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第5章
マリアvsレーナさん①
しおりを挟む──ガコンッ!
木と木のぶつかり合う音が辺りに響いた。
「...やりますね...。」
「......。」
──ガンガガガガガンガガガンガンガガガン!!
両者ともスピード型で互いにとても速い剣撃を繰り出しては弾いていた。
ただでさえレーナさんがいる為、訓練所の利用者達に注目されているのに、この激しい剣撃のせいで、さらに注目が集まった。
「...す、すげぇ!流石はレーナさん!!」
「...いや、あっちの狐の子もすげぇ強いぞ!!」
「確かに!!しかもまだ子供じゃねーか!!」
といった声がちらほらと聞こえてくる。マリアもレーナさんも好評なようだ。
───ガゴンッ!!
1つの音が鳴ると、辺りに静寂が訪れた。
お互いの距離は10m程。
「...中々ですね!」
「...恐縮です。」
「またまた~そうやって謙遜しちゃって~。」
「いえ、まだアリス様に勝ててないので。」
「そ、そうなの?あっちの子の方がもっと強いんだ...。」
「えぇ...ものすごく...。」
「......ふ~ん。じゃああの子と戦う為にも早く試合を終わらせなきゃね!──葉盾!」
そういうとレーナさんは魔法を唱えた。
周囲に渦巻くのは大きな鋭い魔法の葉っぱ。
大きな葉っぱは30cm程度の小盾ぐらいで合計6枚がレーナさんの周りをクルクルと回っている。
...多分、自動で防御するシステムなのだろう。普通に強い魔法だ。
「──いくわよ!」
──シュッ!!
「...ッ!?」
意気込んで、マリアに向かうが何も無い場所から斬撃がレーナさん目掛けて飛んできた。
「な、何...今の...?」
当然困惑するレーナさん。
だが、不意をついた攻撃を躱せるぐらいには耳や反応速度が良いのだろう。
そしてそれを基に、謎の斬撃があちらこちらからレーナさんに向かって飛んでいく。
それを、レーナさんは自分の木剣で弾いていたが、捌ききれない分を自分を取り巻く葉っぱでカバーしていた。
──ガコッ...ガガガゴンッ......ガンッガガンッ...ガゴッ
「な、何なのよ...一体...!」
この謎の斬撃の正体はマリア自身。マリアの分身による斬撃なのだ。
マリアはレーナさんが葉盾を使った時に、分身を出していた。
何故、姿が見えないのかと言うと、単に闇黒魔法で姿を隠しているだけの事。
...暗殺者になれるよね...汗
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