229 / 345
SugarCat 5
しおりを挟む「んゃ……、うー………」
「ふふっ」
甘く擽るように施される愛撫に、敬吾はなんとか不服そうな声を出した。
それでも逸の耳には耽美に聞こえるので結局愛おしそうに覗き込まれてしまう。
肩を縮めて腕で顔を隠そうとする様子はまるで本当に猫だ、が。
「敬吾さん、ほんとに──」
逸はそこでやめておいた。
「……?」
「……指入れますね」
「…………っ!」
長い愛撫の間すっかり焦らされたそこはもう待ちわびたように熱くなってしまっていて、少しずつ、伺うように踏み入る指を絡め取るように受け入れた。
逸は嬉しげに笑い、敬吾は完全に赤くなる。
恥じ入ったように震えて閉じる内腿を、それまでの優しさなどかなぐり捨てたような粗雑な顔をした逸が肘で押しやった。
「あーーー……可愛いな敬吾さん、指めちゃくちゃ気持ちいいです。……敬吾さんもこのまま一度いく?」
荒い呼吸を滲ませた声で聞かれるが、喉が震えて返事も出来ない。
しかし熱は昂りきっているし指だけでもう切羽詰まってしまっている。
敬吾が必死で頷くと、逸は醜悪に微笑みその通りにしてやった。
「あ……………っ!」
従順に昇り詰めた体が熱を吐き出し、蕩けるように弛緩する。
流れるように投げ出された四肢を撫で、鳩尾をなぞって逸は敬吾の精液を舐めた。
「……………っばか、」
口ではそう言うが埋めたままになっている指がまた締め付けられ、逸が笑う。
ものも言わずに指を増やし、動かして、逸はそこに迎えさせる準備を続けていた。
「敬吾さん」
「ん………、」
逸の腕が背中に周り、敬吾は素直に体を起こす。
弛い庵座の逸の膝を跨ぎ抱きつくと、また差し込まれた指が激しく蠢き、何を荒ぶっているのか逸の足が背後で枕を蹴った。
逸の頭を抱きその快感に急き立てられて、敬吾はそこにもっと強い感触を待ってしまう。
ねだってしまいそうだった。
いつもの逸なら察してくれるのに、何を考えているのか逸はとっくに膨張しているそれを勃ちっぱなしにさせている。
逸と自分の僅かな隙間から切なくそれを見下ろして、敬吾は意を決して口を開く。が。
「敬吾さん……、ごめんなさい」
「……………へ?」
ぽかんと不思議そうな顔をした敬吾の膝の裏を、ふわりとなにか柔らかいものが掠めていった。
逸が何を謝ったのか。
それを考える間もなく、差し込まれた指が大きく開かれたことで敬吾の思考回路は破断した。
敏感な粘膜が外気に震える。
「っな、なに!?……………っ!!」
「………………」
今までにこんなことをされたことはないが、逸が入って来る為であることは間違いない。
ひどく恥ずかしいがそれならば……と飲み込むことにして、敬吾は逸の首に回した腕に額をつける。
そうして疾るような気持ちで待つうちに、一時忘れていた膝の裏の感触がするりと動いた。
肌触りは良いが覚えのない感触に敬吾が少し現実に戻ると──
それを察したか急いた逸の指がまた動く。
「んんっ!」
敬吾が弾かれたように背を反らすと、合わさった逸の胸が激しく打っていた。
──興奮しているのは当然だから何も不思議はないのだが、何かが違う気がする。
昂揚と言うよりは、焦燥のような──少し後ろめたいような──
「…………ん……………っ!?」
訝しんでいるうち逸の指を押しのけるようにして入ってきたものに、敬吾は背を強張らせ、愕然と目を見開いていた。
0
お気に入りに追加
102
あなたにおすすめの小説
少年プリズン
まさみ
BL
近未来の日本。
東京は二十一世紀初頭に起きた相次ぐ地震のせいで砂漠と化し、周縁には無国籍のスラムが広がっていた。
その砂漠の中心にあるのが東京少年刑務所、通称東京プリズン。
少年犯罪の増加に頭を痛めた政府が半世紀前に設立した、入ったら二度と出られないと言われる悪名高い刑務所。
それぞれの理由を抱えて劣悪な刑務所に送りこまれた少年たちの群像劇。
(SF/バイオレンス/アクション/BL18禁)
(カプ傾向 寡黙包容攻め×クール強気受け 美形俺様攻め×強気意地っ張り受け)
表紙:あさを(@asawo0)様
【本編完結】鳳凰抱鳳雛 ~鳳凰は鳳雛を抱く~
銀タ篇
BL
ちょっと意地悪なスパダリ攻め×やんちゃ受け
◎愛重めの攻めと、強がりやんちゃ受けの二人が幾多の苦難を経て本当の幸せを掴み取る、なんちゃって仙侠ファンタジー。
◎本編完結済。番外編を不定期公開中。
ひょんなことから門派を追放されてしまった若き掌門の煬鳳(ヤンフォン)はご近所門派の青年、凰黎(ホワンリィ)に助けられたことで、あれよという間にライバル同士の関係から相思相愛に発展。
しかし二人きりの甘い日々は長く続かず、少々厄介な問題を解決するために二人は旅に出ることに。
※ルビが多いので文字数表示が増えてますがルビなしだと本編全部で67万字くらいになります。
※短編二つ「門派を追放されたらライバルに溺愛されました。」を加筆修正して、続編を追加したものです。
※短編段階で既に恋人同士になるので、その後は頻繁にイチャこらします。喧嘩はしません。
※にわかのなんちゃって仙侠もどきなので、なにとぞなにとぞ笑って許してください。
※謎と伏線は意図して残すもの以外ほぼ回収します。
黒犬と山猫!
