80 / 106
街灯
しおりを挟む
ある日の深夜、何となく眠れなくて深夜徘徊をしていると興味深いものを見た。
目の前を歩くベロベロに酔ったサラリーマンが、ぽつんと設置されている街灯の光に入った途端、街灯に吸い込まれていったのである。
後には何も残らず、街灯が不気味に辺りを照らすだけだった。
目の前で起こった事実を受け入れることが出来なかった俺は、石ころを投げてみた。
するとサラリーマン同様、街灯の光に入ると街灯に吸い込まれていった。
「まじかよ、どこいったんだよあのオッサン」
オッサンは気の毒だが、これは色々と使えそうだ、俺はこの街灯について色々と調べてみることにした。
学校を無断欠勤し、朝から街灯を見張る。
朝ということもあり、出勤中のサラリーマンや学生がチラホラと街灯の前を通り過ぎる。
一体どうなるんだとハラハラしながら見ていたが、そいつらは何事もなく街灯の前を通過していく。
「ほぉ、なるほどな、明かりに入らなければ吸いこまれることは無いんだな」
そうとなれば光がつくまで待つことにする。
深夜1時、やっと光がついた。
「はぁ、やっとついた、どんだけ待ったんだよ俺は」
だが、どうして街灯の怪奇現象が表に出ないかは判明した。
この辺りは割とへんぴな街だ、この時間帯でやってる店などひとつもない、深夜に出歩く人など滅多にいないのだ。
「よし、大体のことはわかった、要はこの明かりの中に入らなければいいんだ、怖くなんかないな」
そうと決まれば利用してやる。
俺は家から溜まりに溜まったゴミを持ってきた。
「ゴミの分別ってめんどいからなぁ、スプレーのガスとか抜くのめんどいし」
だがこの街灯にかかればそんなの朝飯前だ。
ひょいと投げ込めばたちどころにゴミは消えてしまう。
「これはいい、もっと別のものも消してみるか...」
「なんだよ、こんな時間に呼び出して」
俺は親友の佐藤を街灯の近くまで連れてきた。
俺は知っている、彼女とこいつがデキていることを...。
「いや、どうということはないよ、消えて欲しいだけ」
「は?」
ドンッ
佐藤を突き飛ばす、俺は満面の笑みで送り出す、佐藤は街灯の明かりに照らされ、消える。
「はは、まじかよ、楽勝じゃん、ははははは」
それからというもの俺の邪魔になるやつはどんどんと消していった。
最初はやりすぎかとおもったが、証拠なんて何も残りはしない、俺が消したヤツらは全員行方不明者として扱われた。
俺は十分満帆な生活を手に入れた、鬱陶しいやつは全員消した、彼女だって今は俺のものだ。
「ねぇ、健二くん、どうして笑ってるの?」
おっと、顔に出ていたか。
「多分飲みすぎたんだな、そろそろ帰ろうか」
時刻は2時半、彼女と遠出して晩飯を食いに行くだけのはずが、ズルズルと居酒屋を回ってしまった。
「あ~あ、くらくらする~」
おぼつかない足取りで街を歩く。
「ねぇ、健二くん、話があるの」
彼女が急にあらたまる。
「なんだよ?プロボーズか~?」
「私、あなたとは罰ゲームで付き合ったの。本当はあなたなんてちっとも好きじゃない」
「え?急にどうしちまったんだよ...?」
「...消えてちょうだい」
しまった!!確かこの道は!!
ドンッ
俺は突き飛ばされた、背後には、眩しいほどの街灯の光があった。
目の前を歩くベロベロに酔ったサラリーマンが、ぽつんと設置されている街灯の光に入った途端、街灯に吸い込まれていったのである。
後には何も残らず、街灯が不気味に辺りを照らすだけだった。
目の前で起こった事実を受け入れることが出来なかった俺は、石ころを投げてみた。
するとサラリーマン同様、街灯の光に入ると街灯に吸い込まれていった。
「まじかよ、どこいったんだよあのオッサン」
オッサンは気の毒だが、これは色々と使えそうだ、俺はこの街灯について色々と調べてみることにした。
学校を無断欠勤し、朝から街灯を見張る。
朝ということもあり、出勤中のサラリーマンや学生がチラホラと街灯の前を通り過ぎる。
一体どうなるんだとハラハラしながら見ていたが、そいつらは何事もなく街灯の前を通過していく。
「ほぉ、なるほどな、明かりに入らなければ吸いこまれることは無いんだな」
そうとなれば光がつくまで待つことにする。
深夜1時、やっと光がついた。
「はぁ、やっとついた、どんだけ待ったんだよ俺は」
だが、どうして街灯の怪奇現象が表に出ないかは判明した。
この辺りは割とへんぴな街だ、この時間帯でやってる店などひとつもない、深夜に出歩く人など滅多にいないのだ。
「よし、大体のことはわかった、要はこの明かりの中に入らなければいいんだ、怖くなんかないな」
そうと決まれば利用してやる。
俺は家から溜まりに溜まったゴミを持ってきた。
「ゴミの分別ってめんどいからなぁ、スプレーのガスとか抜くのめんどいし」
だがこの街灯にかかればそんなの朝飯前だ。
ひょいと投げ込めばたちどころにゴミは消えてしまう。
「これはいい、もっと別のものも消してみるか...」
「なんだよ、こんな時間に呼び出して」
俺は親友の佐藤を街灯の近くまで連れてきた。
俺は知っている、彼女とこいつがデキていることを...。
「いや、どうということはないよ、消えて欲しいだけ」
「は?」
ドンッ
佐藤を突き飛ばす、俺は満面の笑みで送り出す、佐藤は街灯の明かりに照らされ、消える。
「はは、まじかよ、楽勝じゃん、ははははは」
それからというもの俺の邪魔になるやつはどんどんと消していった。
最初はやりすぎかとおもったが、証拠なんて何も残りはしない、俺が消したヤツらは全員行方不明者として扱われた。
俺は十分満帆な生活を手に入れた、鬱陶しいやつは全員消した、彼女だって今は俺のものだ。
「ねぇ、健二くん、どうして笑ってるの?」
おっと、顔に出ていたか。
「多分飲みすぎたんだな、そろそろ帰ろうか」
時刻は2時半、彼女と遠出して晩飯を食いに行くだけのはずが、ズルズルと居酒屋を回ってしまった。
「あ~あ、くらくらする~」
おぼつかない足取りで街を歩く。
「ねぇ、健二くん、話があるの」
彼女が急にあらたまる。
「なんだよ?プロボーズか~?」
「私、あなたとは罰ゲームで付き合ったの。本当はあなたなんてちっとも好きじゃない」
「え?急にどうしちまったんだよ...?」
「...消えてちょうだい」
しまった!!確かこの道は!!
ドンッ
俺は突き飛ばされた、背後には、眩しいほどの街灯の光があった。
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
校長先生の話が長い、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
学校によっては、毎週聞かされることになる校長先生の挨拶。
学校で一番多忙なはずのトップの話はなぜこんなにも長いのか。
とあるテレビ番組で関連書籍が取り上げられたが、実はそれが理由ではなかった。
寒々とした体育館で長時間体育座りをさせられるのはなぜ?
なぜ女子だけが前列に集められるのか?
そこには生徒が知りえることのない深い闇があった。
新年を迎え各地で始業式が始まるこの季節。
あなたの学校でも、実際に起きていることかもしれない。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
令嬢の名門女学校で、パンツを初めて履くことになりました
フルーツパフェ
大衆娯楽
とある事件を受けて、財閥のご令嬢が数多く通う女学校で校則が改訂された。
曰く、全校生徒はパンツを履くこと。
生徒の安全を確保するための善意で制定されたこの校則だが、学校側の意図に反して事態は思わぬ方向に?
史実上の事件を元に描かれた近代歴史小説。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる