ワーカホリックな彼の秘密

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第24話

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 真新しいタオルをおろし、少し熱めのお湯に浸して固く絞る。
 ともすると、ほんの少し前に見た柊一の媚態を思い出して、口元が緩んでくるのが解る。
 平素、凛としている柊一が自分の腕の中で乱れていく様は、なんとも言えない悦びだった。
 しかし、悶え狂いながら快感に傷つく柊一がとても痛ましくもあった。
 オフィスに戻ると、柊一は室内に誰かが入ってきた気配に気付いても振り向きさえしない。
 神巫が正面に回り込んでも、先程椅子に座らせた時と同じしどけない格好のままぼんやりとリノリウムの床を見つめている。

「このままじゃ気持ち悪いでしょう?」
「や…、後始末くらい自分で出来る!」

 汚れたままの内腿に熱いタオルをあてがうと、柊一はまるで飛び退くように抗い始めた。
 なにも考えずに振り回した手が、神巫の頬を引っ掻くように掠める。

「あ……っ!」

 思いも寄らずに相手を傷つけてしまった驚きに、柊一の動きが止まる。
 神巫はその手を取ると、筋張った甲に口唇を押し当てた。

「いいから、俺に任せて。汚れた柊一さんの、全部を俺に見せて…」

 瞳を覗き込んで微笑むと、柊一は目を伏せてしまったが先程のような抵抗は見せなくなる。
 とはいえその場所を明るい室内で神巫に見つめられる羞恥には堪えられないらしく、溢れた蜜と神巫の熱にまみれた場所に触れると全身がギクリと強張った。

「……いや…だ………見…るな…」
「いやらしいな柊一サン、また濡れてきた」

 顔を背けたままの柊一にそんな言葉を投げかけると、花弁が震えてトロリと新たな蜜が本当に溢れだしてくる。

「………も……や…めてくれ……」

 顔を覆おうとする柊一の両手を捕らえ、ビックリしたように上げられた顔の薄い口唇にそっとくちづけをした。

「時々、東雲サンを従属出来たらイイナとか、思うけど………。でも俺、身体のコトで思い悩む東雲サンがカワイイって思う以上に、東雲サンの仕事にも惚れちゃってるんですよね~」

 神巫を見上げている柊一の目は、戸惑いに揺れている。

「俺がもっと決断力に溢れたオトコマエだったら、きっと東雲サンをこんなに悩ませないと思うんですけど。スミマセン、力量不足で」
「バッ………カ…ッ! なに言って………」

 頬を赤らめて叱責する柊一の様子に、神巫は再び穏やかな微笑みを浮かべた。
 そして手早く柊一の身体を清めると、簡単に着衣の乱れを正す。

「じゃあ俺、ちゃちゃっと東雲サンのシゴトを見せて貰うんで、その間はそこで休んでて下さい」

 不満そうに上目遣いでこちらを見る柊一を無視して、神巫はとうの昔にオートでスリープに入っているコンピューターに向かったのだった。
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