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 家に着いたのは4時半過ぎだった。ソファーに座りのんびりしながら黒田さんが来るのを待った。

 しばらくすると、インターホンがなったので見ると、黒田さんだった。

「今開けます」

 ドアの鍵を開け、黒田さんを部屋の中に招いた。

「お邪魔致します」

 黒田さんにスリッパを渡し、リビングへと向かい、ソファーに座った。

「着いて早速で申し訳ないですが、契約書の内容確認して貰っていいですか?」

 俺はそう言い、テーブルの上に契約書を出した。

「勤務時間が月曜日から金曜日の8時から17時。朝と帰りの学校への送り迎えと、俺が学校行っている間に部屋の掃除、洗濯、夜ご飯の準備をお願いします。ここまでは大丈夫そうですか?」

「大丈夫です」

「給料は前の会社ではどれくらい貰ってましたか?」

「前の会社では月によって変わりますが、大体年収400万円前後くらいでした」

「では、月30万円でボーナス年2回で1回100万円の年収560万円でどうですか?」

「そんなに貰って宜しいのですか?」

「はい、じゃあ給与はこれで行きましょう」

 その後も契約内容を確認して黒田さんに契約書にサインと印鑑をしてもらい契約は完了した。

「明日って時間空いてますか?」

「はい、大丈夫です」

「送迎に使う車をまだ買ってないので、明日買いに行きたいんですけど、一緒に行きませんか?黒田さんが運転する車なので黒田さんが運転しやすいの選んだ方がいいと思うので」

「かしこまりました。お供させて頂来ます。明日は私の車で宜しいですか?」

「大丈夫です。ありがとうございます。明日11時頃でいいですか?」

「大丈夫です。ではまた明日宜しくお願いします」

 明日の時間を確認して、今日は解散した。



 次の日。9時ごろに起床し、出かける準備を終わらせて11時になるまでテレビを見てのんびりしていた。

 11時5分前になったのでマンションを出たが、すでに黒田さんはマンションの前に来ていた。

「おはようございます、秋庭様。本日も宜しくお願い致します。」

「おはようございます。宜しくお願いします。秋庭じゃなくて海里でいいですよ」

「かしこまりました。海里様と呼ばせて頂きます。」

 俺は黒田さんにエスコートされ車に乗り込んだ。

「本日はどこの車屋さんに行かれます
か?」

「駅の裏にあるカールっていう車屋さんに行こう」

「かしこまりました」

 車を走らせること30分程でカールに到着した。

 昨日の夜、近くの車屋さんを調べた時に見つけたカールは有名な車の高級ブランドのお店だ

「到着致しました」

「ありがとうございます」

 俺たちは車を降りて店の中に入った。

「いらっしゃいませ。本日はどのような車をお探しでしょうか?」

 店に入るとすぐに、店員さんに話しかけられた。

「送迎に使う車を探しに来たんですけど、広々としていて座り心地が良くて、運転がしやすくて音の静かな車ありますか?」

 俺がいろいろ条件を言うと、店員さんが少し考えて、3種類の車を提案してくれた。

 その3種類の車の説明をして貰い、試乗したり悩んだ結果黒のベンツを買うことに決めた。

「お会計が1320万円になります」

「カードでお願いします」

 俺はカードを店員さんに渡し、一括で支払いをした。

「納車は2週間後の6月16日になりますので、その日にお届けにあがります」

「分かりました。宜しくお願いします」

 お店を出た頃には、13時を過ぎていたので、少し遅めの昼食を取ることにした。

「黒田さん、この辺でおすすめのお店あります?」

「どのようなジャンルのお店でしょうか?」

「お肉がいいかな」

「それでしたら、ここから10分ほどの場所に牛肉料理専門店がございますが、ここどうでしょうか?」

「じゃあそこでお願いします」

「かしこまりました」

 10分程車を走らせると、久兵衛という店に到着した。

「いらっしゃいませ。何名様でしょうか?」

「2人です」

「お席にご案内いたします」

 俺たちはテーブル席に案内して貰い、メニューを見る。

「全部美味しそう」

 メニューには、ステーキ、カツ、すき焼きなどいろいろなメニューがあった。

「黒田さん決まりました?」

「はい。私は牛ロースステーキ御膳にします」

「いいですね!俺は牛ヒレカツ定食にします」

 二人ともメニューが決まったので、店員さんを呼んで注文した。

 しばらく待つと、ヒレカツ定食とロースステーキ御膳が運ばれてきたので、食べ始めた。

「美味しい!」

「美味しいですね」

 それから無言で食べ続け、二人ともすぐに食べ終わったので、席を立ちレジへ向かった。

「お会計が6400円になります」

 ピッタリ6400円払い、店を出た。

 店を出た後、黒田さんが牛ロースステーキ御膳の代金を俺に渡してきた。

「黒田さんはもううちの従業員なので上司の俺に払わせてください」

「ありがとうございます。ご馳走様です」

 俺の言葉に渋々納得したようで、お礼を言ってきた。

 店を出たのは14時半だったので、この後は冒険者として活動するために必要な用具を買いに行くことにした。












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