92 / 111
2章 リリスと闇の侯爵家
92 レインのご褒美
しおりを挟む
足取り軽く鼻歌を歌いながらレインは双子の王子の待つ部屋に向かっていた。
きっと褒めてくれるに違いないと王子達の顔を思い浮かべて、顔が緩んだ。
ダミアン様はいい仕事をしてくれたとカバンに入れてあるものに触れた。
薔薇姫をつれて帰るまでは至らなかったが、これはこれで十分成果になっている。
レインはオプスキュリテ家の客室の扉の前に来ると、自然と扉が空いた。
中からミルキが出てきた。
闇色の執事服が良く似合ういい男だ。
うっとりとした表情であたしは見つめる。
それを無表情にミルキは一瞥すると感情が何も動いていないように淡々と言葉をはいた。
「戻りましたか…」
「戻ったわよ。
入っていいわよね?」
「しばしお待ちを…」
中からミルキが王子達にあたしが来たことを告げている声が聞こえた。
しばらくすると扉が開かれた。
勢いよく扉の内側へ入る。
「レインもどりましたわ。
会えなくて寂しかった」
あたしは素早く視界に入ったレウ殿下へ抱きつこうと突撃する。
するりと身をかわされた。
その後ろにはリオン殿下が蔑んだ視線をこちらに投げかけていた。
そんな視線を投げかけられても、あたしにとってはご褒美にしかならない。
美しい顔からの視線を貰えて身体がゾクゾクと震えた。
「帰ってきてそうそう絡むのやめてよね!」
レウ殿下は不機嫌そうに腕を組んで唇を尖らせた。
その姿もかわいらしくて素敵だわ。
「ついつい、素敵な殿方がいたので興奮してしまって」
あたしは悪びれもなく答える。
「それで、進展はあったのだろう?
報告をしてくれ」
リオン殿下が早く話せとこちらを視線で急かす。
きっと殿下は気づいているのだ。
薔薇姫の臭いがするものをあたしが持っていることに。
魔族は鼻が利くから部屋に入った時点でこの美味しそうな匂いに気づかないはずがない。
残り香でさえ存在感がある。
「あらぁ、急かしてしまうのね」
レインは鞄にしまっていた、赤いマントを取り出し広げた。
ふわりと赤い布が晒された。
薔薇姫の香りが部屋に広がる。
その布にリオン殿下もレウ殿下も釘付けになっている。
ミルキも驚いたように微かに目が見開かれる。
「このマントほしい?」
あたしは、にまにまと周囲の男達を眺めた。
「それ、リリスの?だよね?
薔薇姫の塔で嗅いだ匂い…」
「早く、こちらへ渡してもらおうか?」
レウ殿下もリオン殿下もこの赤いマントが早く欲しいみたいだ。
二人とも顔が血色が良くなっている。
これはどう考えてもご褒美が貰えるくらいの代物だと思う。
本人を捕まえられなくても、身につけてる衣服があれば匂いや魔力の粒子で追うことができる。
それにこの赤いマントには魔族にはない高度な術式が施されていて解析すれば他のものにも運用できそうだった。
目の前の二人は純粋に少し前まで薔薇姫が身につけていたものが欲しいという感情が全面にでているが、あとできっと気づくことだろう。
ダミアン様の愛情の力で良いものが手に入ったとレインは唇に笑みを浮かべる。
薔薇姫の味見もしたかったが、機会はいずれ巡ってくることだろう。
ダミアン様が成功しても失敗してもレインにとってはどちらも益になっていた。
「頑張った従者にご褒美ほしいわ。
そうね、恋人のように肌と肌で触れ合うような情熱的な褒美がほしいわね」
その言葉にリオン殿下とラウ殿下は眉をひそめた。
「また、ふざけてるの?」
「…困ったことに本気だろうな」
二人は顔を見合わせている。
よく似た顔が鏡のように困惑する様をみるもの面白かった。
瞳の色は左右で違うところもまた美しい。
「しかたない、望み通り褒めてやろう。
但し、言葉だけだ。
この身はリリスのものだからな」
「…兄さん、本気なの?
