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第2話 蛙生も悪くない。

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「蛙も悪くないぜ。悩みが一切ない。毎日好き勝手に歌ってるだけの気楽な人生、いや蛙生さ」ケロ
「そんな都合の良いこと言って、貴方は蛙がイヤなんでしょ?」

 騙されないわよ。
 今まで散々騙されて学習してきたから。
 こんな蛙にまで騙されるワケにはいかないのだ。

「別に、蛙暮らしがイヤになったワケじゃない。ただ、もう一度人間相手に歌いたいんだ」ケロケロ……
「え。蛙さんも……人間……の歌手だったの?」
「ああ。しかもこう見えて人気歌手だったんだ。だからもう一度、人間に戻れるなら、人間の前で歌いたいんだ」ケロロ!
「そうなんだ……その気持ちは理解できるかも」
「どうだ? もし、替わってくれるなら、アンタを快適な水槽に入れて、毎日エサを持ってくることを約束するよ。お前は毎日、俺相手に歌って暮らせばいい。歌うことには一家言いっかげんあるから、お前が望めば蛙の歌い方を指導できるよ」ケロケロケロロ

 何だか魅力的な提案に思えてきた。
 そもそも私は自ら死を選びたくなるほどには人生に疲れ切っていた。
 それなら最後に、彼の役に立つのは、私の人生に意味を感じれていいかも知れないな……

「うーん。そうね……。替わった後にまた人間に戻りたいって言ったら?」
「モチロン大丈夫だ! でも最低一度は人前で歌う機会を与えてくれよ?」ケロッ
「分かった。後はアンタとかお前呼びやめて? ちゃんと名前で呼んで欲しい」
「別にいいよ。名前は?」ケロ?
「キョウカ」
「そうか。俺はレオン。よし契約だ!」ケロロ!




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