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幻影の軍勢
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朝がやって来た。手に入れた防具を装着するのが待ち遠しくて昨日はなかなか寝付けなかったんだ。
「ふふん。」
「ご機嫌ですねリーファ様。」
「見てよバトラー。今までは冒険者ごっこの子供だったけど、装備をつけた私は今や立派な冒険者なのだよ!」
「リーファ様は将来のトップランカー間違いなしです。」
「へへへ、行くよ。」
ギルドの入り口をくぐると朝からグレンとスカーレットが何やら相談している。とりあえず今日も薬草採取の掲示を受付まで持ってこよう。
「うーん、レベル的には任せてもいいんだろうけど・・・。」
「狩りの手際は良いとして、要は経験なんだよなぁ。単に強さだけじゃぁないんだよ冒険者ってやつぁ。ソロだしなぁ。」
「お願いします。」
「えぇ、今日も薬草採取ね。真面目に薬草採取してくれるのはリーファしかいないから助かるわ。」
「本当は冒険者らしく討伐依頼もこなしたいんだけどね。グレンも言ってたけどこれが下積みってやつなんでしょ?じゃあ頑張らないと。」
「わかってるじゃんリーファ。」
私はライナに頭をなでられた。ライナは私の子供扱いが過ぎる。今日から一人前の冒険者だと言うのに、まったくライナはもう。
リーファがブツブツ言いながら歩いていると、ウサギを発見した。幸先良いスタートじゃないか。今日は良い日になりそうだ。
「ラッキー、ウサギげっとー!」
「おや、今のでまたレベルが上がりました。」
どんどん上がって良いよ。今日は運勢が最高なのでは?さっそく能力を確認すべくポケットからステータスボードを取り出す。
「ホーネット=ファントムとハニービー=ミラージュ?」
「ファントムは姿を消すことができます。」
「すげぇ!で、ミラージュは?」
「姿を消すだけでなく、相手に幻を見せることができる能力です。やって見ますか。」
「おわ!私じゃん。おお、そこにも私だ。蜂の数だけ幻影を見せることができるの?」
「さすが、ご明察にございます。」
さらっとトンデモない能力が加わってしまった。こんなスキルいままで聞いたこと無いぞ。これなら宿でもバトラーたち見つかる心配はなくなる。いや、それにとどまる話じゃないな。
「じゃあバトラー以外は姿を消しておこう。」
林に潜んでついて来ていた蜂たちの姿が一気に見えなくなった。隠れていたとはいえ、今までものすごい威圧感だったからなかなかいい感じだね。私がいつも通り採取場所に向かっていると、不意にバトラーが不穏な知らせを告げた。
「すぐ近くでゴブリンの群れに襲われている人間がおります。これは・・・。」
「その人たちは大丈夫なの?」
「明らかに劣勢です。」
「行くよ、バトラー!」
「お待ちください。」
「どうしたの?」
「あまりにもゴブリンの数が多すぎます。いま我々が駆けつけても包囲されている人間を助け出すことは困難でしょう。救助に向かえばリーファ様まで包囲されかねません。ただちに避難いたしましょう。」
「ホーネット=ヴェノムでは駆逐できないのか?」
「あの群れにはホブもいるはずです。非力な私どもではリーファ様の安全を保証いたしかねます。」
「私に考えがある。お願いだバトラー!」
「いたしかたありません。かしこまりました。」
***
冒険者たちは既に包囲されて全方位から襲いかかられていた。既に何人かはゴブリンに討ち取られてしまい、今やジリ貧のパーティーが生還するのは絶望的な状況に陥っている。最初は数匹に過ぎなかったゴブリンがあれよあれよと膨れ上がったのだ。状況からかんがみるに冒険者を狩りに来ているのは明白、背後に指揮官がいることは間違いないだろう。
「ベンがやられた!くそぉっ!」
「いったい何なんだ、ちくしょー!」
「マズいぞ。リアン、早く魔法を!」
「待たせたな、燃え尽きろゴブリンども。ヘルファイア!」
「やったか?」
「か、数が多すぎる。だ・・・、ダメだ。」
女のエルフが放った大規模魔術でも焼け石に水のようだった。炎でこじ開けた活路もすぐに攻め寄せるゴブリンによって塞がれてしまった。最大火力さえも飲み込まれてしまったパーティーの士気が一気に圧しつぶされて行く。
「諦めるな!こんなところで全滅してたまるかよ!ぐおっ。」
リーダーのスアレスが足にゴブリンの矢を受けた。足が踏ん張れないため剣を振る度にバランスを崩す。ここでスアレスが倒れてしまえばそのままゴブリンになぶり殺しの目に会うことだろう。まさにパーティーの命運は尽きようとしていた。
「くっ、ここまでか・・・。」
「ーい・・・た・・・よ」
「何か聞こえたか?」
「いまそれどころじゃ」
「・・・ぶ?」
「救助か!」