あいつ図に乗るよ!」
しぶしぶではあるが言葉の上だけは褒めてくれるみたいだ。
「ふふ、嬉しいわ。
恋人のようにレインって名前で呼んで!
優しく抱きしめてくれたらもっと嬉しいのだけど…」
「…レイン、従者としてよくやった褒めてやる」
「一応、仕事は褒めてあげるよ。
レイン…」
機械的に名前を呼び褒めてはくれた。
もう少し感情を乗っけてくれてもいいと思うのだけど。
「あらぁ、それじゃ全然恋人のようじゃないわ。
名前は呼んでもらえたけれど、満足できない…」
あたしは色っぽい仕草で王子達を抱きしめようとしたが、後ろからミルキに肩を掴まれていた。
いつの間にここにいたのだろうか。
手に持っていた赤マントも素早く奪われる。
「…やんっ、強引なのも嫌いじゃないわ」
まったく気配に気づいてなかったので驚いたが微笑みを浮かべる。
あなたが抱きしめてくれてもいいのよと熱い視線でミルキを見つめたが、無表情で返された。
いい男なのに退屈なことだ。
「これ以上の戯れは不敬ですよ。
こちらは預からせて頂きます」
「…したかないわね。
もともと渡すつもりだったわ。
少しくらい遊んだっていいじゃない」
「…ふざけすぎなのですよ」
ミルキは赤いマントを丁寧に畳むと、リオン殿下とレウ殿下に渡した。
「ありがとう」
「感謝する、ミルキ」
大事そうに二人は赤いマントをそれぞれ抱きしめた。
「それで、レイン。
どうしてこの薔薇姫の赤いマントを手に入れることが出来たの?」
「詳しく教えて欲しい」
それに、あたしはふざけることなく話し始めた。
戯れるのもいいけれどこれから先の展開が気になるものね。
「殿下達の要望どおり、オプスキュリテ家のご子息ダミアン様に協力して見つけたのよ。
ちゃんとこの家の手柄になるように見守っていたわ。
もう少しの所でダミアン様は逃げられてしまったみたいだけれど…」
金髪の少女が邪魔をしたこと街の人に妨害されたことなどを含めレインは話していった。
納得がいったのが殿下たちは頷きあっている。
「いつもそういう態度だと助かるのだがな…」
「普段ふざけすぎだよね、迷惑」
呆れた表情をしてこちらを見るも、あたしはあたしだから仕方がない。
欲しいものを目の前にして、真面目になんて生きられない。
少しでも悪あがきをして興味を引きたくなるものだ。
「さて、話は聞いた訳だが…
もうここでリリスを待っているのは限界だと思っていたんだ」
「ここまで近づいて逃げられてしまうなんてね。
ここの人達を信用して待っててもダメかもね」
リオン殿下もレウ殿下も遠い目をしている。
手に入れるべき薔薇姫のことを考えているようだ。
甘く溶けるような表情にあたしは羨ましさを感じてしまう。
あんな表情をあたしもさせてみたい。
あの二人の寵愛はすでに薔薇姫のものと決まっているけれど少しくらいこちらにも分けて欲しい。
強欲なあたしは全ての男の愛情が欲しいわけだけど。
しばらくすると、双子である王子達は声を揃えて宣言した。
「「自らの手でリリスを見つける」」
あまりにも綺麗にリオン殿下とレウ殿下の声が揃っていて感心してしまう。
「この屋敷からでてリリスを探しに行こう、兄さん」
「ミルキ、オプスキュリテ侯爵に報告しておいてくれ。
婚約者は自らの力で連れ戻すと!
