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◆◇王様vs和樹◆◇

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                        ◆◇王様vs和樹◆◇

和樹side
 


「リリオネ…王様って戦闘好きなのか?」
と俺はリリオネの耳元でそう囁く。リリオネも和樹の耳元で囁き返した。
「えぇ…お兄様に寄りますとかなりの戦闘好きでよく騎士団の練習場で騎士団長などとしているらしいです…」
「ハハハ…」
とリリオネの説明を聞いた俺は苦笑いをする事しか出来なかった。
練習場に着いた…練習場は人が百人位は余裕で入る大きさで観客席まである。
「デカ…」
「デカいです…」
「大きいぴょん…」
「そんなに大きいですか?」
と俺とチサとラビが驚いているのに対しリリオネは“これくらい普通にありますよ~”みたいな顔をして俺達を見ている。
「ではカズキ君、武器を選んでくれ」
と王様?陛下?なんて呼べばいいか分からん…よしっ!王様と呼ぶことにしよう…が木剣や木で作ったやり、斧、ハンマーなどが入った入れ物を使用人に持ってこさせて見せてきた。お?刀の形のもあるじゃないか…よし
これにしよう…
「俺はこれにします」
と木刀を抜いて見せた。
「ほぅ…異界の剣を使うのか…面白い」
と王様は顎に手を当て笑っている…正直いって少し怖い…これが戦闘猛獣とゆう者なのか…
「フランとやら審判を頼むぞ!」
「はっ!お任せ下さい!陛下!」
と門を開けに行ってもらってからさっきまで何処に居たのか分からなかったフランさんが審判をすることになった。
リリオネ達は俺と王様が武器を選んでいる間に観客席へと行っていた。
「それでは、陛下対カズキ様の試合を開始します!両者準備は宜しいでしょうか?」
「俺は大丈夫だ」
「俺もいいぞ」
「それでは…試合…始め!」
とフランさんの合図と共に俺は構える…しかし王様の名前ってラジルって言うんだな…
「では行くぞ!カズキ君!«身体強化»」
「ではこっちも…«身体強化»」
俺が身体強化をかけた直ぐに王様のラジルさんは突っ込んで剣を振りかざしてきた。俺はそれを刀の峰で受け止めて弾き返す。
王様は少し後ろに吹き飛ばされた。
あれ?もっと吹っ飛ぶと思ったのに…あっ…ステータス隠蔽やりっぱなしだった…
「ほぅ…俺の剣を弾き返したか…」
とラジルさんは言ってまた剣を振りかざしてきた。
しかもさっきより速い一撃をだ…
俺はそれを受け流した後バットを振りかざすように刀を振った。
ラジルさんは避けきれずに少し掠っていた。
流石にクリーンヒットとはいかなかったか…
(チサ…聴こえるか?《なんでしょうか…マスター》ステータスを少し上げてくれ《かしこまりました…》)
とチサの声がそう言った直ぐに力が漲ってくるのを感じた。
「それじゃぁ…今度は俺から行かせてもらうぜ…«火嵐(ファイアー・ストーム)»」
火の渦がラジルさんを襲う。
「クッ!まだまだ!«岩嵐(ロック・ストーム)»」
「ッ!…«シールド!»」
ふぅ~流石に危なかった…
それから俺とラジルさんは魔法の撃ち合い、剣の撃ち合いを繰り返した。
ちょっと疲れてきたなぁ…
「カズキ君…そろそろ決着と行こうではないか」
「あぁ…そうだな、行くぜ…はッー!!」
「負けぬ!はッーー!」
と俺とラジルさんの剣と剣がぶつかり合う。

「なかなか決着が着きませんね…」
「そうですね、でもマスター楽しそうです!」
「どちらも笑ってるぴょん!」
「師匠ー!頑張ってください!」
「マスター頑張ってください!」
「頑張ってだぴょん!」
と俺の耳にリリオネ達の声が届いた。
これで終わりにしよう…
「«重力操作…»」
「クッ!急に身体が重くッ!」
「悪いなラジルさん«極零氷殺(ゼロフールフィル)»」
ラジルさんを氷の中に閉じ込める。
「勝者カズキ!」
ふぅ~勝ったか…っとラジルさんを出さないと…と俺はラジルさんを氷を溶かして出す。
「死ぬかと思ったぞ…カズキ君」
「すまなかった…」
「まぁいい…俺の負けだ、楽しかったぞ」
「それは良かった」
「カズキ君またやろうではないか」
「もうやりたくないんだが…」
ラジルさんは俺がそう言ったのに背中をバシバシ叩いて話を聞いていない…
「師匠ー!凄かったです!」
「マスター流石です!」
「凄い迫力だったぴょん!」
とリリオネ達が客席から降りてきて俺を囲んでそう言う。

こうして俺とラジルさんの試合は幕を閉じた…
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