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第4章
【漆黒の狐団】ま、まぁ、当たり前ですけどね...!汗⑫
しおりを挟む──キィィィインン!!
マリアの元に瞬間移動した私はそれと同時に斬りかかった。
が、不意を突いた一撃も冷静に対処される。
マリア...強くなったね...汗
ナイフで戦うと決めた以上、魔法でダメージを与える事はしない。
まぁ、要するにマリアに魔法で傷を付けないという事。だから魔法は使うけど殺傷性のある魔法は使わないってことだ。
もちろん、マリアはそんな事知らない訳だからどんどん魔法使って来ると思うけどね笑
そんなことを考えている間でも攻撃の手を緩めない。寧ろ速くしていく。
瞬間移動を繰り返しながら死角から攻撃を仕掛ける。
攻撃をする度にどんどんと瞬間移動をする間隔が短くなる。
そうして出来たものは...
「──死ノ迷宮」
その名の通り死の迷宮だ。普通瞬間移動をする際には、行先を頭に思い浮かべながら自分をそこに移動させるイメージをする必要がある。
だけど、私は視界に入った所なら一瞬で行けてしまうことに気付いたのだ。
そとそも、時空間魔法の使い手はこの時代にはそうそういない。
頭をフル回転させながら──移動した瞬間にまた移動──を繰り返し、その合間に自分の得物で攻撃をするという荒業でもあるのがこの魔法。
だけど、1度この魔法を使うと2度目からは慣れるのかそんなに苦にはならなくなった。
──キィンキキキキィキィンキキキキキキンッッ!!!.........
「......っ」
額に汗をかきながら無言でいなしていくマリア。
これ受けれるって...貴女化け物ですか...?
「...アリス...様...?」
コメカミに青筋立ててにこやかに微笑むマリア。...これは後で怒られる覚悟が必要だね...。
「...うぐっ!」
だが、そんなマリアでも次第に受けきれなくなってきたのか攻撃が当たるようになってきた。
アリスとマリアが激しい剣撃を繰り広げる中、観客達は...
「「「「.........」」」」
皆呆然とした様子でそれを眺めていた。
「...な、なんだよ、あれ...」
「わ、私に聞かれても...」
「アリス様可愛い!!!!」
「...アリス様......強い......」
「...マリア様の本気って事ですかね...?」
「...そうだろうな」
上からミリアーネ、シュリナ、ニーナ、セナ、シルビア、そしてまたミリアーネの順だ。
......
瞬間移動をしまくり、常に死角から攻撃を繰り返しているのだけど一向に倒れない。
首筋に自分のナイフを立てようにもその前には回避されてしまう。
...この攻撃に慣れてきたか......
「マリア...もう、終わりにしようか」
「...え...?」
そう言い、私は一旦マリアから距離をとる。
そして.........
「わたしのかんがえたさいきょうのひっさつわざ!!!」
まぁ、はい。ネタです。
「──時ヲ司ル者」
それを唱えた瞬間、世界が灰色に染まる。
この世界では私を除く全てのものの時間が止まる。
──時を司る者
正にピッタリな名前じゃない?
この魔法は創り出すのに苦労した。...なんたって世界の時を止める事が出来る魔法なんだから...。
この世界に転生?してからずっと試行錯誤して練習に練習を重ねて出来たものがこの魔法。
その代わりに10秒ごとに莫大な量の魔力を消費する。
その数、約5万。
私の魔力は装備品の効果を含め、約13万。
25秒程でこの魔法は解けてしまうのだ。
ちなみに、瞬間移動も中々に魔力消費が激しいらしい──マリア情報──んだけど、それでも1回、約500なのだ。
桁違いだね...
すぐに消えてしまう魔法だからその間に攻撃をしなければならない魔法。
そしてもう1つ、この世界では一切の魔法は使えない。もし放ったとしても世界が止まっているため、発動しないのだ。...どういう原理かは謎。
しかし、それでもこの魔法は強力。...破れる人に会ってみたいな...いるか分かんないけど。
そんな事を考えている内に私はマリアの元に向かっていた。
...魔法がダメなら、物理でしょ!!
「...えいっ!!」
勢いよく無防備なマリアの首に気絶させれるほどの威力の手刀を入れる。
これで終わりだ。
...シュゥゥゥゥ
世界に彩りが戻る。
それと同時にマリアが気絶し、私がそれを支える。
観客達は皆何が起こったか分からない!って顔をしながら私達の方を見ていた。
こんな大技を使わないと勝てないって...マリア...強くなったね...
あっ、だけど今回は攻撃魔法は使わなかったからそれ込みだとどうなるか分からないね!
ま、まぁ!余裕で勝てましたし?威厳は保たれますよね!
...ね...?
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