私達は出ていく。
戻る時は薔薇姫を手にした時だ」
「かしこまりました」
ミルキは静かに返事をする。
静かに姿勢よく立ったミルキは美しかった。
何かを考えている表情に惹かれる。
自然とあたしは笑みが零れた。
双子の王子は勢いよく部屋から出て行った。
旅立ちの準備をするようだ。
レインはそんな王子達の後ろを遅れて追いかける。
また面白いことがはじまりそうだ。
きっと褒めてくれるに違いないと王子達の顔を思い浮かべて、顔が緩んだ。
ダミアン様はいい仕事をしてくれたとカバンに入れてあるものに触れた。
薔薇姫をつれて帰るまでは至らなかったが、これはこれで十分成果になっている。
レインはオプスキュリテ家の客室の扉の前に来ると、自然と扉が空いた。
中からミルキが出てきた。
闇色の執事服が良く似合ういい男だ。
うっとりとした表情であたしは見つめる。
それを無表情にミルキは一瞥すると感情が何も動いていないように淡々と言葉をはいた。
「戻りましたか…」
「戻ったわよ。
入っていいわよね?」
「しばしお待ちを…」
中からミルキが王子達にあたしが来たことを告げている声が聞こえた。
しばらくすると扉が開かれた。
勢いよく扉の内側へ入る。
「レインもどりましたわ。
会えなくて寂しかった」
あたしは素早く視界に入ったレウ殿下へ抱きつこうと突撃する。
するりと身をかわされた。
その後ろにはリオン殿下が蔑んだ視線をこちらに投げかけていた。
そんな視線を投げかけられても、あたしにとってはご褒美にしかならない。
美しい顔からの視線を貰えて身体がゾクゾクと震えた。
「帰ってきてそうそう絡むのやめてよね!」
レウ殿下は不機嫌そうに腕を組んで唇を尖らせた。
その姿もかわいらしくて素敵だわ。
「ついつい、素敵な殿方がいたので興奮してしまって」
あたしは悪びれもなく答える。
「それで、進展はあったのだろう?
報告をしてくれ」
リオン殿下が早く話せとこちらを視線で急かす。
きっと殿下は気づいているのだ。
薔薇姫の臭いがするものをあたしが持っていることに。
魔族は鼻が利くから部屋に入った時点でこの美味しそうな匂いに気づかないはずがない。
残り香でさえ存在感がある。
「あらぁ、急かしてしまうのね」
レインは鞄にしまっていた、赤いマントを取り出し広げた。
ふわりと赤い布が晒された。
薔薇姫の香りが部屋に広がる。
その布にリオン殿下もレウ殿下も釘付けになっている。
ミルキも驚いたように微かに目が見開かれる。
「このマントほしい?」
あたしは、にまにまと周囲の男達を眺めた。
「それ、リリスの?だよね?
薔薇姫の塔で嗅いだ匂い…」
「早く、こちらへ渡してもらおうか?」
レウ殿下もリオン殿下もこの赤いマントが早く欲しいみたいだ。
二人とも顔が血色が良くなっている。
これはどう考えてもご褒美が貰えるくらいの代物だと思う。
本人を捕まえられなくても、身につけてる衣服があれば匂いや魔力の粒子で追うことができる。
それにこの赤いマントには魔族にはない高度な術式が施されていて解析すれば他のものにも運用できそうだった。
目の前の二人は純粋に少し前まで薔薇姫が身につけていたものが欲しいという感情が全面にでているが、あとできっと気づくことだろう。
ダミアン様の愛情の力で良いものが手に入ったとレインは唇に笑みを浮かべる。
薔薇姫の味見もしたかったが、機会はいずれ巡ってくることだろう。
ダミアン様が成功しても失敗してもレインにとってはどちらも益になっていた。
「頑張った従者にご褒美ほしいわ。
そうね、恋人のように肌と肌で触れ合うような情熱的な褒美がほしいわね」
その言葉にリオン殿下とラウ殿下は眉をひそめた。
「また、ふざけてるの?」
「…困ったことに本気だろうな」
二人は顔を見合わせている。
よく似た顔が鏡のように困惑する様をみるもの面白かった。
瞳の色は左右で違うところもまた美しい。
「しかたない、望み通り褒めてやろう。
但し、言葉だけだ。
この身はリリスのものだからな」
「…兄さん、本気なの?
