裏社会の令嬢

つっちー

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第4章

バトルジャンキーですか?

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素晴らしいです!って言われてもねぇ...


「私と戦って貰えませんか...!?」


「はぁ!?な、なんでですか!?」


「私は強い人に惹かれるのです。」


「そ、そうですか...」


「だから私と戦ってください!」


「なんでそうなるの!?」



もしやこの人バトルジャンキーとか言うやつなのでは...?いくら断っても折れない勢いだしなぁ...ふーむ...どうしたものか...



「もし戦ってくれるのであれば私は貴女に協力、もしくは後ろ盾くらいにはなりますよ?」



たしかにこれはいい条件だと思う...だって国一番の魔法使いだよ?この人の後ろ盾を得ると言うことは国一番の魔法使いに認められたと言うこと。たかが一回戦うだけだし...いいよね...?




「...分かりましたわ。その申し出、お受けいたしますわ。」


「そうですか!それは良かったです!!」


いい笑顔しますね貴方...。



「そうと決まれば早速戦いましょう!」


そう言ってマーリン様は時空間魔法を使って、空間を創った。そう、私と同じような魔法だ。


「...マーリン様も使えるのですね......」


「ん?あぁこれね?アリス嬢も使えるのですか?」


「はい。ですが私の空間はこのような美しい景色が無いです。」


マーリン様の空間には私の何もない空間と違い、背景があった。自然豊かな美しい光景に入るとき呼吸をするのを忘れたほどだ。


入ると私達は互いに距離をとる。ざっと50mほどだろうか。



「早速戦うとしましょうか。」


「えぇ。」


「先制攻撃はそちらからどうぞ。」


「分かりましたわ。」




戦う場所は背の低い草が生い茂る大きな森だ。ここでは自然魔法が有利になりそうだ。



そう思った私は周りにある草木を魔法で操った。


「──大地ノ母MOTHER・OF・THE・EARTH


これで自然はすべて私の味方になった。次は、草木を操ってマーリン様に攻撃をする。攻撃は全て自動にし、次の魔法に移る。




「──飛行FLYING──竜の息DRAGON・BREATH



マーリン様は獄炎魔法で草木を焼き払いながら攻撃を避けていく。



私は次の魔法をうつ。次の魔法は闇黒魔法。


「──闇黒ノ魔槍DARK・GUNGNIR



私の頭上に無数の闇黒魔法による槍が現れる。私は手を前に出すと、槍も同時に相手に向かって撃ち出されていく。


マーリン様はそれを自然魔法で出した土の壁で全てを受け止める。受け止めきった後、壁は崩れたがその先に魔法を展開していたマーリン様がいた。



「──凶氷ノ波ICE・WAVE



唱えた瞬間、マーリン様の足元から私に向かって刺々しい氷の波が押し寄せてくる。



対して私は闇黒魔法と獄炎魔法の組み合わせで対抗する。


「──闇夜ノ地獄DARKNIGHT・THE・HELL



赤黒い炎が氷の波を襲う。当たった氷は溶けて無くなり今度はその氷の波を伝って炎の波が出来上がったのだ。



「な、なんだその魔法は...!?...ふふっ、興味深いですねぇ...。」


うへぇこの人ヤバイわ...あっ!そうだ!前に創った?あの魔法を使ってみよう...ククク



「──地ノ波EARTH・WAVE


マーリン様は土で赤黒い炎を上から被せ、消した。だがそれに気をとられて、私のもうひとつの魔法に気がつかなかった。





「──黒白混淆BLACK・AND・WHITE・CHAOS


「───分......う...(ボソッ)」



そう、見てしまえば一時間は目がチカチカする最悪の魔法だ。もちろん私は目を閉じておく。



視覚遮断BLIND


ま、まじか急に咄嗟の判断力が良くなったのか...?この魔法によって私の魔法諸共暗闇の中に消え去った。ついでに私の視界も暗い。やばい。


「──凶氷の波ICE・WAVE


何も見えない状態でのこれはきついなぁ...



ちょっとあれやってみるか...


「──防御PROTECTION


まずは自分の周りに盾を張って...次に自分の魔力を溜めに溜めまくった高濃度の魔力を媒体に盾の外を中心に大爆発を起こす。


「──ビックバンBIG・BANG



カッッ!!どががががががががががか!!!!


これはやばいな...盾が壊れちゃう。


爆発が起きてる最中は全力で盾が壊れないように魔力を注ぐ。注いでる時もビリビリと盾の中まで響いてくる。



シュゥゥゥゥゥゥ......




よ、ようやく収まっ......は?



目を開けるとそこには底の見えない、しかも穴の半径も分からないほど地面が抉れていた。



...前もこういうのやって怒られた気がする...




マーリン様は大丈夫かな?まぁ大丈夫か。(適当)



「ふぅ~助かった~!」


ほらね?


「どうやってこの大爆発を免れたのですか?」


「んーとね、危なかったけど私も盾を張ったからねぇ」



「へぇ...」



「死ぬかと思ったよ。」



「そ、そうですか」


めっちゃ軽く言ってるけど私もヤバかったからなぁ。この人こんなんだけどやっぱり凄いなぁ...



「勝負は引き分けってことでいいよね?」


「そうですね。」


「まぁ、君のことは興味があるから後ろ盾にはなるよ?」


「ほんとですか!ありがとうございます!」








勝負は引き分けだったけど後ろ盾を得たのは大きいと思う。
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