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第一章
第一章14「大量収穫」
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翌朝、二人は複数の目的を持ち、宿を出る。
最初は、武器屋に向かった。
向かったといっても、武器屋の場所が分からないので適当に回っているだけなのだが、リアはそれだけでも楽しいらしい。
俺には全く分からん。
涼しいと感じるほどの気温だから許せたが、暑苦しい時にそんなことを言われたらキレてしまうだろう。雨でも同じだ。
無意味に20分ほど歩いて、偶然武器屋を見つけた。
値段など気にしてほかの店を見に行っていたら日が暮れるだろう。
「すみません。ここに売ってる杖で、一番良いの2本ください。」
そう言うと、店主は驚き、
「ここで一番いいのって言ったら1本20万くらいするぞ。いいのか?」
隣でリアが目を輝かしている。
「大丈夫だ。2本くれ。」
「2本で41万だ。」
「ここに置けばいいか?」
「ああ。」
かなりの出費だったがこれからのことを考えるとメリットの方が大きいだろう。
すぐ壊れたらあの店主を殴りに行こう。
「はい、リア。」
「あ、あ、ありがとう。」
「どうした?」
「これ1本20万5千ってことでしょ?持つだけでも怖いよ。」
やけにキラキラしている杖を買った。
宝石だろうか。その宝石に何かしらの能力があるのだろう。
こんなに高額なものだからもちろんかなりの期待をする。
が、期待を裏切られるのは嫌なので期待を下げる。
リアはかなりどころの話じゃないほど期待していそうだが。
「次はスライムについて聞き込みに行くぞ。こういうのは大体アイテム屋みたいなやつが知ってるはずだ。」
「私のラノベだったら防具鍛冶の人っていう印象だけど。」
「先に見つかった方に行く。っていうかっぽいところに行けば何とかなるだろ。」
「久しぶりの雑な感じでたね。」
「なんだそれ。」
「何でもないです。」
はて、何のことだろうか。
「まだベスはいるのか?」
そう言うとリアは半回転して、
「いる?どうせいると思うけど。」
「いる。―――行くぞ。」
「はーい。」
早く杖を使いたいのを我慢し、スライムの情報を集めに行く。
すぐ近くにアイテム屋があった。
中は人が少なく、かなり落ち着ける雰囲気だった。
そこで、何も買わずに情報をもらうのは失礼だと思い、不思議な形をした指輪を買った。
「すみません。この指輪を買いたいんですけど。その前に聞きたいことがあるんで聞いてもいいですか。」
「どうぞ?」
店員の女性は若そうだ。
こんなことを言ってくる人は今までいなかっただろう。
だから少し眉間にしわが寄っている風に見える。
「知らなかったらいいんですけど、スライムって知ってますか?」
「そりゃ知ってますけど。」
「スライムって強いですか?」
「人間で挑むのは無謀だと言われてるくらい強さが有名ですね。」
「中立的な立場ですか?」
「はい。刺激しないと敵対してこないモンスターです。」
敵対しない?確かにリアはスライムを殺そうとした。
転生者だからと言って優遇されるわけでもないだろう。
ではなぜ?
「スライムには何種類かありますか?」
「はい。一般的な水色、少しレアなオレンジ、かなりレアな黄緑、人生で一度会うか分からないほどレアな金色の計4種あるといわれています。」
「それぞれに正確の違いとかは?」
「そこまでは分からないです。」
「たくさん質問してすいません。でも、ありがとうございました。最後に1個だけ。」
「はい。」
「この指輪ってどんな効果があるんですか?」
「この指輪は魔法の威力上昇をしてくれます。そのかわりマナ消費量が少し増えます。杖との相性がいいと言われています。幸い、あなたたちは杖を持っていらっしゃるので買うのをお勧めします。」
「丁寧にありがとう。じゃあ2個買います。」
「ありがとうございます。またお越しをお待ちしております。」
店を出て、
「セイナすごいね!いとも簡単に店員さんと話しているし、しっかり情報を手に入れているし。」
「お前がおかしいだけだ。こういうコミュニケーション能力は本当に大事だからリアも手に入れておけよ。はい、指輪。」
「結婚?!あと、会話はできません。」
「まあしょうがない。次は、どうする?」
「無視!?―――決めていいの?―――なら、早く杖を使いたいかな。」
「あんだけ怖がってたくせに?」
「もう克服したの!しかも上級魔法を使いこなせるようになったらいつゴブリンに襲われても大丈夫でしょ!」
「襲われるのを想定するなよ。実現するぞ。」
「腕試しってとこだね!」
話を聞いていない。まあ俺も杖を使ってみたいし、この指輪も使ってあげたい。
ここを出るにしてもどこから出るのがいいだろう。
西はもういい、北はゴブリンがいる、東も敵がいる、南は、行けそうだな。
ここから南に行き、少し西に行くと、おそらくだがインティウムに着く。
そこに入るのはめんどくさいからチェックポイント的な役割になってもらおう。
そこを通って南に進んだら何が見えてくるのだろう。
楽しみだ。
また、二人の冒険が幕を開ける。
最初は、武器屋に向かった。
向かったといっても、武器屋の場所が分からないので適当に回っているだけなのだが、リアはそれだけでも楽しいらしい。
俺には全く分からん。
涼しいと感じるほどの気温だから許せたが、暑苦しい時にそんなことを言われたらキレてしまうだろう。雨でも同じだ。
無意味に20分ほど歩いて、偶然武器屋を見つけた。
値段など気にしてほかの店を見に行っていたら日が暮れるだろう。
「すみません。ここに売ってる杖で、一番良いの2本ください。」
そう言うと、店主は驚き、
「ここで一番いいのって言ったら1本20万くらいするぞ。いいのか?」
隣でリアが目を輝かしている。
「大丈夫だ。2本くれ。」
「2本で41万だ。」
「ここに置けばいいか?」
「ああ。」
かなりの出費だったがこれからのことを考えるとメリットの方が大きいだろう。
すぐ壊れたらあの店主を殴りに行こう。
「はい、リア。」
「あ、あ、ありがとう。」
「どうした?」
「これ1本20万5千ってことでしょ?持つだけでも怖いよ。」
やけにキラキラしている杖を買った。
宝石だろうか。その宝石に何かしらの能力があるのだろう。
こんなに高額なものだからもちろんかなりの期待をする。
が、期待を裏切られるのは嫌なので期待を下げる。
リアはかなりどころの話じゃないほど期待していそうだが。
「次はスライムについて聞き込みに行くぞ。こういうのは大体アイテム屋みたいなやつが知ってるはずだ。」
「私のラノベだったら防具鍛冶の人っていう印象だけど。」
「先に見つかった方に行く。っていうかっぽいところに行けば何とかなるだろ。」
「久しぶりの雑な感じでたね。」
「なんだそれ。」
「何でもないです。」
はて、何のことだろうか。
「まだベスはいるのか?」
そう言うとリアは半回転して、
「いる?どうせいると思うけど。」
「いる。―――行くぞ。」
「はーい。」
早く杖を使いたいのを我慢し、スライムの情報を集めに行く。
すぐ近くにアイテム屋があった。
中は人が少なく、かなり落ち着ける雰囲気だった。
そこで、何も買わずに情報をもらうのは失礼だと思い、不思議な形をした指輪を買った。
「すみません。この指輪を買いたいんですけど。その前に聞きたいことがあるんで聞いてもいいですか。」
「どうぞ?」
店員の女性は若そうだ。
こんなことを言ってくる人は今までいなかっただろう。
だから少し眉間にしわが寄っている風に見える。
「知らなかったらいいんですけど、スライムって知ってますか?」
「そりゃ知ってますけど。」
「スライムって強いですか?」
「人間で挑むのは無謀だと言われてるくらい強さが有名ですね。」
「中立的な立場ですか?」
「はい。刺激しないと敵対してこないモンスターです。」
敵対しない?確かにリアはスライムを殺そうとした。
転生者だからと言って優遇されるわけでもないだろう。
ではなぜ?
「スライムには何種類かありますか?」
「はい。一般的な水色、少しレアなオレンジ、かなりレアな黄緑、人生で一度会うか分からないほどレアな金色の計4種あるといわれています。」
「それぞれに正確の違いとかは?」
「そこまでは分からないです。」
「たくさん質問してすいません。でも、ありがとうございました。最後に1個だけ。」
「はい。」
「この指輪ってどんな効果があるんですか?」
「この指輪は魔法の威力上昇をしてくれます。そのかわりマナ消費量が少し増えます。杖との相性がいいと言われています。幸い、あなたたちは杖を持っていらっしゃるので買うのをお勧めします。」
「丁寧にありがとう。じゃあ2個買います。」
「ありがとうございます。またお越しをお待ちしております。」
店を出て、
「セイナすごいね!いとも簡単に店員さんと話しているし、しっかり情報を手に入れているし。」
「お前がおかしいだけだ。こういうコミュニケーション能力は本当に大事だからリアも手に入れておけよ。はい、指輪。」
「結婚?!あと、会話はできません。」
「まあしょうがない。次は、どうする?」
「無視!?―――決めていいの?―――なら、早く杖を使いたいかな。」
「あんだけ怖がってたくせに?」
「もう克服したの!しかも上級魔法を使いこなせるようになったらいつゴブリンに襲われても大丈夫でしょ!」
「襲われるのを想定するなよ。実現するぞ。」
「腕試しってとこだね!」
話を聞いていない。まあ俺も杖を使ってみたいし、この指輪も使ってあげたい。
ここを出るにしてもどこから出るのがいいだろう。
西はもういい、北はゴブリンがいる、東も敵がいる、南は、行けそうだな。
ここから南に行き、少し西に行くと、おそらくだがインティウムに着く。
そこに入るのはめんどくさいからチェックポイント的な役割になってもらおう。
そこを通って南に進んだら何が見えてくるのだろう。
楽しみだ。
また、二人の冒険が幕を開ける。
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