異世界転移したので、のんびり楽しみます。

side マレドリアン•ロックウェル①

　※マレドリアン•ロックウェル視点

　私の名前はマレドリアン•ロックウェル。

　ロックウェル王国国王の弟であり公爵の爵位を賜っている。

　王国騎士団団長も務めていて、後任の育成のために王立騎士学園の学園長も務めているので忙しく毎日を過ごしている。

　今日も忙しい1日を過ごしていると、

「失礼致します。タイチ•ミズノ様からお手紙が届いております」

「ありがとう」

　普段は手紙が届いても緊急のもの以外は順番に読むのだが、タイチからの手紙だと聞いたのでその場で読んだ。

『マレドリアン•ロックウェル公爵様へ
　お久しぶりです。前に王立騎士学園で臨時講師の依頼を受けました冒険者のタイチです。Sランク冒険者試験を受けることになり、王都に向かうことになりました。その際、ご挨拶に伺えれば幸いです。
　　　　　　　　　　　　タイチ•ミズノ』

「近いうちにSランクになるような人物だとは思ったが、そんなに早くなるなんてな」

「返事を書こう」

『タイチ殿へ
　もうSランク試験を受けられるようになったのだな。おめでとう。
王都へ来た際は公爵家に招待しよう。
楽しみにしている。
　　　　　　マレドリアン•ロックウェル』

　タイチに初めて会った時のことを考えながら手紙を書いた。

　タイチに初めて会ったのは冒険者ギルドに出していた王立騎士学園の臨時講師の募集に応募してきたタイチを面接した時だ。

　初めてタイチを見た時はそんなに強そうには見えなかったが、面接時威圧したりしても微動だにせず何事もないように話していたので面接が終わる頃には面白い少年だなという印象に変わった。

　次の日、依頼が終わった後のタイチは授業の報告をしに授業担当のタリー先生と共に学園長室にやってきた。

　いろいろな話をした後、最後にBランク昇格推薦状を書いてタイチに渡した。