スマホイゾン

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スマホイゾン

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今日もいつも通りの日常が始まることに憂鬱な気持ちになりながら玄関を出る。
 「今日でこの家ともお別れだ、そろそろ足がつくだろう」

一ヶ月過ごした家を眺めながら言う。

「おい!急がないと捕まるぞ!」

彼に急かされて僕は少し名残惜しく家に背を向けてあるき出した。

「おい、今日も奴らスマホ見ながら徘徊してるぜ」

そう言って彼が見た先にスマホを見ながらうめき声を発して歩いている人達が居た。

「彼らを始末しないとこの先の電波塔には行けないな、やるか?」

そう言って肩から猟銃をおろした。

すると彼はすぐさま猟銃を僕から取り上げて安全装置を外す。

「今日は俺の番な」

と楽しそうに言いながら標準を徘徊する人達のスマホに合わせる。

「外すなよ、スマホを破壊しないと奴らは死なないんだから」

と彼に注意を促す。

彼は呆れたようにため息を吐き、萎えるから黙ってろと吐き捨てた。

再び彼は銃を構え、集中する。
張り詰めた空気を裂くような破裂音とともに一台のスマホが弾け飛ぶ。

「よっしゃ!」

と彼はガッツポーズをする。

大きな音に反応したスマホを持つ人達はス、、、マ、、ホ。とうめきながらあたりを見回している。
どうやらまだ僕達の場所はバレていない。

「今のうちに、全部片付けるぞ」

直後に彼は数発一気に撃ってスマホを破壊していく。
徘徊している人たちを順調に片付け残り一人になった。

「チェックメイト」

と余裕そうに彼が行ったあと銃声が響く。
弾はスマホに当たった、かのように見えたがやつは死なずにこちらに振り向く。
ゾンビ映画さながらにホラーな展開だ。

するとスマホを握りしめ全速力でこちらに走ってくる。

「やばい、走られたらスマホを狙えない」

動揺しながら彼は銃を構えるが僕は彼の腕を掴み引っ張る。

「無駄だここは逃げるぞ」

「いや、無理だ奴らの足は速すぎる・・・もう終わりだ・・・」

絶望する彼はもう逃げる気力もなかった。

くそ、電波塔はすぐそこなのに・・・。

僕は彼を見捨てることにした、とにかく電波塔に行き世界中のスマホをシャットダウンすれば奴らを根絶やしにできるはずだ。
彼とは知り合ってまだ日が浅く、罪悪感が弱かったのが救いだ。

僕は彼のもとを離れた、スマホを持っている人は彼を捕まえるとポケットからスマホを取り出した。

「・・い、いらない・・・」

彼の声は震えていた。
彼は無理やり拳を解かれスマホを握らされると急に叫び出した。

「スマホーーーーー!!!!!依存依存依存!!」

僕は恐怖した、ああはなりたくない震える足にムチを打ち電波塔へ駆け出す。

    
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