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海の世界で呪い解き

04

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「国を……作る?」

 俺は、たった一秒前アマテから聞かされた言葉に耳を疑っていた。

「ああ、そのとおりだよ。周りを見渡してみなよ」

 俺は言われるがままに周りを見回す。
 すると、さっき一瞬だけ確認した周囲の様子が、より鮮明に理解できた。

「ひろい。」
「そう、このいかだは大きな街を作れるほどの大きさがあった。空から見ている限りではね。」
「誰がこんなものを作ったんだろう。」
「そこだね。このいかだを作った人物は確実に国造りをしようとしている。まずその人物をさがすところからだね」
「そうだな。探し出すのはたいへ――」

 俺が言い切る前に、海の方でなにか音がする。

「ぶはぁ!死ぬかと思ったぁ!」

 そう叫びながら、海から上がっていたのは、一人の女性だった。

「うわぁ!侵入者だ!!」

 そう言って次に上がってきたのは、一人の男性だ。
 そしてその男性は、ナイフを構えて飛びかかってくる。

「ちょまてよ!俺は敵じゃな―――」

 そう必死に講義するが、混乱した男はもはや聞く耳を持たない。
 やばい、ここは一回戦うしか。

 そう決断し、短剣を掲げ刀身を出す。
 男性と俺の剣が交差す―――

「やめなさい!」

 アマテだった。その声は実に神々しかった。

「はっ。」と、男が口に出し、狂ったようになっていた表情が少し和らぐ。
 正気に戻ったのだろうか。

 あちらがナイフをしまったので、俺も刀身をしまう。

「落ち着いたようだね。君たちの名前は?」

 アマテは神々しい雰囲気のまま二人に聞く。

「イヴァン」と男が言う。ロシア風の名前だ。

「百合」女が言う。今度は日本風。

 俺も二人に続けて自己紹介をする。

「天璃です。よろしく」
「アマテ」

 アマテも自己紹介をする。
 アマテは続ける。

「国を作るのに協力しよう。条件はこの国のおさを私にすることだ。」
「ええ!?」

 いきなりの提案に二人は驚いた様子だった。
 俺は思った。

 俺も長やりたかったなぁ。
 
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