あいつ図に乗るよ!」
しぶしぶではあるが言葉の上だけは褒めてくれるみたいだ。
「ふふ、嬉しいわ。
恋人のようにレインって名前で呼んで!
優しく抱きしめてくれたらもっと嬉しいのだけど…」
「…レイン、従者としてよくやった褒めてやる」
「一応、仕事は褒めてあげるよ。
レイン…」
機械的に名前を呼び褒めてはくれた。
もう少し感情を乗っけてくれてもいいと思うのだけど。
「あらぁ、それじゃ全然恋人のようじゃないわ。
名前は呼んでもらえたけれど、満足できない…」
あたしは色っぽい仕草で王子達を抱きしめようとしたが、後ろからミルキに肩を掴まれていた。
いつの間にここにいたのだろうか。
手に持っていた赤マントも素早く奪われる。
「…やんっ、強引なのも嫌いじゃないわ」
まったく気配に気づいてなかったので驚いたが微笑みを浮かべる。
あなたが抱きしめてくれてもいいのよと熱い視線でミルキを見つめたが、無表情で返された。
いい男なのに退屈なことだ。
「これ以上の戯れは不敬ですよ。
こちらは預からせて頂きます」
「…したかないわね。
もともと渡すつもりだったわ。
少しくらい遊んだっていいじゃない」
「…ふざけすぎなのですよ」
ミルキは赤いマントを丁寧に畳むと、リオン殿下とレウ殿下に渡した。
「ありがとう」
「感謝する、ミルキ」
大事そうに二人は赤いマントをそれぞれ抱きしめた。
「それで、レイン。
どうしてこの薔薇姫の赤いマントを手に入れることが出来たの?」
「詳しく教えて欲しい」
それに、あたしはふざけることなく話し始めた。
戯れるのもいいけれどこれから先の展開が気になるものね。
「殿下達の要望どおり、オプスキュリテ家のご子息ダミアン様に協力して見つけたのよ。
ちゃんとこの家の手柄になるように見守っていたわ。
もう少しの所でダミアン様は逃げられてしまったみたいだけれど…」
金髪の少女が邪魔をしたこと街の人に妨害されたことなどを含めレインは話していった。
納得がいったのが殿下たちは頷きあっている。
「いつもそういう態度だと助かるのだがな…」
「普段ふざけすぎだよね、迷惑」
呆れた表情をしてこちらを見るも、あたしはあたしだから仕方がない。
欲しいものを目の前にして、真面目になんて生きられない。
少しでも悪あがきをして興味を引きたくなるものだ。
「さて、話は聞いた訳だが…
もうここでリリスを待っているのは限界だと思っていたんだ」
「ここまで近づいて逃げられてしまうなんてね。
ここの人達を信用して待っててもダメかもね」
リオン殿下もレウ殿下も遠い目をしている。
手に入れるべき薔薇姫のことを考えているようだ。
甘く溶けるような表情にあたしは羨ましさを感じてしまう。
あんな表情をあたしもさせてみたい。
あの二人の寵愛はすでに薔薇姫のものと決まっているけれど少しくらいこちらにも分けて欲しい。
強欲なあたしは全ての男の愛情が欲しいわけだけど。
しばらくすると、双子である王子達は声を揃えて宣言した。
「「自らの手でリリスを見つける」」
あまりにも綺麗にリオン殿下とレウ殿下の声が揃っていて感心してしまう。
「この屋敷からでてリリスを探しに行こう、兄さん」
「ミルキ、オプスキュリテ侯爵に報告しておいてくれ。
婚約者は自らの力で連れ戻すと!
