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本編

消えた婚約2 sideレオン

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⚠︎︎暴力行為、表現があります⚠︎︎






あれからひたすらアサヒの元へ走り続けると探知魔法の反応が強くなり辺りを見渡してみる。


すると少し遠くの森に隠れるような作りの建物を発見した。






「見つけた!あの建物から反応がある!」

「よし!急ぐぞ!」






待っていろアサヒ!すぐ助けに行く!



俺たちはそのひっそりと佇む建物へ向かった。



鬱蒼と生い茂る草木、あまり手入れされていないのか見つかりずらくする為にわざとしていないのか…今はそんな事どうでもいい、早くアサヒに会いたい。



そんな生い茂る草木をもろともせずに建物の入口に立ちドアを蹴破る。




俺の蹴りでバコォオオオーンと勢いよく倒れる扉を踏みつけながら中に入るとそこは綺麗に整えられ手入れされている内装だった。



やはりこの建物を隠すために外装はわざと手入れしていなかったのか…



扉が蹴破られた時の爆音に気づき何事かと使用人とガラの悪い武器を持った男たちがゾロゾロと出てきた。






「!?と、扉がっ…なんてことを!?」

「おい、お前はここの使用人か?」

「あ、あなた達は…!?」






俺たちの顔を見て青ざめていく使用人…きっとなんで俺たちがココにいるのか知っているのだろう。






「アサヒはどこだっ!」

「ひぃいいいっ」




俺の殺気を含んだ魔力に当てられ泡を吹いて使用人は倒れてしまった。武器を持った男たちもブルブルと身体を震わせている。






「おいレオン殺気が漏れてるぞ…焦るのは分かるが少し落ち着け」

「ちっ…」






そんな俺を見てダルイズがはぁーっとため息をこぼし俺の背中をバシンと叩く。






「ここは俺に任せてお前はアリルとアサヒくんの所へ向かえ」

「頼む」

「礼はアサヒ君を無事に連れ帰ってから貰うことにする…いってこい」





俺は探知魔法でアサヒの位置を特定しながら邸の中を走り回り1つの扉の前にたどり着いた。



その扉にたどり着くまで使用人たちや武器を持った男たちが俺たちを邪魔するように魔法やら武器やらで攻撃したり足止めしたり…すこしでも時間稼ぎをしようという思惑が見えた。


うざったい使用人たちを一気に蹴散らしアサヒの反応が強く出た扉に向かって風魔法を発動させ破壊する。




木端微塵になった扉を踏みつけながら部屋の中に入るとそこには扉があった近くに腰を抜かし座り込む男を睨みつける。





「アサヒはどこだ」







俺の殺気に当てられ青ざめガタガタ震え失禁している男を一瞥し部屋に目を向けるとそこにはベットに全裸で鎖に繋がれているアサヒが目に入った。着ていただろう服が見るも無残に破かれベットの周りに脱ぎ捨てられていた。




「貴様ぁああっ!!!」




カッと身体中の血が沸騰したように燃え上がり俺は男の顔面を思いっきり殴りつけていた。


何度も何度も殴りつけ顔の原型が分からなくなるほど殴りつけた。抵抗されようが気絶しようが泡を吹こうが俺は殴る手を止めない。



俺は理性なく殴り続けていると小さな声で俺の名前を呼ぶ声が聞こえた。



声がした方に顔を向けるとガクガクと身体を震わせながら俺を見て大粒の涙を流すアサヒがいた。




「アサヒっ!!!」



殴りつけていた男を放り投げアサヒを抱きしめる。



俺が男を殴りつけている間にアリルがアサヒを保護し、治療しておいてくれたようだ、先程見えた手錠によって赤く腫れていた手首も綺麗に治っていた。





「アサヒ…アサヒ…すまない」

「こわかった…僕…ぼく…うっうわぁああんっ」




大号泣のアサヒを抱きしめながらアリルに目配せし念話を使う。





(アサヒは…暴行…されたのか…)

(身体を調べさせてもらた所、特に酷い暴行はまだされていなかったと思います。しかし薬物を使用されていたかもしれません)

(なに?…薬物だと!?)

(はい、私が声をかけた時は目の焦点があっておらず薬物独特の甘ったるい匂いを感じました。そしてうわ言のように伯爵の名前を何度も繰り返していました。今は私が浄化し薬物の効果は切れています…多分ですが副反応として記憶の欠落が見られると思います。)

(そうか…すまない助かった)

(彼は私の友です。助けるのは当然ですよ)




にっこりとアリルが微笑みながら俺に言う。




静かになったと思ったら先程まで大号泣していたアサヒだが気を失うように今は俺の腕の中で眠っている。





「アサヒ…遅くなってすまなかった…もう1人にはさせない、怖い思いも…絶対に離さない」




その後ダルイズと合流すると既に騎士や兵士が到着しておりこの事件に加担した者達を連行していた。ダルイズが念話で呼んでおいてくれたそうだ。



そこには元帥閣下もいた。




「父上…」

「アサヒ殿は?」

「はい、暴行はされていませんが薬物が使用されたかもしれません」

「わかった…ここは私に任せてお前たちは帰りなさい。アサヒ殿の回復次第で事情聴取がある」

「分かりました。では失礼します」




そうして俺たちは邸に帰還した。










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