痛覚研究所の記録

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筋肉を剥がす

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「うぅ、痛てててて」
「どうした、腹でも痛いのか?」
「違いますよ、腹筋が筋肉痛なんです。...まぁ腹が痛いことには変わりないですけど」
「腹筋が?日常生活において腹筋が筋肉痛になるほど使われることがあるか?」
「いや、筋トレしたんですよ、僕。最近寝る前にカップ麺とか食べちゃって、気づいた時には結構太っちゃってまして、このままじゃかわいい僕じゃいられないと思って筋トレし始めたんです。どうして寝る前のカップ麺ってあんなに美味しんですかね?不思議です」
「うーむ、別に太ったとは思わないけどな。まぁ美を追求することはいい事だ、精進したまえ。それより、そんなに痛むのか?」
「はい、結構無理したんで、ちょっとでも動かすと...、痛てて、この通りです...」
「ふむ、筋肉か...なるほどな」
「え?なにか筋肉痛を解消する方法を思いついたんですか!?さすが博士!!」
「いや、筋肉を剥がすという実験はどうだろうと思ってな」
「あぁ、そっちですか...、でもいいですねそれ!筋肉痛でこの痛みなら、剥がされた時はきっとえげつない痛みだと思います!!」
「だろ?しかし君、実験に参加できるのかね?」
「ギクッ、博士ぇー、実験体の確保はお願いしていいですかぁ?」
「しょうがないな、下手に動いて悪化されても困る。よし、私がやろう」 
「さっすが博士!!頼りになるぅぅ!!」
「こらこら、安静にしておきなさい」


ガチャン
そこには筋肉隆々のマッチョ男がいた。
「おい!いくら私の筋肉が美しいからって誘拐するのは違うだろ!!見惚れる気持ちは分かるが普通に犯罪だぞ!!」
「別に見惚れてはないが...、まぁ筋肉が美しいから攫ったという所はあってるんだがな」
「だろ?正直に言えばいいんだ。今なら許してやろう、ほら、解放して存分に筋肉を見学すればいい」
「...博士、これまた一風変わった人を実験体に選びましたね」
「あぁ、ちょうどいいマッチョがこいつしかいなかったんだ。なんか面白いしいいだろ?」
「うーん、なんかやりにくなぁ」
「おーい、聞いてるのか?そろそろ筋トレの時間だ、解放してくれ」
「よし、始めるか」
「ええ、記録は任せてください」
博士がメスを手に持つ、切れ味は抜群だ。横腹に刃を入れる。
プスッ
「痛た!!なんだなんだ!!」
スー
なんの抵抗感もなく横腹の皮だけを切る。
ちなみに博士は魚の三枚おろしとかが得意だ。
「痛い痛い!!おい!!僕の自慢のお腹に何をするんだ!!」
「なんだか余裕そうですね」
「あぁ、こんかいの目的はあくまで筋肉剥がしだ。ここで痛みを感じられたら困るからメスの切れ味を最高にしておいた」
「ほぉ~、準備がいいですねぇ」
「続けるぞ」
スー
腹筋の周りの皮を四角く切りる
「よし、剥がすぞ」
ベリベリベリベリ
「痛っ!!痛い痛い!!うわっ!!私の腹筋が丸見えだ!!痛い!!」
「凄い、なんかまだ余裕そうですね。これもなにか工夫を?」
「いや、これは何もしていない...。こいつは痛み耐性がつよいのか?」
「にしても腹筋が丸見えなんですよ、相当焦るでしょ普通」
「痛い痛い!!でも美しい!!私の腹筋!!鍛えたかいがあった!!こんなにも美しいものが隠れていたのか!!イッテェェェェェ!!」
「...普通ではないのだろう、こいつは」 
「剥がしていくぞ」
「何!?剥がすだと!?腹筋をか?やめろ!!触るな私の腹筋に!!殺すぞ!!」
「うわっ!!急に気性が荒くなった!!」
「ええい、一気に剥がすぞ。おりゃぁぁぁぁぁ!!!」
ブチブチブチブチブチブチ!!!!
腹筋を剥がす時の音は相当大きい。繊維同士が強く結び付き合ってるからだ。
「ウグァァァァァ!!!!私の腹筋がァァァァ!!!」
「第一声が痛いじゃないとは...。尊敬すらしてきましたよ...」
「ヒッグッ、どうじでぇ...。ドヴジデゴンナゴドオォォォ!!!!!」
「うおお、凄いなこいつは!!普通なら死んでるぞ!!」
「ん?」
「あぁ、今死んだみたいだな」
「それにしてもタフでしたね今回の実験体は」
「あぁ、そうだな。痛みのデータよりも面白いモノを見れた気がする」
「やっぱり鍛えてるからなのかなぁ?」
「いや、それは関係ないとおも...」
「よしゃァァァー!!僕も頑張るぞぉぉー!!」
「おいおい!!今ジャンプなんてしたら...」
「イッテェェェェェ!!筋肉痛がぁぁぁ!!」

「言わんこっちゃない...」

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