけ。
その回収日が今日。視察は基本的におまけだ。
グループごとに蓄魔結晶があるので、回収するのも少し時間がかかる。
グレ君とモンちゃんによる監査もあるので、この視察は一日仕事なのだ。
出来れば結構なお値段がして手がなかなかでなかったゲーム機がやっと購入できたので遊んでいたいのだけど、まぁこれもボクの仕事ということで我慢我慢。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「お待ちしておりました、お嬢様」
「はいはい、きたよー。じゃあ監査開始ー」
迷いの村への転移陣で移動すれば家畜一号を筆頭に教育済みの冒険者、その後ろにたくさんの奴隷たちが平伏している。
全部で五百を超えるだけにそれなりに壮観な眺めだ。
まぁ週一で見てればいい加減飽きるけどね。
各グループから回収した蓄魔結晶のログをグレ君とモンちゃんの二人がどんどん確認していく。
全員がちゃんと毎日MPを捧げているか、捧げられたMP量からみる品質チェックがこの作業になる。
無論教育済みの監督役たちが毎日目を光らせているので、問題は早々起きない。でも以前何度かごまかしやMPの無駄遣いなどがあったので大事な作業だ。
問題があったらまたみせしめが必要だし、監督役には再教育をしないといけない。締める所はしっかり締めないとね。
「ところで家畜一号。最近どう?」
「はっ! 作業中に三名の奴隷が軽傷を負った程度で皆品質に問題はありません! 怪我についても詳細を報告済みであります!」
「そ~。食料やなんかも足りてる? 必要があったらちゃんと嘆願書を出してね~」
「はっ! お気遣いありがとうございます!」
グレ君たちが作業をしている間は暇なので家畜一号に話を振って色々報告してもらっているけど特に問題もないみたい。
畑の規模は五百人を食べさせた上で備蓄もできるくらいあるし、肉の量も足りているみたい。
あとはまぁ娯楽が足りないだろうけど、元々この世界に娯楽はあんまりないので大した問題ではない。
生きるのに必死な外の環境よりは迷いの村は遥かに快適なはずだしね。
まぁ余裕が出来てくると余計なことを考えるのが人間だ。
そのうち娯楽施設でも作ってあげようかな?
人口が増えたことにより必要なものも増えたが、外からの購入よりも村の中で自給自足させるようにしている。
仕事も最初の頃の農作業とお風呂だけという環境からは比べられないくらい増えた。
そろそろ賃金を与えて、食料なんかも配給から購入にシフトさせたりしたほうがいいのかな?
まぁでも普通の村や街を運営するわけじゃないんだから別にいいか。
ボクがほしいのはMPだけだ。
現状でうまくいっているものを変える必要もないだろう。
人口はまだまだ増えるだろうけど、監督役を増やしてグループを細分化すれば対応できるでしょう。
うん、それで当分は様子見かな。
家畜一号と適当に話していると、ボクの機嫌がよくなるタイミングを見計らって彼から面白い報告を受けた。
どうやら奴隷の一人が妊娠したらしい。
家畜一号の子供だそうだけど、出産の許可が欲しいそうな。
いずれはこういったこともあるだろうと思っていたけど……。
さてどうしたものかな。
妊娠中のMP吸収についてや、生まれた子供の扱い。問題は結構色々あるわけだ。
未だに奴隷契約ができる魔物は呼び出せないし、そろそろ奴隷契約ができる人間を攫って再教育するなり、奴隷として購入するなりした方がいいかな。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
家畜一号が必死に妊娠中のMP吸収について問題がないことや、生まれる子供へは彼自身が教育を施してボクに忠誠を誓わせるとか言い募ってくる。
まぁこれも実験の一つとしてやらせてみるかな。
これからもこういったことはあるだろうし、長い目で見れば人口を増やす方法としては悪くない。
もしかしたらMPをたくさん保有する子供が生まれるかもしれないし。
「学校とか作ったほうがいいのかな?」
「学校……でございますか?」
「むぅ? 勉強ってどこでするのが普通なの?」
「教会や親から教わるのが一般的ですね」
「ふーん。教会はパスで。まぁ子供が増えるようになったら考えればいいか」
まだお腹が少し膨れた程度で出産まで時間もたっぷりあるみたいだし、学校なんかはもっとあとでもいいだろう。
親が教育するのが一般的らしいし、別になくてもいいのかな?
日本では義務教育があったからなんとなく学校は必要なものと思っちゃうんだよね。
まぁ家畜一号に色々案を出させよう。
彼の子供なわけだしね。
迷いの村に最初の奴隷が住み着いてから早一年。
最初は十人ちょっとだった人口も今では五百を少し上回るほどになっている。
この世界の村としては規模が大きく、街の規模に片足を突っ込んだくらいの人口らしい。
まぁ街は外壁がなければどんなに人口がいても認められないみたいだけど。
無論認められようが認められまいがボクには関係ない話だけどね。そもそも誰も知らないだろうし。
家畜一号が貴重な森の恵を周辺の街に販売することにより得られた資金は予想よりも遥かに多かった。やはりボクの予想通りに迷いの大森林で生計を立てていた村や冒険者は多かったみたいで森の恵の希少性が上がっていた。
結局、外層にやってくる侵入者が以前と同じ程度に戻るまでには十ヶ月近くかかったことになる。
その間に立ち行かなくなった村も多いのだろう。
そのおかげで奴隷の供給が多く、豊富な資金と合わせて一気に人口が増える結果になった。
とはいえ、全員が全員MPが多いわけではない。どうせMPが多い奴隷を集めていけば同じことになるので、供給が増えて安くなっているうちに購入してしまうことにしたのだ。
少ないMPでも数が集まれば馬鹿にできない量になるからね。
もちろんMPが多い奴隷は率先して購入するようにしてある。
森の恵を売りさばいた全ての街の奴隷商にMPの多い奴隷を集めておくように交渉してあるので、優先的にボクに販売されるようになっている。
実際、迷いの村の人口の半分は比較的MPの多い奴隷だ。
人口が増えるにつれて村の規模は拡大していったけど、住居は建築系の魔物が、畑は周辺を強い魔物たちに開梱させて確保してある。
迷いの大森林は広大な面積を誇っているからね。中心部もとても広い。人口五百程度の村なら楽勝で収まる。
人口が増えたことによる様々な問題は監督役を増やすことで対応できている。
迷いの村は家畜一号を最高責任者として、その上にボクが君臨している。
家畜一号の下にはちょいちょい捕獲した強い冒険者を再教育して就かせ、さらにその下に奴隷の中から使えそうなのを選抜してグループを作り、均等に奴隷を監督させている。
こうしてしっかりと品質の管理をさせ、問題を解決させているのだ。
まぁ何のトラブルもなかったわけではないけれど、見せしめに何人か奴隷を潰すことになった程度で概ね順調かな?
迷いの村では周辺の村や街よりもいい暮らしをしているらしいし、それが長く続けば奴隷たちが増長してくるのも予想の範囲内。
適度に締めるところを締めておけば問題も発生しづらくなっていく。
その結果で潰された奴隷は必要経費というやつだろうね。もちろんMPが少ない奴隷を使っているので大した損害ではないけれど。
こんな感じで迷いの村は概ね順調だ。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「お嬢様、お時間でございます」
「あれ、もうそんな時間? ふあぁ~……セーブしちゃうからちょっとまってねぇ~」
この一年でグレ君はボクと喋れるようになった。
魔物は生物的に人型をした生命体とはコミュニケーションが取りづらいらしいのだけど、言語系のスキルを獲得することにより障害が少なくなる。
SPがとてもかかるグレーターデーモンのグレ君ですら、一年近くをかけてやっと言語スキルを獲得したくらいには難易度が高いのだけどね?
むしろ言語スキルを獲得するよりも早く、自身を進化させてしまったくらいだ。
グレーターデーモンだったグレ君は今やデーモンロードに。
好青年だった見た目は貫禄のあるナイスミドルになり、渋いおじさまになっている。
執事としての貫禄も増してボクの専属筆頭としての地位は揺るがない。
「失礼致します、お嬢様」
「あぁ~もうちょっと、もうちょっとでセーブポイントだからぁ~」
言語スキルを獲得できたのは実はグレ君だけではない。
アルダーデーモンのモンちゃんもグレ君と一緒に必死で努力したらしく、やっぱり言語スキルを獲得する前に自身を進化させてしまった。
アルダーデーモンからクイーンデーモンへと進化したモンちゃんの見た目は大して変わっていない。ちょっと色っぽくなった程度だ。
でも進化後のモンちゃんはアルダーデーモンとは一線を画す存在になっているのは確か。
ボクのお世話をするときに見せる並々ならぬ執念はお世話されているボク自身が一番よくわかっているからね。
この一年で専属も少し増やしたんだけど、進化したのはグレ君とモンちゃんだけ。
言語スキルを獲得できたのも二人だけだ。
魔物の進化は早々起こるものではない。
それも高位の魔物になればなるほど進化しづらくなっていく。
グレ君とモンちゃんの努力はそんな高難易度の進化すら踏み台にするくらいのものなのだからすごい。
おしゃべりができるようになった二人に理由を聞いてみれば、答えは非常に簡単だった。
ボクともっとコミュニケーションを取りたかったから。
ボクも事ある毎に彼らに話しかけていたし、そう思ってくれたのは嬉しい。
そのためにかけた努力は凄まじいものがあったけど。
そんなわけで今日は週一に減った迷いの村への視察の日。
毎日色んなものを神魔通販で購入し続けたボクのランクはGからFにあがって、魔力吸収の指輪の上位アイテムを購入できるようになった。無論個人販売からだけどね。
購入したのは、蓄魔結晶。
機能としては魔力吸収の指輪と同じようなものだが、マスター登録をしておけば本人が身につけている必要がないという便利なものだ。
MP吸収に際しての制限はそのまま残っているけどね。
なので迷いの村に設置して毎日MPを捧げさせている。
そして週一でそれを回収しているというわけ。
その回収日が今日。視察は基本的におまけだ。
グループごとに蓄魔結晶があるので、回収するのも少し時間がかかる。
グレ君とモンちゃんによる監査もあるので、この視察は一日仕事なのだ。
出来れば結構なお値段がして手がなかなかでなかったゲーム機がやっと購入できたので遊んでいたいのだけど、まぁこれもボクの仕事ということで我慢我慢。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「お待ちしておりました、お嬢様」
「はいはい、きたよー。じゃあ監査開始ー」
迷いの村への転移陣で移動すれば家畜一号を筆頭に教育済みの冒険者、その後ろにたくさんの奴隷たちが平伏している。
全部で五百を超えるだけにそれなりに壮観な眺めだ。
まぁ週一で見てればいい加減飽きるけどね。
各グループから回収した蓄魔結晶のログをグレ君とモンちゃんの二人がどんどん確認していく。
全員がちゃんと毎日MPを捧げているか、捧げられたMP量からみる品質チェックがこの作業になる。
無論教育済みの監督役たちが毎日目を光らせているので、問題は早々起きない。でも以前何度かごまかしやMPの無駄遣いなどがあったので大事な作業だ。
問題があったらまたみせしめが必要だし、監督役には再教育をしないといけない。締める所はしっかり締めないとね。
「ところで家畜一号。最近どう?」
「はっ! 作業中に三名の奴隷が軽傷を負った程度で皆品質に問題はありません! 怪我についても詳細を報告済みであります!」
「そ~。食料やなんかも足りてる? 必要があったらちゃんと嘆願書を出してね~」
「はっ! お気遣いありがとうございます!」
グレ君たちが作業をしている間は暇なので家畜一号に話を振って色々報告してもらっているけど特に問題もないみたい。
畑の規模は五百人を食べさせた上で備蓄もできるくらいあるし、肉の量も足りているみたい。
あとはまぁ娯楽が足りないだろうけど、元々この世界に娯楽はあんまりないので大した問題ではない。
生きるのに必死な外の環境よりは迷いの村は遥かに快適なはずだしね。
まぁ余裕が出来てくると余計なことを考えるのが人間だ。
そのうち娯楽施設でも作ってあげようかな?
人口が増えたことにより必要なものも増えたが、外からの購入よりも村の中で自給自足させるようにしている。
仕事も最初の頃の農作業とお風呂だけという環境からは比べられないくらい増えた。
そろそろ賃金を与えて、食料なんかも配給から購入にシフトさせたりしたほうがいいのかな?
まぁでも普通の村や街を運営するわけじゃないんだから別にいいか。
ボクがほしいのはMPだけだ。
現状でうまくいっているものを変える必要もないだろう。
人口はまだまだ増えるだろうけど、監督役を増やしてグループを細分化すれば対応できるでしょう。
うん、それで当分は様子見かな。
家畜一号と適当に話していると、ボクの機嫌がよくなるタイミングを見計らって彼から面白い報告を受けた。
どうやら奴隷の一人が妊娠したらしい。
家畜一号の子供だそうだけど、出産の許可が欲しいそうな。
いずれはこういったこともあるだろうと思っていたけど……。
さてどうしたものかな。
妊娠中のMP吸収についてや、生まれた子供の扱い。問題は結構色々あるわけだ。
未だに奴隷契約ができる魔物は呼び出せないし、そろそろ奴隷契約ができる人間を攫って再教育するなり、奴隷として購入するなりした方がいいかな。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
家畜一号が必死に妊娠中のMP吸収について問題がないことや、生まれる子供へは彼自身が教育を施してボクに忠誠を誓わせるとか言い募ってくる。
まぁこれも実験の一つとしてやらせてみるかな。
これからもこういったことはあるだろうし、長い目で見れば人口を増やす方法としては悪くない。
もしかしたらMPをたくさん保有する子供が生まれるかもしれないし。
「学校とか作ったほうがいいのかな?」
「学校……でございますか?」
「むぅ? 勉強ってどこでするのが普通なの?」
「教会や親から教わるのが一般的ですね」
「ふーん。教会はパスで。まぁ子供が増えるようになったら考えればいいか」
まだお腹が少し膨れた程度で出産まで時間もたっぷりあるみたいだし、学校なんかはもっとあとでもいいだろう。
親が教育するのが一般的らしいし、別になくてもいいのかな?
日本では義務教育があったからなんとなく学校は必要なものと思っちゃうんだよね。
まぁ家畜一号に色々案を出させよう。
彼の子供なわけだしね。
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