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初恋のお兄さん
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俺には好きな人がいる。けどもうきっと会えない。
「あー…だりぃ…」
高三になったばかりの春。同じクラスには大して面白い奴もいない。学校で絡むだけの奴ら。
「柳~、カラオケ行かね?」
「いや、俺バイト」
と、適当な嘘をつく。カラオケとか何が楽しいわけ?
「じゃ、先帰るわ」
振り返らずに手をひらひらさせながら教室を出る。後ろからなんか話しかけられていたけどすぐにイヤホンをして耳を塞ぐ。友達も部活もバイトも興味がない。勉強はできない、する気もない。だってする意味がないから。
イヤホンからは英単語が流れてくる。高三の俺には簡単すぎる英単語のはずなのに、俺は理解できていない。ただ音が流れてくる。
「さんでー、まんでー…」
聞こえたまま真似をして口にする。何度も言うが俺は勉強する気はない。
誰も来ない二号館に入ると、道具置き場になっている階段に腰をかけた。
「んー……はぁ…」
伸びをして、カバンを枕にする。イヤホンはしたまま、流れてくる音を真似する。
「らいぶらりー……ぽすとおふぃす…」
「そこで何してんの?」
うっすらと声が聞こえた。その声に聞き覚えがあって、イヤホンを反射的に外しながら飛び起きる。
「…え、なんで………」
「ふふ、おっきくなったね、柳」
目の前にいたのは、もう会えないと思っていた人。勉強する意味を失った原因。そう、俺の好きな人、多部リュウジくん。
「隣…座ってもいい?」
もちろんいいんだけど、幻覚?
「あはは、幻覚じゃないよ、いるよ」
「え?」
「声に出てた、変わらないなぁ。もう」
わしゃわしゃっと頭を撫でられる。
「え、多部くんっ…」
「ん?」
「なんでここにいるの?」
卒業してから、付属の大学ではなく別の大学に行ってしまった。高校卒業まではいつでも会えるところにいたのに、別の大学に行ってしまった。別の世界に行ってしまったと、中三の頃の子どもでバカな俺は怒っていた。
「え?教育実習だよ」
「なにそれ」
「ねぇ、先生の話はちゃんと聞こうよ」
HRなんて聞いてるわけもないので、なんの話か全くわからない。頭上にはてなを浮かべていると説明してくれた。
「来週から柳のクラスの先生に付くんだ」
「もちろん授業もするよ?」
「……は?」
このー!と言いながら多部くんは俺の頬をつねった。
「またね?って言ったでしょ?」
あぁ、そういえば、俺が中三の時、多部くんが大学に受かったことを教えてくれた。大学の名前に驚いて、合格したことはおめでとうって思った。けど同時に悲しかった。それで俺は怒って、喧嘩別れのようになってしまった。
現実を受け入れたくなくて走り出した俺の背中に投げかけられた言葉が、「またね」だった。
「柳は怒って耳を貸してくれなかったね」
「ごめん…ガキだった」
「でも…またねって…。それから一度も「また」なんて来なかった」
「ごめんごめん」
また多部くんは俺の頭をわしゃわしゃする。
「子ども扱いすんな、高三なんだけど」
「いつまで経っても可愛い弟だよ」
それが嫌なんだよ。弟。俺は弟なんて思ってほしくないのに。
「………帰る」
立ちあがろうとした俺の腕を掴んで、手の中の物を取られた。多部くんからもらった小さな音楽プレーヤー。
「あっ…」
「まだ、聞いてるの?えらいじゃん」
中身なんて覚えてない。それを聞くと多部くんと一緒にいた時を思い出せるから。
「ごめんね、中三までの内容しか入ってなかったね」
「聞いててもわかんねぇし」
乱暴に奪い取ると、眉を八の字にして困り顔をする。俺はこの顔にとても弱い。
「多部くんがいないから、勉強、やる気起きなかった」
「あれ?もしかして…中三から何もしてないの?」
立ち上がった俺の顔を覗き込むように可愛い顔で見てくる。
「ん…だって意味ないもん」
「何を拗ねているのやら」
「僕は今、とてもがっかりしているよ」
多部くんが立ち上がり、俺にプレーヤーを渡すと、階段を降りて行く。