私達は出ていく。
戻る時は薔薇姫を手にした時だ」
「かしこまりました」
ミルキは静かに返事をする。
静かに姿勢よく立ったミルキは美しかった。
何かを考えている表情に惹かれる。
自然とあたしは笑みが零れた。
双子の王子は勢いよく部屋から出て行った。
旅立ちの準備をするようだ。
レインはそんな王子達の後ろを遅れて追いかける。
また面白いことがはじまりそうだ。
0
お気に入りに追加
46
あなたにおすすめの小説
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
私の婚約者は6人目の攻略対象者でした
みかん桜(蜜柑桜)
恋愛
王立学園の入学式。主人公のクラウディアは婚約者と共に講堂に向かっていた。
すると「きゃあ!」と、私達の行く手を阻むように、髪色がピンクの女生徒が転けた。『バターン』って効果音が聞こえてきそうな見事な転け方で。
そういえば前世、異世界を舞台にした物語のヒロインはピンク色が定番だった。
確か…入学式の日に学園で迷って攻略対象者に助けられたり、攻略対象者とぶつかって転けてしまったところを手を貸してもらったり…っていうのが定番の出会いイベントよね。
って……えっ!? ここってもしかして乙女ゲームの世界なの!?
ヒロイン登場に驚きつつも、婚約者と共に無意識に攻略対象者のフラグを折っていたクラウディア。
そんなクラウディアが幸せになる話。
※本編完結済※番外編更新中
ヤンデレ幼馴染が帰ってきたので大人しく溺愛されます
下菊みこと
恋愛
私はブーゼ・ターフェルルンデ。侯爵令嬢。公爵令息で幼馴染、婚約者のベゼッセンハイト・ザンクトゥアーリウムにうっとおしいほど溺愛されています。ここ数年はハイトが留学に行ってくれていたのでやっと離れられて落ち着いていたのですが、とうとうハイトが帰ってきてしまいました。まあ、仕方がないので大人しく溺愛されておきます。
もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
旦那様、そんなに彼女が大切なら私は邸を出ていきます
おてんば松尾
恋愛
彼女は二十歳という若さで、領主の妻として領地と領民を守ってきた。二年後戦地から夫が戻ると、そこには見知らぬ女性の姿があった。連れ帰った親友の恋人とその子供の面倒を見続ける旦那様に、妻のソフィアはとうとう離婚届を突き付ける。
if 主人公の性格が変わります(元サヤ編になります)
※こちらの作品カクヨムにも掲載します
今日は私の結婚式
豆狸
恋愛
ベッドの上には、幼いころからの婚約者だったレーナと同じ色の髪をした女性の腐り爛れた死体があった。
彼女が着ているドレスも、二日前僕とレーナの父が結婚を拒むレーナを屋根裏部屋へ放り込んだときに着ていたものと同じである。
愛する殿下の為に身を引いたのに…なぜかヤンデレ化した殿下に囚われてしまいました
Karamimi
恋愛
公爵令嬢のレティシアは、愛する婚約者で王太子のリアムとの結婚を約1年後に控え、毎日幸せな生活を送っていた。
そんな幸せ絶頂の中、両親が馬車の事故で命を落としてしまう。大好きな両親を失い、悲しみに暮れるレティシアを心配したリアムによって、王宮で生活する事になる。
相変わらず自分を大切にしてくれるリアムによって、少しずつ元気を取り戻していくレティシア。そんな中、たまたま王宮で貴族たちが話をしているのを聞いてしまう。その内容と言うのが、そもそもリアムはレティシアの父からの結婚の申し出を断る事が出来ず、仕方なくレティシアと婚約したという事。
トンプソン公爵がいなくなった今、本来婚約する予定だったガルシア侯爵家の、ミランダとの婚約を考えていると言う事。でも心優しいリアムは、その事をレティシアに言い出せずに悩んでいると言う、レティシアにとって衝撃的な内容だった。
あまりのショックに、フラフラと歩くレティシアの目に飛び込んできたのは、楽しそうにお茶をする、リアムとミランダの姿だった。ミランダの髪を優しく撫でるリアムを見た瞬間、先ほど貴族が話していた事が本当だったと理解する。
ずっと自分を支えてくれたリアム。大好きなリアムの為、身を引く事を決意。それと同時に、国を出る準備を始めるレティシア。
そして1ヶ月後、大好きなリアムの為、自ら王宮を後にしたレティシアだったが…
追記:ヒーローが物凄く気持ち悪いです。
今更ですが、閲覧の際はご注意ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる