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本編
密談 side???
しおりを挟む誰もが寝静まり暗闇が広がる真夜中。
「ふんふふーんっふんふんっ」
全身黒ずくめの小柄な男は鼻歌を歌いながらとある廃墟に入っていき、慣れた手つきで扉を開け階段を降りていく。
その廃墟はとても古く今にも外れそうな扉を開け進んでいくと僅かに明かりを灯した部屋ある。なんの躊躇いもなくその部屋へ足を踏み入れるとそこには全身黒ずくめの男が3人いた。
そのうちの眼鏡をかけた男が今入ってきた小柄な男に向かって口を開く。
「遅い…予定の時刻より3分も過ぎている」
「はぁ?…たった3分じゃん細かすぎー…そんなだからハゲんだよっ」
「貴様っ…」
「ホントの事じゃーんっ」
「だまれ」
小柄な男の言い草にいまにも飛びかかりそうな眼鏡の男を静止するのは背が高く恰幅のいい男だった。
「…申し訳ありません」
「ごめんなさーい」
怒られ顔色を悪くした眼鏡の男に対し小柄な男はどこか他人事のような返事だった。
「それで『第1聖騎士団団長』はどうだった」
リーダー格の男の言葉に小柄な男は楽しそうに話し出す。
「すごく楽しかった!僕相手にあれだけ動ける人なんてそうそういないよ!もっと遊びたかったなぁ~」
「ほぅ…お前がそこまで言うなんて余程の腕前らしいな…よし、そうとなれば計画はこのまま決行する。」
その言葉を聞き小柄な男は満面の笑みでリーダー格の男に手を上げる。
「はいはいはーい!それならまた僕の相手はあの人がいい!」
「好きにしろ」
「やったー!」
小柄な男は嬉しそうにその場でクルクルと回りだし上機嫌に部屋を出ていく。それを冷めた目で見つめる眼鏡の男。
「本当にあの男に任せるつもりですか?」
「性格に難はあれど仕事に関しては心配していない」
リーダー格の男の言葉で眼鏡の男は苦虫を噛み潰したような顔をしながらしぶしぶ納得し部屋を出る。
「まったく…あの2人は本当に合わないな」
「…」
今まで無言を貫き通してきた片目を隠した男が頷く。それに気づいたリーダー格の男は溜息をつきながら話し続ける。
「お前は例の『黒の君』の相手だ。なにやら特別な力を持っているらしいが、お前の『力』があれば問題ないだろう。」
「…わかった」
そう言うと片目を隠した男は足元から湧き出る闇に飲まれて姿を消した。
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