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本編

衝撃の事実sideレオン

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「可愛い寝顔だ」


スヤスヤと眠るアサヒの寝顔を見ながら柔らかい髪を撫でていると背後に気配を感じ振り向く、そこには小型犬サイズの神獣フェル殿がトテトテとアサヒの寝ているベットまで歩み寄りぴょんと飛び乗る。


「よく眠っておるな…ふむ、安定してきたな、この調子でいけばそろそろ覚醒するだろう」

「フェル殿…なんの話をしているのですか?」


小さな肉球のついて手でむきゅむきゅとアサヒの頬を触りながら意味深な言葉を発するフェル殿に不安を覚え聞き返す。


「本当は覚醒するまで誰にも言うつもりはなかったが…まぁいいだろう。レオン、お主はアサヒの番だから伝えておこう。前にも話した通りアサヒは創造神ララジール様から加護…簡単に言うと祝福を受け取っている。そのは祝福はアサヒの持つ聖なる力を覚醒させるのに必要だった。だが祝福をもらったからと言ってそう簡単に覚醒できるものではない。」

「ですが先ほどフェル殿はそろそろ覚醒すると…」

「そうだ、確かにそう言った。覚醒させるにはレオン、お前の力が必要だったのだ」

「俺の…力?」


まさかの回答に俺は驚き目を見開いた。その様子が可笑しかったのかフェル殿はくつくつと笑いながら頷いた。


「そう、お前の力…すなわち、心の底から愛した者の魔力だ。愛する者の魔力を体内に取り込み交わることが覚醒するためのカギなのだ」

「俺の魔力を…アサヒの体内に…取り込む」


まさか…え、嘘だろ…

力の覚醒のカギとなる行為がまさかの答えで呆然としてしまう。そして赤く染まった顔を手で覆っているとフェル殿が不思議そうな声で聞いてきた。


「レオン、何を神妙な顔をしているのだ?魔力は体液に含まれることぐらい知っているだろう。お前の出す精からアサヒは魔力を吸収している」

「そんなはっきり言わないでください…」

「なんだ照れているのか?お前とアサヒは番だろ。愛し合っている者同士なのだ、恥ずかしがる必要はないぞ」

「流石にフェル殿から言われると…どう反応していいか」


普段なら特に気にもしなかったはずだがフェル殿に俺たちの愛し合う営みについて語られると全て見透かされていそうでなんとも言えない気持ちになる。


「ふむ、そう言うものか?…あ、そうだ一つ言っておく。アサヒを絶頂に導くのはいいがあまり精を出させないほうがいい。せっかくレオンの魔力を受け取っても流れ出てしまうからな、お前が言う『中イキ』というやつの方がいいな」

「っ…ぜ、善処…します」


俺の小さな返事にフェル殿は何故かやり切ったホクホク顔でうんうんと頷きアサヒが寝ている枕元に丸まって眠った

そして俺は1人、朝まで悶々とした時間を過ごすはめになった



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