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巨塊討伐編 第三章:セレナの役目、店主の役目
嵐、再来襲 3
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乱入者の暴行がブレイドの説得によりいったん収まるが、その直後の店主の行動が店内に再び殺伐とした雰囲気をもたらした。
自分の語り掛けで穏やかに事が収まると思っていたブレイドは固まっている。
「これだけ好き放題暴れて、疲れたから帰る? じゃあ元気が出たらまた暴れに来るってのか? ここはてめぇらの遊び場じゃねぇんだ! おい、四本腕の男!」
「お、俺の事かよ」
ブレイドは自分に指さす。
「他にいねぇだろうが! この辺で止めとけだぁ? 俺の店で勝手なこと抜かすんじゃねえ! ここは俺の店なんだよ! どいつもこいつも好き勝手しやがって!」
「てめ……」
スパアアアアアアアン!!
蹴られた男のすぐ前にいる男が店主に近寄ろうとするが、店主に機先を制されてハリセンの餌食。
「こいつでどんだけ引っぱたかれても痛くも何ともねぇだろうが! だがなぁ、俺はてめぇらに店に入られて痛ぇ思いしかしてねぇんだよ! だが出ていけとは言えねえわ。いくら言い聞かせたところで昨日の今日みてぇに、こうやってまたのこのこ顔出すだろうからなぁ!」
そう怒鳴った後、つんのめった男にもハリセンを一撃。
何がそこまで怒りに火をつけたのかは不明だが、ちょっとやそっとでは収まりそうにない店主はまさしく怒髪天を突く。誰がなだめても焼け石に水。
「もう来ねぇ、なんて言葉をどう信用するよ? 来るなと言い聞かせても無駄。こっちはこんなカスに付き合ってやるようなヒマあったら宝石の細工してぇし、ほんっっっとこいつら、俺の人生の邪魔してやがんなあ!」
ハリセンが届く範囲で誰彼構わず振り回す。
「斡旋所に報告しとくわ。そうすりゃ警告を受けることになる。それでひとまず騒動は終わるだろうよ。それでも狼藉を働きゃ冒険者の資格はく奪」
いつになく静かな口調で店主に話しかけるブレイド。
力づくで店主を抑えると、動かなくなった時にこの五人から袋叩き似合う隙を与えるかもしれない。
ならば理詰めで説明した方が安全と判断した。
「そっか。そうなると、まず懲罰を受けることになるのよね。年単位で恒久的に出される依頼を強制的に受けさせられる。その間は店のある場所、村や町への出入り禁止になるのよ。自給自足の生活を、魔物が住む地域でしなければならないってこと。その禁を破ったら通報されて犯罪者一直線。最悪、民間人の手で命を落とすこともあると」
「テンシュの言うことは分かる。だがそれが今んとこの精一杯の処置ということだ。これでその手を下してもらえないか? これ以上騒ぎが大きくなると、評判が下がるのはこの店だけじゃ済まされない。この町から冒険者ばかりじゃない。住民達も遠ざかる可能性もある」
リメリアとライヤーも店主へ説得にあたる。
「……俺とこの双子はその処置には関知しねぇぞ。こいつらがどんな処遇になろうとも、また来たらこうするだけだ」
『ホットライン』と店主のやり取りを無視する乱入者達。
「ハン! こんなとこもう知るか! おい、行くぞ」
リーダーらしき人物がそのまま店から出ようとする。
「行かせねぇ。『ホットライン』のリーダーとしてテンシュに宣言したんだからな。この口約束はどんな契約よりも重いんだよ。なぁに、今は警告受けるだけだ。今後大人しくしてりゃ普通に冒険者として生活できるさ。斡旋所に同行してもらおう」
彼らにブレイドが立ちはだかり、逃がすまいとその後ろで他のメンバーが立ちはだかる。
しかし店主には、乱入者の言葉で『ホットライン』の説得には彼らにとって大した効果はないと判断した。
「ってこたぁ、またここでなんかやらかす気か? 俺はここを守れるかどうかしか関心がねぇんだ。こいつらが死のうがどうなろうが知ったこっちゃねぇな」
その二人のやり取りを聞いて、ハリセンを持ち直す店主。
「……ちょっとあなたたち、何してんの? 何これ? それにテンシュ、その恰好……」
この悶着に首を突っ込んできたのは、店の外からやってきたオーナーのセレナだった。
「……入口にこんなに人がいたんじゃ入れないんだけど……」
『法具店アマミ』の入り口付近で店主が冒険者五人相手に一人で渡り合う。その騒動が収まるか再燃するかのタイミングでセレナが帰って来た。
店主は五人から視線を外さないままセレナに問いかける。
「調査の協力とかはどうした?」
「お昼にいったん帰って来るって言ったの忘れた? 昼時だからついでに調査員の人達も一緒にどうかなーって思ってたんだけど、一体何の騒ぎ?」
セレナの目に入った店主の姿は、ネクタイはねじれ、上着も右肩がずれ、全身は土埃にまみれている。
「飯なら余所で食え。今はそれどころじゃねぇ。夜中に店に来て火をつけようとする奴らをこうして……」
「なっ! 誰もそんなこと言ってねぇだろ!」
「ほほぅ、無言実行たぁ大した奴だ。で、今夜来るって話だったな」
呆れるブレイド。
「だからテンシュ、話ややこしくすんなって。……セレナ、この五人、店内でいきなり狼藉を働いたんで斡旋所に通報を兼ねて連行しようとしてたところだ」