気のせいではない、やはり誰かの声が聞こえた。こんな状況に飛び込んでくる冒険者などいるはずがないと頭では分かっている。もし自分たちがこんな状況を目撃しても、救助しようなどとは微塵も考えないだろう。討伐隊を編成しない限りさばき切れない数のゴブリンに襲われているのだ。犠牲者が出ようとも自らの生命を最優先するのが最善の選択と言える。見殺しにしたところで誰も責めたりするわけがない。
しかし藁にもすがる思いで声の方向を見やると、何がどうなっているのかゴブリンの向こうに女の子の姿が見えた。あろうことか女の子が何人もゴブリンの周りを走り回っているではないか。同じ顔が何百と見えるだけでも正気を疑いたくなるレベルだが、その子供が走り回るだけでどんどんゴブリンが悲鳴とともに弱体化し、ついには動かなくなる。
「何だこれは?俺は夢でも見ているのか。」
「あの子は・・・、ギルドマスターのお気に入りの子ではないか?」
リアンが子供の正体に気づいた。しかし尋常ならざる光景にそれ以上の言葉が出てこない。そのまま力なく地面にへたりこんでしまう。
ついには包囲していたゴブリンを全て無力化し、さらにゴブリンの群れをどんどん遠くに押し返して行く。
「俺はいったい何を見せられているんだ?」
「ボヤボヤしないで早く逃げて!私もこれ以上は支えられない!」
「スアレス、大丈夫か?」
「リアン、俺に構うな。走れ!」
「馬鹿言うな。生きてる限りは絶対に連れて帰る。」
「そろそろ私たちも撤退だ。バトラー!」
リーファの合図で数百人のリーファが一斉に消えてしまった。ゴブリンたちはあまりの出来事に驚愕の表情を浮かべている。
私はパーティーが逃げ去るのを確認してほっとした。何人かは助からなかったけど、なんとか全滅だけは避けられたみたいだ。
作戦は上手くいったぞ。ゴブリンが必死に剣で斬りかかってたけど、幻影なんだから当たるわけない。ふふふ。
「ハニービー=ミラージュでゴブリンの目を釘付けにしている隙に、姿を消したホーネット=ヴェノムで死角からトドメを刺して行くとは!このバトラーめは我が主リーファ様のお力を見誤っておりました。」
「いいよバトラー、たまたま思いつきが上手く行っただけだし。そもそも無茶言い出したのは私で、バトラーの判断は決して間違ってないよ。とにかく今日はすぐに帰ろう。」
「そうですな。パントリーには本日分の依頼くらいはまかなえる薬草を確保しておりますし、賢明なご判断かと。」
それにしてもヤバかった。あんなにゴブリンが殺到することがあるんだね。スカーレットが口を酸っぱくして危ないことするなって言ってる意味が身に浸みて分かった気がする。
「ふふん。」
「ご機嫌ですねリーファ様。」
「見てよバトラー。今までは冒険者ごっこの子供だったけど、装備をつけた私は今や立派な冒険者なのだよ!」
「リーファ様は将来のトップランカー間違いなしです。」
「へへへ、行くよ。」
ギルドの入り口をくぐると朝からグレンとスカーレットが何やら相談している。とりあえず今日も薬草採取の掲示を受付まで持ってこよう。
「うーん、レベル的には任せてもいいんだろうけど・・・。」
「狩りの手際は良いとして、要は経験なんだよなぁ。単に強さだけじゃぁないんだよ冒険者ってやつぁ。ソロだしなぁ。」
「お願いします。」
「えぇ、今日も薬草採取ね。真面目に薬草採取してくれるのはリーファしかいないから助かるわ。」
「本当は冒険者らしく討伐依頼もこなしたいんだけどね。グレンも言ってたけどこれが下積みってやつなんでしょ?じゃあ頑張らないと。」
「わかってるじゃんリーファ。」
私はライナに頭をなでられた。ライナは私の子供扱いが過ぎる。今日から一人前の冒険者だと言うのに、まったくライナはもう。
リーファがブツブツ言いながら歩いていると、ウサギを発見した。幸先良いスタートじゃないか。今日は良い日になりそうだ。
「ラッキー、ウサギげっとー!」
「おや、今のでまたレベルが上がりました。」
どんどん上がって良いよ。今日は運勢が最高なのでは?さっそく能力を確認すべくポケットからステータスボードを取り出す。
「ホーネット=ファントムとハニービー=ミラージュ?」
「ファントムは姿を消すことができます。」
「すげぇ!で、ミラージュは?」
「姿を消すだけでなく、相手に幻を見せることができる能力です。やって見ますか。」
「おわ!私じゃん。おお、そこにも私だ。蜂の数だけ幻影を見せることができるの?」
「さすが、ご明察にございます。」
さらっとトンデモない能力が加わってしまった。こんなスキルいままで聞いたこと無いぞ。これなら宿でもバトラーたち見つかる心配はなくなる。いや、それにとどまる話じゃないな。
「じゃあバトラー以外は姿を消しておこう。」
林に潜んでついて来ていた蜂たちの姿が一気に見えなくなった。隠れていたとはいえ、今までものすごい威圧感だったからなかなかいい感じだね。私がいつも通り採取場所に向かっていると、不意にバトラーが不穏な知らせを告げた。
「すぐ近くでゴブリンの群れに襲われている人間がおります。これは・・・。」
「その人たちは大丈夫なの?」
「明らかに劣勢です。」
「行くよ、バトラー!」
「お待ちください。」
「どうしたの?」
「あまりにもゴブリンの数が多すぎます。いま我々が駆けつけても包囲されている人間を助け出すことは困難でしょう。救助に向かえばリーファ様まで包囲されかねません。ただちに避難いたしましょう。」
「ホーネット=ヴェノムでは駆逐できないのか?」
「あの群れにはホブもいるはずです。非力な私どもではリーファ様の安全を保証いたしかねます。」
「私に考えがある。お願いだバトラー!」
「いたしかたありません。かしこまりました。」
***
冒険者たちは既に包囲されて全方位から襲いかかられていた。既に何人かはゴブリンに討ち取られてしまい、今やジリ貧のパーティーが生還するのは絶望的な状況に陥っている。最初は数匹に過ぎなかったゴブリンがあれよあれよと膨れ上がったのだ。状況からかんがみるに冒険者を狩りに来ているのは明白、背後に指揮官がいることは間違いないだろう。
「ベンがやられた!くそぉっ!」
「いったい何なんだ、ちくしょー!」
「マズいぞ。リアン、早く魔法を!」
「待たせたな、燃え尽きろゴブリンども。ヘルファイア!」
「やったか?」
「か、数が多すぎる。だ・・・、ダメだ。」
女のエルフが放った大規模魔術でも焼け石に水のようだった。炎でこじ開けた活路もすぐに攻め寄せるゴブリンによって塞がれてしまった。最大火力さえも飲み込まれてしまったパーティーの士気が一気に圧しつぶされて行く。
「諦めるな!こんなところで全滅してたまるかよ!ぐおっ。」
リーダーのスアレスが足にゴブリンの矢を受けた。足が踏ん張れないため剣を振る度にバランスを崩す。ここでスアレスが倒れてしまえばそのままゴブリンになぶり殺しの目に会うことだろう。まさにパーティーの命運は尽きようとしていた。
「くっ、ここまでか・・・。」
「ーい・・・た・・・よ」
「何か聞こえたか?」
「いまそれどころじゃ」
「・・・ぶ?」
「救助か!」
気のせいではない、やはり誰かの声が聞こえた。こんな状況に飛び込んでくる冒険者などいるはずがないと頭では分かっている。もし自分たちがこんな状況を目撃しても、救助しようなどとは微塵も考えないだろう。討伐隊を編成しない限りさばき切れない数のゴブリンに襲われているのだ。犠牲者が出ようとも自らの生命を最優先するのが最善の選択と言える。見殺しにしたところで誰も責めたりするわけがない。
しかし藁にもすがる思いで声の方向を見やると、何がどうなっているのかゴブリンの向こうに女の子の姿が見えた。あろうことか女の子が何人もゴブリンの周りを走り回っているではないか。同じ顔が何百と見えるだけでも正気を疑いたくなるレベルだが、その子供が走り回るだけでどんどんゴブリンが悲鳴とともに弱体化し、ついには動かなくなる。
「何だこれは?俺は夢でも見ているのか。」
「あの子は・・・、ギルドマスターのお気に入りの子ではないか?」
リアンが子供の正体に気づいた。しかし尋常ならざる光景にそれ以上の言葉が出てこない。そのまま力なく地面にへたりこんでしまう。
ついには包囲していたゴブリンを全て無力化し、さらにゴブリンの群れをどんどん遠くに押し返して行く。
「俺はいったい何を見せられているんだ?」
「ボヤボヤしないで早く逃げて!私もこれ以上は支えられない!」
「スアレス、大丈夫か?」
「リアン、俺に構うな。走れ!」
「馬鹿言うな。生きてる限りは絶対に連れて帰る。」
「そろそろ私たちも撤退だ。バトラー!」
リーファの合図で数百人のリーファが一斉に消えてしまった。ゴブリンたちはあまりの出来事に驚愕の表情を浮かべている。
私はパーティーが逃げ去るのを確認してほっとした。何人かは助からなかったけど、なんとか全滅だけは避けられたみたいだ。
作戦は上手くいったぞ。ゴブリンが必死に剣で斬りかかってたけど、幻影なんだから当たるわけない。ふふふ。
「ハニービー=ミラージュでゴブリンの目を釘付けにしている隙に、姿を消したホーネット=ヴェノムで死角からトドメを刺して行くとは!このバトラーめは我が主リーファ様のお力を見誤っておりました。」
「いいよバトラー、たまたま思いつきが上手く行っただけだし。そもそも無茶言い出したのは私で、バトラーの判断は決して間違ってないよ。とにかく今日はすぐに帰ろう。」
「そうですな。パントリーには本日分の依頼くらいはまかなえる薬草を確保しておりますし、賢明なご判断かと。」
それにしてもヤバかった。あんなにゴブリンが殺到することがあるんだね。スカーレットが口を酸っぱくして危ないことするなって言ってる意味が身に浸みて分かった気がする。
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二章 ダンジョンアタック!【9/5〜】
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六章 体験! エルフの暮らし【9/17〜】
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