「柳なら続けてくれると思ってたのになぁ。なんか…ちょっと残念…だな?ふふ」
言葉の後に振り返って見せた笑顔が、あの頃と変わらず可愛らしくて、愛おしかった。
「じゃあ、職員室行くから、またね?」
室内用の靴をキュッと鳴らしながら職員室へ向かった。
「はぁ…かわいいまんまじゃん…」
てか、もっと可愛くなってない?いや、俺がデカくなったからか。細くて、小さくて、上目遣いなのがたまらない。
俺は音楽プレーヤーを胸の前で握りしめた。
「多部くん…」
ーーーー
次の日の朝、今までの俺ではありえないような早起きをし、きちんと髪を整え、高校に上がってから見せたことのない笑顔で教室に座っていた。
「なんか柳、機嫌よくね?」
「笑ってるとこ初めて見たんだけど…」
「…あんなかっこよかったっけ?」
お前たちはどうだっていいんだよ。俺は朝から幸せなんだ。だって………
ーガラッー
「席につけ~、HRはじめっぞー」
担任はどうでもよくて、その後ろを歩く多部くんを見た。目が合うと目元だけ優しく笑ってくれた。
「はじめまして。多部リュウジです。大学三年で、教育実習に来ました。」
高校の頃の話や大学での話をほんの少しだけしてくれて、そのあと多部くんが出欠をとった。毎日多部くんが出欠取るなら休まずにきて名前を呼んでもらいたい…
「えっと…柳陵さん」
「っ…はい」
手を上げて「はい!」と言いたいところ、わざと目線を窓の方へ向けて、雑に返事をした。昨日話した時よりも少し穏やかな声で呼ばれたフルネームが頭の中でリピートされる。
ーーーー
それから毎日が嘘みたいに楽しくて、景色が輝いて見えた。気づいたら二週間はあっという間に過ぎて、多部くんがいるのもあと一週間。
そんな中多部くんからあの階段に来てと言われて、俺はマジでるんるんだった。
「なぁ柳~、カラオケ行かねー?」
「むり、バイト」
また適当な嘘をつくが、笑顔でそいつらに手を振る。
「じゃあなー」
今日はイヤホンをつけない、必要ないから。またあの二号館の階段まで向かう。辺りを見ると本当に誰もおらず静まり返っていた。
階段に腰掛け、カバンを枕に天井を見つめた。
「はぁ……多部くん」
「なぁに?」
「うぉっ!」
階段の上からひょこっと顔を出して、俺の顔を覗く。
「いつからいたの?」
「柳が来るほんの少し前から」
俺が呼んだんだから先にいないとね、と話しながら階段を降りてきて、俺の横に座る。
うわ………まじで、ちょこん、が似合う。ちっちゃ、その手は何?あざといんだけど。
「なにー?見過ぎだよっ、はずかし…」
「あ、ごめん」
「謝るってことは見てたってことだっ」
俺の肩を指でツンとつつく。自分の理性が保たれていることに感謝しつつ、今にもぷつんと切れてしまいそうで必死に堪える。
だって、好きな人なんだよ?ずっとずっと、好きな人なんだよ。
「ここに呼んだのはね?」
深呼吸をしてから話し始めたけど、また詰まって深呼吸をする。そんなに大事なことなの?
「ふー…ごめんね、ははっ///」
両手でパタパタと赤らんだ顔を仰いだ。
「えっと…ん"ぅん。柳…」
「は、はい」
「ずっと柳が好き、、です」
え?
え!!?!?!?
多部くんが…好きって…俺を…
「んん…柳?///」
「はっ………え?」
俺は多部くんを、可愛い顔をした多部くんをガン見したあと、その可愛さに悶えて自分の膝の間に顔を落として俯いた。
「こ、困るよね…//ごめんね?」
「あ…」
なんでだよ俺。うまく言葉が出てこない。
「あと一週間で実習終わりで、柳と会う機会もまた減っちゃうな…って思ったら、伝えたくなっちゃって」
「でも、今の立場で言うべきじゃなかった…」
伝えてくれて嬉しいよ!ありがとう!伝えたいのに口が動かない。ガバッと顔を上げて多部くんを見るけど、言葉が出てこない。
「本当は卒業する時、言うつもりだったんだ…」
「あの……三年前の…あれ//柳、気づいてたでしょ…?」
さっきよりも赤くなりながら顔を覗き込まれた。
「あれ…って?」
やっと言葉が出たのに、あれって?って…
「教室で勉強教えてあげてた時、柳寝ちゃってさ…」
「最低なお兄さんだよね…三個も下の子の唇奪うなんて」
え!?初めて聞いたんですけど!
「え?キスしたってこと?俺に?」
「えぇ!?もしかして知らなかった?//」
「知らなかっ……いや…夢だと思ってた」
そうだ。あの英語を教えてもらっていた日。休憩しようかって言って多部くんは自販機に行った。その間に多部くんの声で録音された英単語を聞こうとイヤホンをつけ、わけわからなすぎて寝たんだ。
「都合のいい夢、みたな…と思って…た」
「へ?」
「ん?」
「それって…柳も…?」
「うん、俺、多部くんが好き。ずっと」
やっと言えたこの言葉。ずっと前から伝えたかった。でも言えなかった言葉。
「ん、ちゃんと言ってよかった…っ」
多部くんは目を潤わせてくしゃっと笑った。無意識に手が伸びて、頬を撫でてしまった。
「…っ、め…ぐろ、今はまだ…」
「まだ?…って…」
多部くんは真っ赤になりながら俺が触った頬を自分の手で撫でてそのまま顔を隠してしまった。
「じ、じゃあ!えと…また!うん!」
そそくさと階段を降りて、職員室とは別の方へ走って行った。
「!?柳…お前ここで何してんだ?」
たまたま担任が通りかかって、タイミングがいいのか悪いのか、まぁさっきのを見られなくてよかったか…と安堵のため息をつくと、担任からは態度が悪いように思われてしまった。
「多部先生と中学の頃仲良かったんだろ?この先の化学準備室でいつも授業準備してんだよ。
頑張ってるよなぁ…。あ、お前も多部先生が来てから寝てないだろ?いいことだ。この三年で一番授業態度がいい」
そのあとも担任は何かをずっと話していたが、多部くんがいつもいる教室を聞いてしまってからはそのことしか頭になかった。
だからあっちに走って行ったのか…
「化学準備室って、俺入れます?」
「お?先輩に差し入れかぁ?いいじゃないか」
「はい、飲み物でも」
「多部はいい後輩持ったなぁ!行ってやれ~」
担任は職員室の方へ向かって歩き出した。俺はそれと同時に階段を飛び降りて、自販機へ向かう。ジュースを二つ買って急いで化学準備室に向かった。
ーガラッー
「!?」
「多部くんっ!」
「びっ……くりしたぁ…」
ビクッとしながら胸の辺りに両手をグーにしているを見て、可愛いと思ったのは一瞬で、それよりも早くしたいことがあった。
「多部くん、俺が全部悪いから」
勢いよく扉を閉めて鍵をかけてから近づく。
「えっ…なん」
「全部俺のせいにしていいから」
多部くんの顔を両手で包み込んでキスをした。
「………や、なぎ…」
唇を離すと真っ赤になった多部くんが俺の手を掴んでいた。
「多部くん、好きだよ」
「だめっ!まだだめ!」
どこから出たんだろうというほどの力で振り払われ、距離を取られる。
「はぁ…その…今はっ…えっと」
多部くんが片腕をさすりながら後退る。赤くなった耳を抑えたり、髪を整えたり、明らかに慌てた様子で可愛らしかった。
「……困らせてごめん。もうしない…から」
「あっ、その……えっとね」
椅子に座るように手で促されて、腰をかける。二つくらい離れたところで多部くんも椅子に座った。
「教育実習終わった後、また来るんだ。書類を受け取りに…」
「うん」
「その時、ここで……待ってていい?」
「え?」
「柳のこと、待ってていい?//」
困り眉、涙目、真っ赤な顔、真っ赤な耳、あざとい手、傾げた首、何もかもが可愛らしくて狂いそうだった。
ーーーー
それからはあっという間に一週間が過ぎ、実習が終わってしまった。
そして約束の日、実習最終日から一週間後の放課後。俺はまた化学準備室に来ていた。当然のことながら鍵がないので入れるわけがないのだが、なぜか簡単にガラッと扉は開いた。
「…待ってた……//」
「多部…くん、、なんでそれ」
「夢だった…から?かな…はは//」
多部くんは実習の時と変わらずスーツ姿だったけど、ネクタイだけ高校の時のものだった。今の俺と同じネクタイをしている。
「夢…って、なにが?」
「ん……と、引かない?」
「うん」
「柳と同い年になりたかった…」
発狂しそうだ。同じこと思ってたなんて。気がついたら多部くんを強く強く抱きしめていた。
「鍵とカーテン…閉めてもいい?」
「え?うん」
多部くんは前後のドアの鍵を閉めると、ドアと窓のカーテンを全て閉めた。うっすらと透けて入ってくる夕日だけで教室が照らされる。
「柳…んーん…陵くん?俺と、付き合ってください」
向かい合って両手を握られて上目遣いで言われる。
もちろん断るわけないので
「っ……はい、多部くん。よろしく…お願いします」
と、答えた。瞬間、多部くんからキスをされた。
「最低なお兄さんでごめんね?//」
そう言った多部くんは嬉しそうに笑って、うっすらと照らされた瞳が吸い込まれそうなほど綺麗だった。自然に求め合うようにキスをして、距離が縮まる。多部くんは机に寄りかかりながら半分腰掛けている。その脚の間に俺を寄せながらキスを続ける。
「んっ……はぁ、ぁ…//」
「……ふ、っ……ん…」
