5 / 6
愛の重さは十人十色。※胸糞
しおりを挟む
中学一年一学期。
私は恋をした。
相手は同じクラスの男の子、ゆうくん。
あの人はこの世で一番優しい人、私にとって。
だから、好きだった。
* * *
「すきです!付き合ってください!」
ゆうくんと席が隣になって、結構仲良くなったとき、私は告白した。
なのに。
「田島さん。ごめんね」
「……いいよ、どうせ私のことなんか嫌いなんでしょ?」
「そんなことないよ。好きじゃない人と付き合うのは違うと思って」
ほら、やっぱり優しい。
その優しさに気がつけるのは私だけ。
だから。
これも許される。
「ゆうくんの隣の席になったよね?ゆうくんは私のだから、とったら殺すよ?」
私はカッターを突きつける。
相手の怖がる顔。
ふふ、ああ愉快。
「なんでそんなことした?」
「先生にはわかんないでしょ?私だけを見ててほしいの。他の人のところになんか行かないでほしいの」
「だからってやっていいことと悪いことがあるだろう」
その瞬間、頭が混乱する。
「ごめんなさい。迷惑かけてごめんなさい、何もできなくてごめんなさい。気持ち悪いですよねすいません。生きててすいません」
担任の呆然とした顔。
ああ、人様に迷惑をかけるなんて、私死ねばいいのに。
* * *
三年生になって、私には仲のいい女友達ができた。日向ちゃんっていうんだ。
大好きだった。
クラスで浮いてた私に話しかけてきてくれて、仲良くしてくれて、この前ピザも食べに行った。
それと三年生になって嬉しいことがもう一つ。
ゆうくんが話しかけてくるようになった。
「昨日のアニメ見た?」
「うん。みたよ。おもしろかった。」
「そっか、日向は?」
「私見てないんだよねー。見るものが山積みで」
「わかる!追ってるアニメ多いとめっちゃ溜まってく!」
気がつく。私じゃなくて日向ちゃんに話してる。
ああ、そんなはずない。
そう言い聞かせて、自分を騙していたけど。
希望は、ある日突然打ち砕かれる。
「田島さん、好きな人呼び捨てにするのってキモい?」
ゆうくんからの恋愛相談。
相談されて嬉しかったのと、好きな相手が気になった。
「キモくないよ。好きな人って誰?」
「えー?おしえね!」
ゆうくんは笑う。
やっぱり好き。
聞き続けてたらゆうくんはそのうち答えてくれた。
「日向だよ」って明るい顔で。
それでもあきらめられなくて、好かれたくて、自分をよく見せるためにはなった一言。
「協力するよ。聞きたいことあったら言って!」
ゆうくんは私に相談してくるようになった。
つらかった。
だから言いふらした。クラス中に。
翌日、ゆうくんは私に問い詰めてきた。
嘘をつく私。
「田島さん、なんでバラしたの?」
「え?バラしてないよ私。」
「わかってるから嘘つかなくていいよ。怒ってない。なんでバラしたか知りたいだけ」
「本当に何も知らない。」
「証拠揃ってるよ。クラスの女子が田島さんから聞いたって言ってたよ。」
「え?私にそんなこと言える友達がいるわけ無いじゃん」
「別に怒ってないから嘘つかなくていいよ。どうしてバラしたのか知りたいだけ」
私は適当に理由をつけた。
日向ちゃんにも、ゆうくんが日向ちゃんのことが好きっていう情報が渡った。
日向ちゃんは、私がゆうくんの事好きなのを知っていた。
「私はゆうくんのこと好きにならないし、諦めてもらうよ」
その言葉を聞いて、ホッとした。
それからは、必死にアタックするゆうくんと、諦めてもらおうとする日向ちゃんで、私が介入して関係を壊させる必要もなかった。
勝手に壊れる。そう思うと心が楽だった。
だから私は、ゆうくんの相談にも乗ったし、日向ちゃんの相談にも乗った。
なのにある日突然。
「私、ゆうくんのこと好きかもしれない。」
「え?なんでよ。うそ。どうして」
私が混乱していると、日向ちゃんはまずいと思ったらしく
「冗談だよ!ただ、ゆうくんの好きな人変わったの?まだ私?それが知りたくて」
「しらない。聞いてみる。」
どうして。どうして。どうして。どうして。どうして。どうして。どうして。どうして。どうして。
「付き合った。」
その言葉を聞いた。ゆうくんの口から。
どうして。
二年もの間、ゆうくんだけを見て、ゆうくんだけを思ってきた私よりも、ゆうくんの良さも理解できないで、この前までゆうくんを傷つけようとしてた人を選ぶの?
なんで。なんで、なんで、なんで。
そんなの理不尽だよ。
私は間違っていない。その確信があったから。私はゆうくんに日向ちゃんのぐちを言って、自分が可愛そうな話もした。
ゆうくんは優しいから、笑って聞いてくれた。
なのに、それなのに。
「距離を取ろう。彼女の悪口を言われてると気分悪いし。最近嫌味ばっかり言ってくるし。カッターの話も聞いたよ。一旦距離を取るべきだと思う。」
「なんで。なんで。どうして。私はただあなたと話しているだけで良かったのに。なんでよ。」
私はその場から逃げ出した。
その後はバカでも予想がつく。
ゆうくんからは冷たくされて、日向ちゃんとの間には壁を感じるようになった。
私の情報はすぐにクラス中に広まった。
学級委員の日向ちゃんと、たくさん友だちがいるゆうくん。
広まるのは当たり前だった。
「どうして。私は二人の相談に乗ってあげた。協力してあげた。私の気持ちを殺して捧げてきた。なのになんで。」
そう口にする毎日。
クラスメイトから、主に男子から冷たくされる。
女子は冷たくはしてこないが、壁を感じる。
どうして私が、どうして。
もう。いいや。
「さよならゆうくん。日向ちゃん」
私はまず日向ちゃんを刺した。
日向ちゃんは何も言わず崩れ落ちた。
ゆうくんは力が強いから、後ろから狙った。
「う。おまえ。」
「お前じゃないよ?あなたと同じ、ゆうって名前があるよ?」
「知るかクソ野郎。日向と連絡がつかない。日向のことも、刺したのか?」
「ふふふ。私が壊してやった。」
「お…まえ。………地獄……に………落ちろ」
ゆうくんは倒れた。
ふふふ。楽しい。あの女は彼氏と一緒にしんでない、どっかの道で一人で死んだ。
なのに私は、ゆうくんと一緒に死ねる。
私があの女から奪ったんだ!
ゆうくんは私の!誰にも譲らない!一緒に死ぬのは私。あの女じゃない!
ふふふ。ふふ。ふふふ。
はは、はははははははははははははははははは。
ぎゃはははははははああああああああああああああああああ!!!!!!!!
私は恋をした。
相手は同じクラスの男の子、ゆうくん。
あの人はこの世で一番優しい人、私にとって。
だから、好きだった。
* * *
「すきです!付き合ってください!」
ゆうくんと席が隣になって、結構仲良くなったとき、私は告白した。
なのに。
「田島さん。ごめんね」
「……いいよ、どうせ私のことなんか嫌いなんでしょ?」
「そんなことないよ。好きじゃない人と付き合うのは違うと思って」
ほら、やっぱり優しい。
その優しさに気がつけるのは私だけ。
だから。
これも許される。
「ゆうくんの隣の席になったよね?ゆうくんは私のだから、とったら殺すよ?」
私はカッターを突きつける。
相手の怖がる顔。
ふふ、ああ愉快。
「なんでそんなことした?」
「先生にはわかんないでしょ?私だけを見ててほしいの。他の人のところになんか行かないでほしいの」
「だからってやっていいことと悪いことがあるだろう」
その瞬間、頭が混乱する。
「ごめんなさい。迷惑かけてごめんなさい、何もできなくてごめんなさい。気持ち悪いですよねすいません。生きててすいません」
担任の呆然とした顔。
ああ、人様に迷惑をかけるなんて、私死ねばいいのに。
* * *
三年生になって、私には仲のいい女友達ができた。日向ちゃんっていうんだ。
大好きだった。
クラスで浮いてた私に話しかけてきてくれて、仲良くしてくれて、この前ピザも食べに行った。
それと三年生になって嬉しいことがもう一つ。
ゆうくんが話しかけてくるようになった。
「昨日のアニメ見た?」
「うん。みたよ。おもしろかった。」
「そっか、日向は?」
「私見てないんだよねー。見るものが山積みで」
「わかる!追ってるアニメ多いとめっちゃ溜まってく!」
気がつく。私じゃなくて日向ちゃんに話してる。
ああ、そんなはずない。
そう言い聞かせて、自分を騙していたけど。
希望は、ある日突然打ち砕かれる。
「田島さん、好きな人呼び捨てにするのってキモい?」
ゆうくんからの恋愛相談。
相談されて嬉しかったのと、好きな相手が気になった。
「キモくないよ。好きな人って誰?」
「えー?おしえね!」
ゆうくんは笑う。
やっぱり好き。
聞き続けてたらゆうくんはそのうち答えてくれた。
「日向だよ」って明るい顔で。
それでもあきらめられなくて、好かれたくて、自分をよく見せるためにはなった一言。
「協力するよ。聞きたいことあったら言って!」
ゆうくんは私に相談してくるようになった。
つらかった。
だから言いふらした。クラス中に。
翌日、ゆうくんは私に問い詰めてきた。
嘘をつく私。
「田島さん、なんでバラしたの?」
「え?バラしてないよ私。」
「わかってるから嘘つかなくていいよ。怒ってない。なんでバラしたか知りたいだけ」
「本当に何も知らない。」
「証拠揃ってるよ。クラスの女子が田島さんから聞いたって言ってたよ。」
「え?私にそんなこと言える友達がいるわけ無いじゃん」
「別に怒ってないから嘘つかなくていいよ。どうしてバラしたのか知りたいだけ」
私は適当に理由をつけた。
日向ちゃんにも、ゆうくんが日向ちゃんのことが好きっていう情報が渡った。
日向ちゃんは、私がゆうくんの事好きなのを知っていた。
「私はゆうくんのこと好きにならないし、諦めてもらうよ」
その言葉を聞いて、ホッとした。
それからは、必死にアタックするゆうくんと、諦めてもらおうとする日向ちゃんで、私が介入して関係を壊させる必要もなかった。
勝手に壊れる。そう思うと心が楽だった。
だから私は、ゆうくんの相談にも乗ったし、日向ちゃんの相談にも乗った。
なのにある日突然。
「私、ゆうくんのこと好きかもしれない。」
「え?なんでよ。うそ。どうして」
私が混乱していると、日向ちゃんはまずいと思ったらしく
「冗談だよ!ただ、ゆうくんの好きな人変わったの?まだ私?それが知りたくて」
「しらない。聞いてみる。」
どうして。どうして。どうして。どうして。どうして。どうして。どうして。どうして。どうして。
「付き合った。」
その言葉を聞いた。ゆうくんの口から。
どうして。
二年もの間、ゆうくんだけを見て、ゆうくんだけを思ってきた私よりも、ゆうくんの良さも理解できないで、この前までゆうくんを傷つけようとしてた人を選ぶの?
なんで。なんで、なんで、なんで。
そんなの理不尽だよ。
私は間違っていない。その確信があったから。私はゆうくんに日向ちゃんのぐちを言って、自分が可愛そうな話もした。
ゆうくんは優しいから、笑って聞いてくれた。
なのに、それなのに。
「距離を取ろう。彼女の悪口を言われてると気分悪いし。最近嫌味ばっかり言ってくるし。カッターの話も聞いたよ。一旦距離を取るべきだと思う。」
「なんで。なんで。どうして。私はただあなたと話しているだけで良かったのに。なんでよ。」
私はその場から逃げ出した。
その後はバカでも予想がつく。
ゆうくんからは冷たくされて、日向ちゃんとの間には壁を感じるようになった。
私の情報はすぐにクラス中に広まった。
学級委員の日向ちゃんと、たくさん友だちがいるゆうくん。
広まるのは当たり前だった。
「どうして。私は二人の相談に乗ってあげた。協力してあげた。私の気持ちを殺して捧げてきた。なのになんで。」
そう口にする毎日。
クラスメイトから、主に男子から冷たくされる。
女子は冷たくはしてこないが、壁を感じる。
どうして私が、どうして。
もう。いいや。
「さよならゆうくん。日向ちゃん」
私はまず日向ちゃんを刺した。
日向ちゃんは何も言わず崩れ落ちた。
ゆうくんは力が強いから、後ろから狙った。
「う。おまえ。」
「お前じゃないよ?あなたと同じ、ゆうって名前があるよ?」
「知るかクソ野郎。日向と連絡がつかない。日向のことも、刺したのか?」
「ふふふ。私が壊してやった。」
「お…まえ。………地獄……に………落ちろ」
ゆうくんは倒れた。
ふふふ。楽しい。あの女は彼氏と一緒にしんでない、どっかの道で一人で死んだ。
なのに私は、ゆうくんと一緒に死ねる。
私があの女から奪ったんだ!
ゆうくんは私の!誰にも譲らない!一緒に死ぬのは私。あの女じゃない!
ふふふ。ふふ。ふふふ。
はは、はははははははははははははははははは。
ぎゃはははははははああああああああああああああああああ!!!!!!!!
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
今日の授業は保健体育
にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり)
僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。
その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。
ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ひきこもりニートの俺がVTuberアイドルになった話
ハリネズミの肉球
ライト文芸
俺、淡路アンが国立競技場でライブ出演!!
たった3年でメジャーデビューしたアイドル達の結成、成長、デビュー、国立競技場までの道のりを描いたストーリー。
アイドル達はちょっとわけあり?
あつまるメンバーにも秘密が!
今までにみたことがないアイドルストーリーがここに開幕。
僕が美少女になったせいで幼馴染が百合に目覚めた
楠富 つかさ
恋愛
ある朝、目覚めたら女の子になっていた主人公と主人公に恋をしていたが、女の子になって主人公を見て百合に目覚めたヒロインのドタバタした日常。
この作品はハーメルン様でも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる