『将棋騎士団と異界の戦局』

主人公・佐倉竜馬（さくらりょうま）は、高校生ながら将棋の奨励会に通う実力者。しかし、奨励会という舞台でもがく日々の中で、「果たして自分に本当に将棋を極める資格があるのか」と悩みを抱えていた。ある日、緊張の中で対局に挑んでいた彼は、ふと目の前の将棋盤が揺らめくのを感じた瞬間、視界が暗転。目を開けると、そこは異世界の荒涼とした大地だった。

その世界では、彼の将棋の駒たちが擬人化し、己の意志を持つ騎士団として彼の前に姿を現す。堂々たる王将、冷静沈着な銀将、天真爛漫な歩たち――それぞれが強い個性を持ち、竜馬の仲間として異界の戦場で共に戦い始める。異世界に放り込まれた竜馬にとって、彼らはかけがえのない仲間であり、そして戦場で彼を支える頼もしい存在となる。

異界で繰り広げられる戦いは、単純な力任せではない。将棋で培った戦略と知略が試され、駒たちを駆使した指揮が生死を分ける。竜馬は騎士団の指揮官として、駒たちと共に戦い抜く覚悟を決め、「王」ではなく「棋士」として異界での自分の道を見出していく。

将棋の盤上と異世界の戦場が重なり合い、竜馬と駒たちの物語が紡がれる。果たして彼は、この異界で真の「棋士」としての道を切り拓けるのか。知略と絆が交錯する異世界冒険ファンタジーが今、幕を開ける――。