「んっ…はぁ、陵くんに…いつか間にか背越されちゃった…」
「多部くんは変わらず可愛いね」
ありがと、と小さく呟くとまた口を塞いでくる。多部くんの手が俺のベルトに伸びてきて、外されるのがわかったけど、キスが気持ち良すぎて何もできない。
慣れた手つきで俺のモノを触る。ああ、今俺、多部くんに触ってもらってるんだ。
「ん…陵くん、こんなにおっきいの?//」
「は、ずかしい…かも、言われると」
「…入るかなぁ…」
ん!?なんて!?入るかなぁ!?最後までするってこと!?俺…初めてなんだけど…
「あ、多部くんって…その、経験あるの?」
「な、いです…//でも、あの…できるよ?」
その意味がこの時はわからなかったけど、あとあと俺はその意味を理解した。
何かと手際のいい多部くんに全て任せていると、なんだか情けなくなってくる。
「俺なんも知らなくて…はずい、ごめん」
「んーん?これは俺が悪いんだよ」
「全部俺のせいにしていいから。今だけ、俺のためにされるがままになって?」
「今だけじゃなくてもいい?」
「え?」
「この先もずっと、ずっとずっと多部くんと…こうやって、しt」
言葉を遮られながらキスを受け入れる。さっきよりももっと熱くて深いキス。
「準備できてるから、来て?」
なんて器用なんだろう。俺のモノにはしっかりとゴムが付けられ、ローションも塗られていた。
「大丈夫なの?」
「うん…陵くんと…繋がるために、時間かけて準備したから…///」
そんなに可愛いことを可愛い顔で言われたら、たまったもんじゃない。今度は俺からキスをして、腰を掴んだ。
「んっ…ゆっくり、来て…//ん"っ」
はだけたワイシャツ、同じネクタイが少し緩んで、乱れたジャケットが萌え袖になってる。
「多部くん…好き…っ」
机についていた手を俺の首に回してまたキスをされる。
「んっ…あ、はぁ…んぅ//」
こんな声出るの?可愛い。
「はっ陵くんっ…硬く…なった//」
片手で口元を隠しながら伏し目がちに言うけど、そんなことされたらさらに硬くなるんだけど。
「あ"っ…ん……ふぅ…ん//」
「だいじょうぶ?」
「ん、ふ……//」
ちょっと涙目で小さく頷く。多部くんの頭を支えながら机に押し倒した。
「はっ……ぁ…ん、んんっ//」
「…っ…入った…全部」
「はぁ…ん、ふふ♡」
いやいやいやいやその顔は反則です。
「陵くん、初めてだからっ…優しくして、ね?…っん//」
本当にいやらしいお兄さんだこと。多部くんは最低って言ったけど、最高のお兄さんです。
「多部くんっ…動いていい?」
「ぁ…やだっ…」
「え?」
「多部くん…ってやだ…」
「ん…り、リュウジくん?」
「ふふ♡うれし、んっ…ちょっとぉ//」
大きくなってしまったのがバレて恥ずかしくて死にそう。とりあえず動こ。
「んっ…はっ、ぁ…ふぅ、ん//」
「はっ…きもちぃ…リュウジくん」
「ん、んぅ…ぁ…りょうく…んっ」
手の甲で口元を隠して、というか押さえて声を殺しているのがなんともいやらしい。ときどきくねくねと体を動かしてはビクッとなるのもいやらしいし、愛おしい。
「~~く……だ~~ぁ」
足音と共に担任の声が聞こえて、俺は止まってしまった。多部くんが起き上がって俺の耳元に来る。
「続けて?静かにね」
驚いたけどされるがままになろうと思っていたので、そのまま続ける。
「…っ…ふ、……ッ♡///」
真っ赤になった多部くんがのけぞった瞬間、面白いくらい中が締まって我慢していた俺も搾り取られてしまった。
「っ…まっ……ぁ……ッ♡」
「んふっ…興奮したぁ?♡」
「ちょ…もう。最低なお兄さんだ……」
「でも好きでしょ?陵くん♡」
幸せなため息を大きくついて、多部くんを抱きしめた。
「好きになってくれてありがとう」
「こちらこそだよ、柳」
「ん?呼び方…」
「普段は柳です、陵くん♡」
頬にキスをすると後処理をし始めた。なんて小悪魔なんだ。多部くん。
ーーーー
「じゃあ、次は俺のうち、おいでよ」
「え?」
驚いている俺に何かを投げてきた。受け取ると俺の手には鍵があった。
「俺んちの鍵あげる!またね!」
そう言って手を振った多部くんのネクタイはもうお揃いではなくて、さっきのことが夢のように思えた。
でも俺の手には鍵があった。わざとらしくつけられたキーホルダーにはkeyと書いてあった。
「はぁ、夢じゃ…ないよね」
俺は今までのようにプレーヤーを取り出す。イヤホンをつけて窓の外を見ながら再生ボタンを押した。
「『柳っ、柳ならできる!頑張って!』」
今よりも少し若い声で録音された多部くんの声。英単語の後にいつも付いていたこの音声。
俺の忘れられない人。もう絶対離れない人。
end
「あー…だりぃ…」
高三になったばかりの春。同じクラスには大して面白い奴もいない。学校で絡むだけの奴ら。
「柳~、カラオケ行かね?」
「いや、俺バイト」
と、適当な嘘をつく。カラオケとか何が楽しいわけ?
「じゃ、先帰るわ」
振り返らずに手をひらひらさせながら教室を出る。後ろからなんか話しかけられていたけどすぐにイヤホンをして耳を塞ぐ。友達も部活もバイトも興味がない。勉強はできない、する気もない。だってする意味がないから。
イヤホンからは英単語が流れてくる。高三の俺には簡単すぎる英単語のはずなのに、俺は理解できていない。ただ音が流れてくる。
「さんでー、まんでー…」
聞こえたまま真似をして口にする。何度も言うが俺は勉強する気はない。
誰も来ない二号館に入ると、道具置き場になっている階段に腰をかけた。
「んー……はぁ…」
伸びをして、カバンを枕にする。イヤホンはしたまま、流れてくる音を真似する。
「らいぶらりー……ぽすとおふぃす…」
「そこで何してんの?」
うっすらと声が聞こえた。その声に聞き覚えがあって、イヤホンを反射的に外しながら飛び起きる。
「…え、なんで………」
「ふふ、おっきくなったね、柳」
目の前にいたのは、もう会えないと思っていた人。勉強する意味を失った原因。そう、俺の好きな人、多部リュウジくん。
「隣…座ってもいい?」
もちろんいいんだけど、幻覚?
「あはは、幻覚じゃないよ、いるよ」
「え?」
「声に出てた、変わらないなぁ。もう」
わしゃわしゃっと頭を撫でられる。
「え、多部くんっ…」
「ん?」
「なんでここにいるの?」
卒業してから、付属の大学ではなく別の大学に行ってしまった。高校卒業まではいつでも会えるところにいたのに、別の大学に行ってしまった。別の世界に行ってしまったと、中三の頃の子どもでバカな俺は怒っていた。
「え?教育実習だよ」
「なにそれ」
「ねぇ、先生の話はちゃんと聞こうよ」
HRなんて聞いてるわけもないので、なんの話か全くわからない。頭上にはてなを浮かべていると説明してくれた。
「来週から柳のクラスの先生に付くんだ」
「もちろん授業もするよ?」
「……は?」
このー!と言いながら多部くんは俺の頬をつねった。
「またね?って言ったでしょ?」
あぁ、そういえば、俺が中三の時、多部くんが大学に受かったことを教えてくれた。大学の名前に驚いて、合格したことはおめでとうって思った。けど同時に悲しかった。それで俺は怒って、喧嘩別れのようになってしまった。
現実を受け入れたくなくて走り出した俺の背中に投げかけられた言葉が、「またね」だった。
「柳は怒って耳を貸してくれなかったね」
「ごめん…ガキだった」
「でも…またねって…。それから一度も「また」なんて来なかった」
「ごめんごめん」
また多部くんは俺の頭をわしゃわしゃする。
「子ども扱いすんな、高三なんだけど」
「いつまで経っても可愛い弟だよ」
それが嫌なんだよ。弟。俺は弟なんて思ってほしくないのに。
「………帰る」
立ちあがろうとした俺の腕を掴んで、手の中の物を取られた。多部くんからもらった小さな音楽プレーヤー。
「あっ…」
「まだ、聞いてるの?えらいじゃん」
中身なんて覚えてない。それを聞くと多部くんと一緒にいた時を思い出せるから。
「ごめんね、中三までの内容しか入ってなかったね」
「聞いててもわかんねぇし」
乱暴に奪い取ると、眉を八の字にして困り顔をする。俺はこの顔にとても弱い。
「多部くんがいないから、勉強、やる気起きなかった」
「あれ?もしかして…中三から何もしてないの?」
立ち上がった俺の顔を覗き込むように可愛い顔で見てくる。
「ん…だって意味ないもん」
「何を拗ねているのやら」
「僕は今、とてもがっかりしているよ」
多部くんが立ち上がり、俺にプレーヤーを渡すと、階段を降りて行く。
「柳なら続けてくれると思ってたのになぁ。なんか…ちょっと残念…だな?ふふ」
言葉の後に振り返って見せた笑顔が、あの頃と変わらず可愛らしくて、愛おしかった。
「じゃあ、職員室行くから、またね?」
室内用の靴をキュッと鳴らしながら職員室へ向かった。
「はぁ…かわいいまんまじゃん…」
てか、もっと可愛くなってない?いや、俺がデカくなったからか。細くて、小さくて、上目遣いなのがたまらない。
俺は音楽プレーヤーを胸の前で握りしめた。
「多部くん…」
ーーーー
次の日の朝、今までの俺ではありえないような早起きをし、きちんと髪を整え、高校に上がってから見せたことのない笑顔で教室に座っていた。
「なんか柳、機嫌よくね?」
「笑ってるとこ初めて見たんだけど…」
「…あんなかっこよかったっけ?」
お前たちはどうだっていいんだよ。俺は朝から幸せなんだ。だって………
ーガラッー
「席につけ~、HRはじめっぞー」
担任はどうでもよくて、その後ろを歩く多部くんを見た。目が合うと目元だけ優しく笑ってくれた。
「はじめまして。多部リュウジです。大学三年で、教育実習に来ました。」
高校の頃の話や大学での話をほんの少しだけしてくれて、そのあと多部くんが出欠をとった。毎日多部くんが出欠取るなら休まずにきて名前を呼んでもらいたい…
「えっと…柳陵さん」
「っ…はい」
手を上げて「はい!」と言いたいところ、わざと目線を窓の方へ向けて、雑に返事をした。昨日話した時よりも少し穏やかな声で呼ばれたフルネームが頭の中でリピートされる。
ーーーー
それから毎日が嘘みたいに楽しくて、景色が輝いて見えた。気づいたら二週間はあっという間に過ぎて、多部くんがいるのもあと一週間。
そんな中多部くんからあの階段に来てと言われて、俺はマジでるんるんだった。
「なぁ柳~、カラオケ行かねー?」
「むり、バイト」
また適当な嘘をつくが、笑顔でそいつらに手を振る。
「じゃあなー」
今日はイヤホンをつけない、必要ないから。またあの二号館の階段まで向かう。辺りを見ると本当に誰もおらず静まり返っていた。
階段に腰掛け、カバンを枕に天井を見つめた。
「はぁ……多部くん」
「なぁに?」
「うぉっ!」
階段の上からひょこっと顔を出して、俺の顔を覗く。
「いつからいたの?」
「柳が来るほんの少し前から」
俺が呼んだんだから先にいないとね、と話しながら階段を降りてきて、俺の横に座る。
うわ………まじで、ちょこん、が似合う。ちっちゃ、その手は何?あざといんだけど。
「なにー?見過ぎだよっ、はずかし…」
「あ、ごめん」
「謝るってことは見てたってことだっ」
俺の肩を指でツンとつつく。自分の理性が保たれていることに感謝しつつ、今にもぷつんと切れてしまいそうで必死に堪える。
だって、好きな人なんだよ?ずっとずっと、好きな人なんだよ。
「ここに呼んだのはね?」
深呼吸をしてから話し始めたけど、また詰まって深呼吸をする。そんなに大事なことなの?
「ふー…ごめんね、ははっ///」
両手でパタパタと赤らんだ顔を仰いだ。
「えっと…ん"ぅん。柳…」
「は、はい」
「ずっと柳が好き、、です」
え?
え!!?!?!?
多部くんが…好きって…俺を…
「んん…柳?///」
「はっ………え?」
俺は多部くんを、可愛い顔をした多部くんをガン見したあと、その可愛さに悶えて自分の膝の間に顔を落として俯いた。
「こ、困るよね…//ごめんね?」
「あ…」
なんでだよ俺。うまく言葉が出てこない。
「あと一週間で実習終わりで、柳と会う機会もまた減っちゃうな…って思ったら、伝えたくなっちゃって」
「でも、今の立場で言うべきじゃなかった…」
伝えてくれて嬉しいよ!ありがとう!伝えたいのに口が動かない。ガバッと顔を上げて多部くんを見るけど、言葉が出てこない。
「本当は卒業する時、言うつもりだったんだ…」
「あの……三年前の…あれ//柳、気づいてたでしょ…?」
さっきよりも赤くなりながら顔を覗き込まれた。
「あれ…って?」
やっと言葉が出たのに、あれって?って…
「教室で勉強教えてあげてた時、柳寝ちゃってさ…」
「最低なお兄さんだよね…三個も下の子の唇奪うなんて」
え!?初めて聞いたんですけど!
「え?キスしたってこと?俺に?」
「えぇ!?もしかして知らなかった?//」
「知らなかっ……いや…夢だと思ってた」
そうだ。あの英語を教えてもらっていた日。休憩しようかって言って多部くんは自販機に行った。その間に多部くんの声で録音された英単語を聞こうとイヤホンをつけ、わけわからなすぎて寝たんだ。
「都合のいい夢、みたな…と思って…た」
「へ?」
「ん?」
「それって…柳も…?」
「うん、俺、多部くんが好き。ずっと」
やっと言えたこの言葉。ずっと前から伝えたかった。でも言えなかった言葉。
「ん、ちゃんと言ってよかった…っ」
多部くんは目を潤わせてくしゃっと笑った。無意識に手が伸びて、頬を撫でてしまった。
「…っ、め…ぐろ、今はまだ…」
「まだ?…って…」
多部くんは真っ赤になりながら俺が触った頬を自分の手で撫でてそのまま顔を隠してしまった。
「じ、じゃあ!えと…また!うん!」
そそくさと階段を降りて、職員室とは別の方へ走って行った。
「!?柳…お前ここで何してんだ?」
たまたま担任が通りかかって、タイミングがいいのか悪いのか、まぁさっきのを見られなくてよかったか…と安堵のため息をつくと、担任からは態度が悪いように思われてしまった。
「多部先生と中学の頃仲良かったんだろ?この先の化学準備室でいつも授業準備してんだよ。
頑張ってるよなぁ…。あ、お前も多部先生が来てから寝てないだろ?いいことだ。この三年で一番授業態度がいい」
そのあとも担任は何かをずっと話していたが、多部くんがいつもいる教室を聞いてしまってからはそのことしか頭になかった。
だからあっちに走って行ったのか…
「化学準備室って、俺入れます?」
「お?先輩に差し入れかぁ?いいじゃないか」
「はい、飲み物でも」
「多部はいい後輩持ったなぁ!行ってやれ~」
担任は職員室の方へ向かって歩き出した。俺はそれと同時に階段を飛び降りて、自販機へ向かう。ジュースを二つ買って急いで化学準備室に向かった。
ーガラッー
「!?」
「多部くんっ!」
「びっ……くりしたぁ…」
ビクッとしながら胸の辺りに両手をグーにしているを見て、可愛いと思ったのは一瞬で、それよりも早くしたいことがあった。
「多部くん、俺が全部悪いから」
勢いよく扉を閉めて鍵をかけてから近づく。
「えっ…なん」
「全部俺のせいにしていいから」
多部くんの顔を両手で包み込んでキスをした。
「………や、なぎ…」
唇を離すと真っ赤になった多部くんが俺の手を掴んでいた。
「多部くん、好きだよ」
「だめっ!まだだめ!」
どこから出たんだろうというほどの力で振り払われ、距離を取られる。
「はぁ…その…今はっ…えっと」
多部くんが片腕をさすりながら後退る。赤くなった耳を抑えたり、髪を整えたり、明らかに慌てた様子で可愛らしかった。
「……困らせてごめん。もうしない…から」
「あっ、その……えっとね」
椅子に座るように手で促されて、腰をかける。二つくらい離れたところで多部くんも椅子に座った。
「教育実習終わった後、また来るんだ。書類を受け取りに…」
「うん」
「その時、ここで……待ってていい?」
「え?」
「柳のこと、待ってていい?//」
困り眉、涙目、真っ赤な顔、真っ赤な耳、あざとい手、傾げた首、何もかもが可愛らしくて狂いそうだった。
ーーーー
それからはあっという間に一週間が過ぎ、実習が終わってしまった。
そして約束の日、実習最終日から一週間後の放課後。俺はまた化学準備室に来ていた。当然のことながら鍵がないので入れるわけがないのだが、なぜか簡単にガラッと扉は開いた。
「…待ってた……//」
「多部…くん、、なんでそれ」
「夢だった…から?かな…はは//」
多部くんは実習の時と変わらずスーツ姿だったけど、ネクタイだけ高校の時のものだった。今の俺と同じネクタイをしている。
「夢…って、なにが?」
「ん……と、引かない?」
「うん」
「柳と同い年になりたかった…」
発狂しそうだ。同じこと思ってたなんて。気がついたら多部くんを強く強く抱きしめていた。
「鍵とカーテン…閉めてもいい?」
「え?うん」
多部くんは前後のドアの鍵を閉めると、ドアと窓のカーテンを全て閉めた。うっすらと透けて入ってくる夕日だけで教室が照らされる。
「柳…んーん…陵くん?俺と、付き合ってください」
向かい合って両手を握られて上目遣いで言われる。
もちろん断るわけないので
「っ……はい、多部くん。よろしく…お願いします」
と、答えた。瞬間、多部くんからキスをされた。
「最低なお兄さんでごめんね?//」
そう言った多部くんは嬉しそうに笑って、うっすらと照らされた瞳が吸い込まれそうなほど綺麗だった。自然に求め合うようにキスをして、距離が縮まる。多部くんは机に寄りかかりながら半分腰掛けている。その脚の間に俺を寄せながらキスを続ける。
「んっ……はぁ、ぁ…//」
「……ふ、っ……ん…」
「んっ…はぁ、陵くんに…いつか間にか背越されちゃった…」
「多部くんは変わらず可愛いね」
ありがと、と小さく呟くとまた口を塞いでくる。多部くんの手が俺のベルトに伸びてきて、外されるのがわかったけど、キスが気持ち良すぎて何もできない。
慣れた手つきで俺のモノを触る。ああ、今俺、多部くんに触ってもらってるんだ。
「ん…陵くん、こんなにおっきいの?//」
「は、ずかしい…かも、言われると」
「…入るかなぁ…」
ん!?なんて!?入るかなぁ!?最後までするってこと!?俺…初めてなんだけど…
「あ、多部くんって…その、経験あるの?」
「な、いです…//でも、あの…できるよ?」
その意味がこの時はわからなかったけど、あとあと俺はその意味を理解した。
何かと手際のいい多部くんに全て任せていると、なんだか情けなくなってくる。
「俺なんも知らなくて…はずい、ごめん」
「んーん?これは俺が悪いんだよ」
「全部俺のせいにしていいから。今だけ、俺のためにされるがままになって?」
「今だけじゃなくてもいい?」
「え?」
「この先もずっと、ずっとずっと多部くんと…こうやって、しt」
言葉を遮られながらキスを受け入れる。さっきよりももっと熱くて深いキス。
「準備できてるから、来て?」
なんて器用なんだろう。俺のモノにはしっかりとゴムが付けられ、ローションも塗られていた。
「大丈夫なの?」
「うん…陵くんと…繋がるために、時間かけて準備したから…///」
そんなに可愛いことを可愛い顔で言われたら、たまったもんじゃない。今度は俺からキスをして、腰を掴んだ。
「んっ…ゆっくり、来て…//ん"っ」
はだけたワイシャツ、同じネクタイが少し緩んで、乱れたジャケットが萌え袖になってる。
「多部くん…好き…っ」
机についていた手を俺の首に回してまたキスをされる。
「んっ…あ、はぁ…んぅ//」
こんな声出るの?可愛い。
「はっ陵くんっ…硬く…なった//」
片手で口元を隠しながら伏し目がちに言うけど、そんなことされたらさらに硬くなるんだけど。
「あ"っ…ん……ふぅ…ん//」
「だいじょうぶ?」
「ん、ふ……//」
ちょっと涙目で小さく頷く。多部くんの頭を支えながら机に押し倒した。
「はっ……ぁ…ん、んんっ//」
「…っ…入った…全部」
「はぁ…ん、ふふ♡」
いやいやいやいやその顔は反則です。
「陵くん、初めてだからっ…優しくして、ね?…っん//」
本当にいやらしいお兄さんだこと。多部くんは最低って言ったけど、最高のお兄さんです。
「多部くんっ…動いていい?」
「ぁ…やだっ…」
「え?」
「多部くん…ってやだ…」
「ん…り、リュウジくん?」
「ふふ♡うれし、んっ…ちょっとぉ//」
大きくなってしまったのがバレて恥ずかしくて死にそう。とりあえず動こ。
「んっ…はっ、ぁ…ふぅ、ん//」
「はっ…きもちぃ…リュウジくん」
「ん、んぅ…ぁ…りょうく…んっ」
手の甲で口元を隠して、というか押さえて声を殺しているのがなんともいやらしい。ときどきくねくねと体を動かしてはビクッとなるのもいやらしいし、愛おしい。
「~~く……だ~~ぁ」
足音と共に担任の声が聞こえて、俺は止まってしまった。多部くんが起き上がって俺の耳元に来る。
「続けて?静かにね」
驚いたけどされるがままになろうと思っていたので、そのまま続ける。
「…っ…ふ、……ッ♡///」
真っ赤になった多部くんがのけぞった瞬間、面白いくらい中が締まって我慢していた俺も搾り取られてしまった。
「っ…まっ……ぁ……ッ♡」
「んふっ…興奮したぁ?♡」
「ちょ…もう。最低なお兄さんだ……」
「でも好きでしょ?陵くん♡」
幸せなため息を大きくついて、多部くんを抱きしめた。
「好きになってくれてありがとう」
「こちらこそだよ、柳」
「ん?呼び方…」
「普段は柳です、陵くん♡」
頬にキスをすると後処理をし始めた。なんて小悪魔なんだ。多部くん。
ーーーー
「じゃあ、次は俺のうち、おいでよ」
「え?」
驚いている俺に何かを投げてきた。受け取ると俺の手には鍵があった。
「俺んちの鍵あげる!またね!」
そう言って手を振った多部くんのネクタイはもうお揃いではなくて、さっきのことが夢のように思えた。
でも俺の手には鍵があった。わざとらしくつけられたキーホルダーにはkeyと書いてあった。
「はぁ、夢じゃ…ないよね」
俺は今までのようにプレーヤーを取り出す。イヤホンをつけて窓の外を見ながら再生ボタンを押した。
「『柳っ、柳ならできる!頑張って!』」
今よりも少し若い声で録音された多部くんの声。英単語の後にいつも付いていたこの音声。
俺の忘れられない人。もう絶対離れない人。
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