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本編

休暇を満喫しよう

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僕達は今別荘近くの街の朝市に来ている。

所狭しと屋台が並び見た事ない果物や野菜、食べ物なんかも売っている。

見るもの全てが新鮮で目を輝かせる。はぐれないようにレオンさんと手を繋ぎ一つ一つの屋台をゆっくり見て回る。

分からないものがあったり興味をそそる物があるとレオンさんに教えてもらったり屋台の店主さんに教えてもらったり、朝市の散策はとても満足のいくものになった。


たまに視線を感じたけど、たぶん僕が見るもの全てにはしゃぎすぎていたせいだと思う。

恥ずかしくなり心の中でちょっと反省していると僕のお腹がぐぅーっと鳴る。


「そろそろ昼だな…どこか店でも入るか?それとも屋台で買って食べてみるか?」


僕のお腹の音に気づいたレオンさんがすかさず提案してくれる。もちろん僕は屋台で買って食べるを選択した。

先程街を回った時にとてもいい匂いがする串焼きの屋台があって食べてみたいなぁっと思ってたんだ。


「さっきみたお肉の串焼きが食べたいです!」

「あぁ、あの屋台か。そう言えばいい匂いが漂っていたな…よし、今日の昼はあの屋台で買おう」


レオンさんは優しい笑顔で僕のリクエストに答えてくれて、来た道を戻りながら先程みた串焼きの屋台へ向かう。


数分後、タレのいい匂いが漂ってくる。



「いい匂い…レオンさん早く行きましょう!」


繋いだ手をグイグイ引っ張って屋台の列に並ぶ。待つこと数分僕たちの番になり注文する。僕は串焼きを2本、レオンさんは4本注文すると「あいよっ!」っと店主さんの元気のいいしゃがれた声の返事。


うんうん、いいね。屋台って感じ!


待ってる間も手を繋いでいたから店主さんに「お前さん達お似合いの2人だなぁ!手なんか繋いじゃって熱ねぇ~」なんて言われてしまった。


そんなこんなで僕達はできたてホカホカの串焼きを持って噴水近くのベンチに座って串焼きを頬張る。


じゅわぁ~っと肉汁が口いっぱいに広がりスパイシーなタレとの相性抜群でとっても美味しい。

美味しすぎて口いっぱいに食べていたらレオンさんに笑われ、つんつんほっぺたをつつかれた。


「ははっそんな口いっぱいにして…可愛いな」

「んふー!(おいしー!)」


レオンさんのいたずらなんて気にならないくらい食べ続けあっという間に完食してしまう。レオンさんもペロリと4本平らげ満足そうだった。


「美味しかったですね!また食べたいなぁ」

「そうなだな、まだ休暇は始まったばかりだ。またいつでも来れるさ」

「そうですね!またデートしましょう」

「あぁ」



僕がとびっきりの笑顔で次のデートにレオンさんを誘うと、優しく僕の髪を撫でながらレオンさんも微笑む。


それから僕たちは時間の許す限り朝市を散策した。

時間はあっという間にすぎそろそろ帰ろうかと話していたその時。


ドンっと前から歩いてきた人がレオンさんにぶつかった。


レオンさんはよろめくことなくぶつかった相手を受け止めて「大丈夫か?」と聞く。


さすがレオンさん。体感しっかりしてるなぁ~…僕だったらよろけて尻もちついてたかも…

なんて僕は呑気に思いながらぶつかってきた相手を見ると顔を真っ赤にしてレオンさんを凝視してた。


あ…この女性レオンさんに見とれてる…


「あ、ありがとうございます!すみません!ちゃんと前見てなくて…」

「いや、こちらは大丈夫だ。怪我はなさそうだな…では失礼する」

「あ、待ってください!」


レオンさんは女性を支えていた手を離し別れを告げ歩き出そうとするとガシッと女性がレオンさんの腕を抱きしめ上目遣いでレオンさんを見上げる。


「ぶつかってしまったお詫びにお茶でもどうですか?…すぐそこに人気のカフェがあるんです!」


胸を押し付けるようにレオンさんの腕に絡まり女性はお茶に誘う。


この人、僕のこと見えてないのかな…


あからさまな態度にレオンさんは眉間に皺を寄せ絡まっている腕を抜き取り誘いを断る。


「いや結構だ。それに俺には愛する人がいる」


そう言ってレオンさんは僕の肩を抱きしめ女性に見せつける。

ここで僕と女性の目が初めてあった。やっと僕を認識してくれたんだろう。「え、いたの?」みたいな目で見られちょっと怖い。

女性からキツい目で上から下まで舐めるように見られ僕は縮こまる。


そんな僕に気づいてくれたレオンさんが「では今度こそ失礼する」と言ってその場から離れていく。

女性はまだなんか叫んでたけどレオンさんは気にも止めずにズンズン僕の肩を抱きながら歩いて別荘へ戻りとても刺激的で濃い一日が終わった。



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