46 / 108
本編
消えた婚約2 sideレオン
しおりを挟む⚠︎︎暴力行為、表現があります⚠︎︎
あれからひたすらアサヒの元へ走り続けると探知魔法の反応が強くなり辺りを見渡してみる。
すると少し遠くの森に隠れるような作りの建物を発見した。
「見つけた!あの建物から反応がある!」
「よし!急ぐぞ!」
待っていろアサヒ!すぐ助けに行く!
俺たちはそのひっそりと佇む建物へ向かった。
鬱蒼と生い茂る草木、あまり手入れされていないのか見つかりずらくする為にわざとしていないのか…今はそんな事どうでもいい、早くアサヒに会いたい。
そんな生い茂る草木をもろともせずに建物の入口に立ちドアを蹴破る。
俺の蹴りでバコォオオオーンと勢いよく倒れる扉を踏みつけながら中に入るとそこは綺麗に整えられ手入れされている内装だった。
やはりこの建物を隠すために外装はわざと手入れしていなかったのか…
扉が蹴破られた時の爆音に気づき何事かと使用人とガラの悪い武器を持った男たちがゾロゾロと出てきた。
「!?と、扉がっ…なんてことを!?」
「おい、お前はここの使用人か?」
「あ、あなた達は…!?」
俺たちの顔を見て青ざめていく使用人…きっとなんで俺たちがココにいるのか知っているのだろう。
「アサヒはどこだっ!」
「ひぃいいいっ」
俺の殺気を含んだ魔力に当てられ泡を吹いて使用人は倒れてしまった。武器を持った男たちもブルブルと身体を震わせている。
「おいレオン殺気が漏れてるぞ…焦るのは分かるが少し落ち着け」
「ちっ…」
そんな俺を見てダルイズがはぁーっとため息をこぼし俺の背中をバシンと叩く。
「ここは俺に任せてお前はアリルとアサヒくんの所へ向かえ」
「頼む」
「礼はアサヒ君を無事に連れ帰ってから貰うことにする…いってこい」
俺は探知魔法でアサヒの位置を特定しながら邸の中を走り回り1つの扉の前にたどり着いた。
その扉にたどり着くまで使用人たちや武器を持った男たちが俺たちを邪魔するように魔法やら武器やらで攻撃したり足止めしたり…すこしでも時間稼ぎをしようという思惑が見えた。
うざったい使用人たちを一気に蹴散らしアサヒの反応が強く出た扉に向かって風魔法を発動させ破壊する。
木端微塵になった扉を踏みつけながら部屋の中に入るとそこには扉があった近くに腰を抜かし座り込む男を睨みつける。
「アサヒはどこだ」
俺の殺気に当てられ青ざめガタガタ震え失禁している男を一瞥し部屋に目を向けるとそこにはベットに全裸で鎖に繋がれているアサヒが目に入った。着ていただろう服が見るも無残に破かれベットの周りに脱ぎ捨てられていた。
「貴様ぁああっ!!!」
カッと身体中の血が沸騰したように燃え上がり俺は男の顔面を思いっきり殴りつけていた。
何度も何度も殴りつけ顔の原型が分からなくなるほど殴りつけた。抵抗されようが気絶しようが泡を吹こうが俺は殴る手を止めない。
俺は理性なく殴り続けていると小さな声で俺の名前を呼ぶ声が聞こえた。
声がした方に顔を向けるとガクガクと身体を震わせながら俺を見て大粒の涙を流すアサヒがいた。
「アサヒっ!!!」
殴りつけていた男を放り投げアサヒを抱きしめる。
俺が男を殴りつけている間にアリルがアサヒを保護し、治療しておいてくれたようだ、先程見えた手錠によって赤く腫れていた手首も綺麗に治っていた。
「アサヒ…アサヒ…すまない」
「こわかった…僕…ぼく…うっうわぁああんっ」
大号泣のアサヒを抱きしめながらアリルに目配せし念話を使う。
(アサヒは…暴行…されたのか…)
(身体を調べさせてもらた所、特に酷い暴行はまだされていなかったと思います。しかし薬物を使用されていたかもしれません)
(なに?…薬物だと!?)
(はい、私が声をかけた時は目の焦点があっておらず薬物独特の甘ったるい匂いを感じました。そしてうわ言のように伯爵の名前を何度も繰り返していました。今は私が浄化し薬物の効果は切れています…多分ですが副反応として記憶の欠落が見られると思います。)
(そうか…すまない助かった)
(彼は私の友です。助けるのは当然ですよ)
にっこりとアリルが微笑みながら俺に言う。
静かになったと思ったら先程まで大号泣していたアサヒだが気を失うように今は俺の腕の中で眠っている。
「アサヒ…遅くなってすまなかった…もう1人にはさせない、怖い思いも…絶対に離さない」
その後ダルイズと合流すると既に騎士や兵士が到着しておりこの事件に加担した者達を連行していた。ダルイズが念話で呼んでおいてくれたそうだ。
そこには元帥閣下もいた。
「父上…」
「アサヒ殿は?」
「はい、暴行はされていませんが薬物が使用されたかもしれません」
「わかった…ここは私に任せてお前たちは帰りなさい。アサヒ殿の回復次第で事情聴取がある」
「分かりました。では失礼します」
そうして俺たちは邸に帰還した。
2
お気に入りに追加
3,553
あなたにおすすめの小説
貴公子、淫獄に堕つ
桃山夜舟
BL
美貌の貴公子が、なりゆきで邪教の社に神子として潜入することになり、やたらデカいイケメン宮司や信徒、人外などを相手に連日連夜の淫らな祭祀で快楽漬けになる話。
なんちゃって平安王朝風の異世界です。
輪姦/淫紋/結腸責/異種姦/触手/スライム/マッサージ/鬼/獣姦/衆人環視/青姦/尿道責/母乳/搾乳/羞恥/露出/苗床/産卵/など。
快楽漬けなので、痛みや暴力はありません。
※はR-18描写ありです(ほとんどですが)。
2024.3.23
完結しました。ありがとうございました!
後日談やスピンオフなど書くかもしれません。
【完結】引きこもり陰キャの僕が美形に転生したら
抹茶らて
BL
僕、田中幸助は引きこもりで陰キャのどこにでもいる、しがない高校生。だったはずなのに…
長い眠りから覚めたと思ったら、美形家族に囲まれていた!?
エレクサリア公爵家の三男ディディ=エレクサリアとオシャレな名前になっていて…美形ショタにあやされるとか、これなんてプレイ?
ずっと一人だった僕に愛情を注いでくれる家族と、迫って来る多方面のイケメン達。
愛されて慣れていない僕はタジタジで………
*R18は保険です(まだ書き上げていないので…)
*ノリと勢いで書いています
*予告なくエロを入れてしまうことがあります
*地雷を踏んでしまったらごめんなさい…
*ストックが無くなってしまったら毎日投稿できないかもしれないです
*愛され慣れていない主人公の行く末を温かく見守ってあげてください
所詮は他人事と言われたので他人になります!婚約者も親友も見捨てることにした私は好きに生きます!
ユウ
恋愛
辺境伯爵令嬢のリーゼロッテは幼馴染と婚約者に悩まされてきた。
幼馴染で親友であるアグネスは侯爵令嬢であり王太子殿下の婚約者ということもあり幼少期から王命によりサポートを頼まれていた。
婚約者である伯爵家の令息は従妹であるアグネスを大事にするあまり、婚約者であるサリオンも優先するのはアグネスだった。
王太子妃になるアグネスを優先することを了承ていたし、大事な友人と婚約者を愛していたし、尊敬もしていた。
しかしその関係に亀裂が生じたのは一人の女子生徒によるものだった。
貴族でもない平民の少女が特待生としてに入り王太子殿下と懇意だったことでアグネスはきつく当たり、婚約者も同調したのだが、相手は平民の少女。
遠回しに二人を注意するも‥
「所詮あなたは他人だもの!」
「部外者がしゃしゃりでるな!」
十年以上も尽くしてきた二人の心のない言葉に愛想を尽かしたのだ。
「所詮私は他人でしかないので本当の赤の他人になりましょう」
関係を断ったリーゼロッテは国を出て隣国で生きていくことを決めたのだが…
一方リーゼロッテが学園から姿を消したことで二人は王家からも責められ、孤立してしまうのだった。
なんとか学園に連れ戻そうと試みるのだが…
【R18】溺愛される公爵令嬢は鈍すぎて王子の腹黒に気づかない
かぐや
恋愛
公爵令嬢シャルロットは、まだデビューしていないにも関わらず社交界で噂になる程美しいと評判の娘であった。それは子供の頃からで、本人にはその自覚は全く無いうえ、純真過ぎて幾度も簡単に拐われかけていた。幼少期からの婚約者である幼なじみのマリウス王子を始め、周りの者が
シャルロットを護る為いろいろと奮闘する。そんなお話になる予定です。溺愛系えろラブコメです。
女性が少なく子を増やす為、性に寛容で一妻多夫など婚姻の形は多様。女性大事の世界で、体も中身もかなり早熟の為13歳でも16.7歳くらいの感じで、主人公以外の女子がイケイケです。全くもってえっちでけしからん世界です。
設定ゆるいです。
出来るだけ深く考えず気軽〜に読んで頂けたら助かります。コメディなんです。
ちょいR18には※を付けます。
本番R18には☆つけます。
※直接的な表現や、ちょこっとお下品な時もあります。あとガッツリ近親相姦や、複数プレイがあります。この世界では家族でも親以外は結婚も何でもありなのです。ツッコミ禁止でお願いします。
苦手な方はお戻りください。
基本、溺愛えろコメディなので主人公が辛い事はしません。
【R18】翡翠の鎖
環名
ファンタジー
ここは異階。六皇家の一角――翠一族、その本流であるウィリデコルヌ家のリーファは、【翠の疫病神】という異名を持つようになった。嫁した相手が不幸に見舞われ続け、ついには命を落としたからだ。だが、その葬儀の夜、喧嘩別れしたと思っていた翠一族当主・ヴェルドライトがリーファを迎えに来た。「貴女は【幸運の運び手】だよ」と言って――…。
※R18描写あり→*
イケメン貴公子・桐生将生の恋のお相手
波木真帆
BL
高校時代の友人の婚約祝いのために集まった俺たち。
そのグループの中で顔良し、頭良し、性格良し、運動良しの眉目秀麗、文武両道を地でいく様な、その辺の芸能人なんか霞んでしまうほどのイケメンの桐生将生が突然、自分も婚約したと言い出した。
しかも、相手は8年も片思いした相手らしい。
惚気まくり、興奮しまくりで今までの桐生とは全く違う姿に驚きが隠せない。
桐生の相手はどんな子なのか?
1話、2話は友人のモブ視点。3話、4話は桐生視点で話が進みます。
おまけ話付きの全5話で終わる予定でしたが、全10話くらいになる予定です。
※完結しましたが時々思い出したようにお話更新しています。
このお話は以前お遊びで某所で二次創作していたものですが、勿体無いので完全オリジナルに改稿して投稿しています。
イチャラブハッピーエンド小説です
R18には※つけます。
今さら、私に構わないでください
ましゅぺちーの
恋愛
愛する夫が恋をした。
彼を愛していたから、彼女を側妃に迎えるように進言した。
愛し合う二人の前では私は悪役。
幸せそうに微笑み合う二人を見て、私は彼への愛を捨てた。
しかし、夫からの愛を完全に諦めるようになると、彼の態度が少しずつ変化していって……?
タイトル変更しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる