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本編

水遊びは魔道具と共に

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あの後、僕はレオンさんに抱き抱えられながら別荘のそばに流れる川に来ていた。


そこにはパラソルやビーチチェア等が用意されていて自然豊かな川なのにリゾート地にあるプライベートビーチみたいになっていた。


驚いて目をまん丸にしている僕を見てレオンさんに楽しそうに笑い説明してくれる。




「先にセバスに頼んで用意してもらっておいた。飲み物や軽食も準備してあるから好きな時に食べよう」



そう言ってレオンさんは僕をチェアの上に優しく降ろしぐるぐる巻きになっていたバスタオルを取りローテーブルに置いてあった小さなベルを鳴らす。


バスタオルを取られたことによりえっちな水着があらわになり僕は真っ赤になりながら必死に隠す。




「レ、レオンさんっ!!タオル返してくださいっ!…は、恥ずかしいぃ…」

「アサヒ落ち着け、大丈夫だ。セバス達にはよほどのことがない限りここには近づくなと言ってあるし、今さっき魔道具でこの周辺を隠蔽した。外からは俺たちのことは見えなくなっている。」

「…隠蔽?」

「そうだ、このベル型の魔道具で隠蔽した。魔力を入れ続ければ効果は一日中続くから途中で切れる心配はない。」




そういえばさっきレオンさんがベルを鳴らしていたような気がする。


興味津々にローテーブルに置いてある魔道具を見ている僕をレオンさんは可笑しそうに笑いながらその場で着替え出す。



あまりにもナチュラルに服を脱ぎ出したから僕はびっくりし過ぎて目が飛び出すかと思った。


レオンさんの生着替えを間近で見せつけられ一気に心拍数が上がってしまう。だってレオンさんはわざとゆっくり焦らすように脱いで僕の反応を楽しんでいるようだった。


レオンさんの裸なんて見慣れているはずなのに…外といういつもと違うシチュエーションだからかより一層艶めかしく見えた。


しかも服を脱ぐ動作がいちいちセクシーで目が離せない。目を逸らそうとしても自分の身体が言うことを聞いてくれなくてジーッとガン見してしまう。そんな僕を揶揄うようにレオンさんは言った。




「アサヒ…そんなに俺の裸を見つめてどうした?」

「…うぇっ!?み、見つめてましぇんっ!!」

「くくくっ…そうか、俺の気のせいだったか」




テンパりすぎて噛んでしまうがそれどころでは無い、なんせレオンさんはズボンも脱ぎ出したのだから。


あわわわわわっ!?レオンさん外ですっぽんぽんになっちゃったよ!?


全裸だというのに堂々とした佇まいで僕を見てくるレオンさん。



「レ、レオンひゃん!!裸!隠す!ここ外!」



テンパりを通り越して僕はパニックだ。誰かに見られる前に隠さなきゃと思いカタコトになりながら先程まで僕を巻いていたバスタオルが目に付き、急いで手に取ってレオンさんの腰に巻き付ける。




と、とりあえず必要最低限は隠せたっ…



はぁ…と僕はため息を零しながら冷や汗を拭う。そんな僕をみてレオンさんは肩を震わせながら大笑いした。



「もぉ!何笑ってるんですか!笑い事じゃないですよ!」

「すまない…ははっこんなに必死なアサヒは初めて見た…はぁー笑った笑った。だがアサヒ、先程も言ったが俺たちは魔道具で隠蔽されている。だから誰かに見られることはない」

「あ…そうだった…」




目から入る情報量が多すぎて魔道具の存在を忘れていた。そして魔道具の存在を思い出すと気が抜けて僕はすぐ側にあるビーチチェアに寝転んだ。



一息ついているといつの間にか着替え終わったレオンさんが僕に冷えた果実水を渡してくれる。


カラカラになった喉を潤すようにコクコク飲み干し着替え終わったレオンさんの姿をみた僕は不満げな目で一瞥すると、レオンさんは首を傾げながら僕を見る。




「ん?どうしたアサヒ」

「…なんでレオンさんはちゃんとした水着なんですか…」



なんとレオンさんは僕とは違いちゃんと膝丈の短パン水着だった。上半身は筋肉質で逞しいバキバキに割れた腹筋や胸筋など素敵な身体を惜しげも無く晒しているのが余計に僕のヘンテコな格好を際立たせている。


何故ズボン型の水着があるなら僕の分も用意してくれなかったのか!こんな恥ずかしい思いをしなくて済んだのに!


ほっぺを膨らませぷんぷん怒る僕をレオンさんは愛おしげな目で見つめて宥めるように背中を撫でてくれる。


うぐぅ…ほ、絆されないぞ!僕は怒っているんだ!



しばらく僕はレオンさんを無視して水遊びしようとしたのだが、僕に無視されて絶望し悲痛な顔して項垂れるレオンさんが可哀想でたった数分で仲直りした。






誓って僕がすぐ絆されるチョロい奴って訳ではない…チョロくない!!














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