あとみく
BL
異動してきたイケメン同期の黒井。酔い潰れた彼をタクシーに乗せようとして、僕は何かが駆けめぐるのを感じた…。人懐こく絡んでくる黒井に一喜一憂が止まらない、日記風の長編。カクヨムでも公開しています。
【あらすじ】
西新宿の高層ビルで、中堅企業に勤める営業5年目の僕(山根)。本社から異動してきた黒井は同期だが、イケメン・リア充っぽいやつで根暗な僕とは正反対。しかし、忘年会をきっかけに急接近し、僕はなぜだかあらぬ想いを抱いてしまう。何だこれ?まさか、いやいや…?…えっ、自宅に送ってもう泊まるとか大丈夫なのか自分!?
その後も気持ちを隠したまま友人付き合いをするが、キスをきっかけに社内で大騒動が起こってしまい…
途中から、モヤモヤする社会人生活で、何かを成したい、どこかへ向かいたい二人の、遅咲きの青春小説?的な感じにもなっていきます!(作者の趣味全開な部分もあり、申し訳ありません!)
【設定など】
2013年冬~、リアルタイムで彼らの日々を「日記風」に書いてきたものです。当時作者が西新宿で勤めており、何日に雪が降ったとかも、そのまんま。社内の様子などリアルに描いたつもりですが、消費税がまだ低かったり、IT環境や働き方など、やや古臭く感じるかもしれません…。
なお視点は<僕>による完全一人称で、ひたすらぐるぐる思考しています。また性描写はR15にしていますが、遭遇率は数%かと…(でもないわけじゃないよ!笑)。
【追記】
長編とはいえとうとう300話もこえてしまい、初めましての方のために少々ガイド的な説明をば(尻込みしてしまうと思うので…)。
ひとまず冒頭は<忘年会>がメインイベントとなり、その後クリスマスを経て年明け、第27話まで(2章分)が、山根と黒井が出会って仲良くなるまでのお話です。読み始めてみようかなという方は、ひとまずそこまででひと段落するんだなーと思っていただければ!
ちなみにその後は、温泉に行こうとしておかしなことが起きたり、会社そっちのけで本気の鬼ごっこみたいなことをしたり、決算期にはちょっと感極まった山場を迎えたりします。まだ更新中ですが、ハッピーエンド完結予定です!
【R-18】踊り狂えその身朽ちるまで
あっきコタロウ
恋愛
投稿小説&漫画「そしてふたりでワルツを(http://www.alphapolis.co.jp/content/cover/630048599/)」のR-18外伝集。
連作のつもりだけどエロだから好きな所だけおつまみしてってください。
ニッチなものが含まれるのでまえがきにてシチュ明記。苦手な回は避けてどうぞ。
IF(7話)は本編からの派生。
【R18】お嫁さんスライム娘が、ショタお婿さんといちゃらぶ子作りする話
みやび
恋愛
タイトル通りのエロ小説です。
前話
【R18】通りかかったショタ冒険者に襲い掛かったスライム娘が、敗北して繁殖させられる話
https://www.alphapolis.co.jp/novel/902071521/384412801
ほかのエロ小説は「タイトル通りのエロ小説シリーズ」まで
Evergreen
和栗
BL
Black and Whiteに出てくる「春日部 涼(かすかべ りょう)」と「藤堂 和多流(とうどう わたる)」の話です。
エロは結構激しめです。
主観です。
Black and Whiteを読んでからの方が話が通じるかな、と思います。
単品でももちろん読めます。
よろしくお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる