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本編
目を覚ましたらそこは…
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誰かが僕の頭を撫でている。そっと壊れ物を扱うように優しく優しく撫でられている。少しくすぐったくてぱっと目を覚ます。目を開けたはいいが、窓からの日差しが少し眩しくて目をぱちぱちと瞬かせ顔を少し動かすと僕を撫でていたのはあの森で助けてくれたイケメンだった。
僕が目を覚ましたことに気づいた彼はにっこりと笑い話しかけてくる。
「目が覚めたか。…大丈夫か?痛いところなどないか?」
うわぁ…イケメンの笑顔が眩しすぎる
「…だ…だいじょ…ぶ…です…」
なんてこと思いながら声を出したが上手く出なくて驚いていると
「あぁ、声が出しずらいんだな。君は3日眠り続けていた」
「え…」
「話すのはゆっくりでいい。なにか飲むか?」
衝撃の事実に驚きながら頷くと彼はベットサイドに置いてある机からコップを手に取り自分の口に流し込んだ。え、僕に飲ませてくれるんじゃないの?と思っていたら彼の顔がだんだん近づいてきて、あっという間に唇を塞がれそこから冷たくてレモンのような爽やかなさっぱりとした味の果実水?を流し込まれ飲まされる。
びっくりして流し込まれた果実水を飲み込むと彼は
「まだ飲むか?」
なんて聞いてくる。なぜ口移し?と僕はプチパニック。でも3日も眠り続けていた僕の身体はまだ水分が足りないのか、もっと飲みたいと訴えている。その乾きに抗えず頷くと彼が口移しで果実水を僕に飲ませてくれた。そんな行為を何回か繰り返された僕は、なんかもう口移しで飲まされるのに慣れてしまったのか分からないがイケメンでムキムキマッチョが身も知らない僕を甲斐甲斐しくお世話してくれることに少し面白くなってクスクスと笑って感謝の言葉を伝えた。
「あり…がとう…ございます」
「 ぐっ!…かわ…」
彼は目を見開き意味不明な言葉を言いながら手で顔を覆ってしまった。え、なに僕なんかしちゃった?「ぐっかわ」って何?なんてこと考えていたらコンコンと扉をノックする音が聞こえた。
彼がその音に気づくと「入れ」と一言い扉が開くとそこにはいかにもな燕尾服をきちんと着こなしたイケおじがいた。うわぁ…ダンディなイケおじきたぁ…
「旦那様、湯浴みの準備が整いました。」
「わかった。」
あ、今から彼がお風呂入るんだ。いってら~なんて心で呟いたら、僕の身体が宙に浮いた。そう僕は彼に抱き抱えられていた。いわゆる【お姫様だっこ】の状態。驚いて彼の顔を見る
「さぁ、風呂に入るぞ」
と眩しい笑顔で僕を抱え歩き出す。
いやいやいや!待て待て待て!
「ひとり…で…はい…れます」
こんなイケメンと一緒にお風呂なんて恥ずかしすぎる。意をけして僕の気持ちを伝えると
「だめだ。3日も眠り続けて身体が思うように動かないだろう。危ないから1人ではいることは許さない。」
「うぅ…」
彼の正論で論破された。
あぁ、これはもう一緒に入る流れだ…
そんな僕をお構い無しにスタスタと僕を抱え部屋を出てお風呂場に向かう彼はなんとなくキラキラした笑顔だった。
なんでこんなことに…。でも身体が動かしづらいのも事実。もんもんと考えてもどうしようもないので思考を放棄し、項垂れながら力の入らない身体を彼の厚い胸板にこてんっと預ける。
「うっ…なんて可愛いことを…はぁ」
頭の上で呻き声がしたが思考放棄している僕の耳には届かなかった…
僕が目を覚ましたことに気づいた彼はにっこりと笑い話しかけてくる。
「目が覚めたか。…大丈夫か?痛いところなどないか?」
うわぁ…イケメンの笑顔が眩しすぎる
「…だ…だいじょ…ぶ…です…」
なんてこと思いながら声を出したが上手く出なくて驚いていると
「あぁ、声が出しずらいんだな。君は3日眠り続けていた」
「え…」
「話すのはゆっくりでいい。なにか飲むか?」
衝撃の事実に驚きながら頷くと彼はベットサイドに置いてある机からコップを手に取り自分の口に流し込んだ。え、僕に飲ませてくれるんじゃないの?と思っていたら彼の顔がだんだん近づいてきて、あっという間に唇を塞がれそこから冷たくてレモンのような爽やかなさっぱりとした味の果実水?を流し込まれ飲まされる。
びっくりして流し込まれた果実水を飲み込むと彼は
「まだ飲むか?」
なんて聞いてくる。なぜ口移し?と僕はプチパニック。でも3日も眠り続けていた僕の身体はまだ水分が足りないのか、もっと飲みたいと訴えている。その乾きに抗えず頷くと彼が口移しで果実水を僕に飲ませてくれた。そんな行為を何回か繰り返された僕は、なんかもう口移しで飲まされるのに慣れてしまったのか分からないがイケメンでムキムキマッチョが身も知らない僕を甲斐甲斐しくお世話してくれることに少し面白くなってクスクスと笑って感謝の言葉を伝えた。
「あり…がとう…ございます」
「 ぐっ!…かわ…」
彼は目を見開き意味不明な言葉を言いながら手で顔を覆ってしまった。え、なに僕なんかしちゃった?「ぐっかわ」って何?なんてこと考えていたらコンコンと扉をノックする音が聞こえた。
彼がその音に気づくと「入れ」と一言い扉が開くとそこにはいかにもな燕尾服をきちんと着こなしたイケおじがいた。うわぁ…ダンディなイケおじきたぁ…
「旦那様、湯浴みの準備が整いました。」
「わかった。」
あ、今から彼がお風呂入るんだ。いってら~なんて心で呟いたら、僕の身体が宙に浮いた。そう僕は彼に抱き抱えられていた。いわゆる【お姫様だっこ】の状態。驚いて彼の顔を見る
「さぁ、風呂に入るぞ」
と眩しい笑顔で僕を抱え歩き出す。
いやいやいや!待て待て待て!
「ひとり…で…はい…れます」
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「だめだ。3日も眠り続けて身体が思うように動かないだろう。危ないから1人ではいることは許さない。」
「うぅ…」
彼の正論で論破された。
あぁ、これはもう一緒に入る流れだ…
そんな僕をお構い無しにスタスタと僕を抱え部屋を出てお風呂場に向かう彼はなんとなくキラキラした笑顔だった。
なんでこんなことに…。でも身体が動かしづらいのも事実。もんもんと考えてもどうしようもないので思考を放棄し、項垂れながら力の入らない身体を彼の厚い胸板にこてんっと預ける。
「うっ…なんて可愛いことを…はぁ」
頭の上で呻き声がしたが思考放棄している僕の耳には届かなかった…
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