空想世界

book bear

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お父さん

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お父さんに真相を打ち明けられてから四年後
想真は高校3年になっていた。

お父さんはあの日から半年後には家を出て行ってしまい、そのあとお母さんはしばらく落ち込んでいた。

お母さんは事あるごとに私のせいでお父さん出ていってしまってごめんねと謝った。

気にしないで、俺はお母さんが居てくれたらそれで幸せだと返す。

最初はお母さんも浮気相手と本気だと想真は思っていたのだが、どうやら本気ではなかったらしい。

お母さんは偽りの家族を演じていたわけではないと分かると僅かだが救われた気がした。

お母さんは一人で俺を育たてくれている。
この恩は社会人になったら返そうと思っていた。

楽をさせてやりたい、そのためには大学に行って良いところに就職をしなければと思っていたのだが、今の家計では大学なんて到底行けそうにも無かった。


想真は奨学金制度を使って大学に行こうと思い、その事を母親に話すことにした。  

「お母さん、俺大学行こうと思ってるんだ」

するとお母さんはやはり金銭面が不安だったのか暗い表情で言った。

「そうなのね、でもごめんね、行かせてあげたいんだけどお金がなくて・・・・」

「心配いらないよ、奨学金で行くつもりだから」

お母さんは申し訳なさそうにごめんねと言った。


それから半年後

お母さんに話があると呼ばれ、リビングの机で向かい合っていた。

古くなった換気扇の音が聞こえていた。

「話って何?」

お母さんは少し間を起き、覚悟を決めた表情で言った。

「私ね、再婚しようと思っているの」

「え、再婚?彼氏いたの?」

彼氏がいる事を聞かされていなかった想真は驚いた。
それに彼氏がいる雰囲気でも無かったから全く気づかなかった。

「うん、それでね、突然で想真もすぐに受け入れることはできないのはわかってる。

聞いてほしいのはね、その再婚相手の人が学費を出してくれるって言ってるのよ。

悪い話ではないと思うの」

確かに悪い話ではないのだが、だからといってすぐにいいよとは言えなかった。
知らない男がいきなりお父さんになるなんて考えれない。

「学費どうこうよりもお母さんが幸せだと思うならそれでいいと思う。

ただ、今すぐにはいいよと言えない。
会った事もない人をお父さんとは呼べないよ。」

「そうよね、もちろんよ。
今度紹介していい?
それで3人でゆっくり仲良くなれたらなって思ってるの」


「うん、いいよ」

次の休日に3人で映画を見に行くことになった。
映画館なら観てる間は気を使わなくてもいいし、観終わったあと話のネタにもなるからいいんじゃないかなとお母さんが提案した。

お母さんの狙い通りその日3人は楽しい一日を過ごした。

彼氏もとてもやわらかな言葉遣いで、爽やかな印象があり悪くないと思った。

それから半年後お父さんとして迎え入れることになった。
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