「その後ろのお二人は調査員って言ったわよね? ってことは国の役員ってことよね? じゃあ話早いんじゃない? 私達も証言するから然るべきところに連行してもらいましょう」
リメリアの提案は誰もが納得できるもののはずだが
「だが断る」
思いもしない言葉が店主から出たことに全員が驚く。
「ここまできたら、もう当事者だけで解決できるようなこっちゃねぇだろ、テンシュ。こんなの作ってもらった恩もあるし、ここは俺らに任せろって」
「この店の保安に、貸しも借りも作る気はねぇな! 国の役員がしょっ引くっつんなら別に問題ねぇがよ。ここの責任者は俺だぜ? まぁその女が元々の責任者だがよ、この件の当事者は俺だ」
エンビーの説得も店主は聞き入れない。
あくまで当人同士で決着をつける。でないとこの五人はいつでも自由に仕事の邪魔に来る。
それが職人として許せない店主。
「確かにそうだ。だが冒険者はただ冒険者をやってるわけじゃない。資格が必要になるんだ。そのために養成所ってのがあるんだしな。つまり……」
「町の保安も守る役割もあるのよ。でも町中でそんなトラブルは滅多にないからその役割は忘れられがちになるけどね。だからこの件に関して『法具店アマミ』と私達『ホットライン』の間には貸し借りはないの。安心して、テンシュさん」
ブレイドに続いて『ホットライン』の他のメンバーも店主をなだめる。
以前にもそんな騒ぎがあったらしい。そのための対策も規則や規律の中に組み込まれているようで、再度騒動が起きるような穴はないらしい。
「なら勝手にしな。ところでお前ら……」
国の役員相手に抵抗するのは流石にまずいようで、すっかり観念している乱入者五人。その五人に声をかける店主
「……ったくこの二人のせいで! で、何の用だよ」
騒ぎの元になった昨日の乱入した二人を小突くリーダーと思しき者が、店主の呼びかけに反応する。
「いつ火をつけに来るんだ? 予告してくれると有り難いんだがな。こっちが正しいそっちが悪いって言う主義主張ってのはなかなか変わらないもんだ。逆恨みされる覚悟はできてるが、そっちは返り討ちにされる覚悟もしとけよ。……力じゃ勝負になりゃしねぇが、火事になったら煙の中に引きずり込んで地獄見せてやるぜ。俺も見たこたぁねぇ。一回でも見てみてぇって思わねぇか? 思うだろ? なあ」
セレナと双子、『ホットライン』は、またいつもの店主節かと頭を押さえる。だが五人はその言葉を本気に取ったようで、後ずさりながら調査員の方に近づく。
本気で殴り、蹴ろうとしても空振りばかりで全く当たらない。そんな相手からの話はというと、中身がまともではない。
大人しく警告を受けて、冒険者の規律に触れない生活を送った方がどれだけ安全か思い知ったのだろう。
「じゃあセレナさん。お昼の方はまた別の機会にして、こちらの手続き終わってからまた迎えに来ますので、調査の続きをよろしくお願いします。『ホットライン』さんと言いましたか、ご協力よろしく」
調査員はそれぞれに軽く会釈をして、その五人を拘束して連行。『ホットライン』の六人はそれに付き添って行った。
「テンシュ、着替えした方がよくない?」
調査員と『ホットライン』に付き添われて『法具店アマミ』を去る五人。
険しい顔つきで出入り口に立ち続けている店主を気遣うが、そんなセレナを無視してカウンターに向かう。
「テ、テンシュ……」
「大丈夫……?」
ウィーナとミールは店主を心配するが、その言葉も無視。
乱れた服装を正すこともせず、依頼のないときの作業である展示品の作製にかかった。
初めて『法具店アマミ』に入る客ならば、何も気にせず品物を見て回れると思われる。
しかし馴染みの客ならば、おそらくはいつもの雰囲気とは違うことに気付くだろう。
国中に災いをもたらすかもしれないと思われる魔物、巨塊。その討伐失敗に関する調査を新たな仕事としたセレナ。
この日はいったん中断し一旦店に戻ると、乱暴を働く五人組を相手に立ち回った後の店主が目に入った。
セレナと同行していた国から派遣されてきた調査員主導の元、関係者の『ホットライン』に付き添われて五人が連行された後の店内。
セレナは気を取り直して、普段の店主に戻りつつある彼と少し気が沈んでいるバイトの双子姉妹を、二階での昼食を誘う。
「気分じゃねぇな」
店主は一言そう言うと、依頼のないときの作業に入る。
自分の語り掛けで穏やかに事が収まると思っていたブレイドは固まっている。
「これだけ好き放題暴れて、疲れたから帰る? じゃあ元気が出たらまた暴れに来るってのか? ここはてめぇらの遊び場じゃねぇんだ! おい、四本腕の男!」
「お、俺の事かよ」
ブレイドは自分に指さす。
「他にいねぇだろうが! この辺で止めとけだぁ? 俺の店で勝手なこと抜かすんじゃねえ! ここは俺の店なんだよ! どいつもこいつも好き勝手しやがって!」
「てめ……」
スパアアアアアアアン!!
蹴られた男のすぐ前にいる男が店主に近寄ろうとするが、店主に機先を制されてハリセンの餌食。
「こいつでどんだけ引っぱたかれても痛くも何ともねぇだろうが! だがなぁ、俺はてめぇらに店に入られて痛ぇ思いしかしてねぇんだよ! だが出ていけとは言えねえわ。いくら言い聞かせたところで昨日の今日みてぇに、こうやってまたのこのこ顔出すだろうからなぁ!」
そう怒鳴った後、つんのめった男にもハリセンを一撃。
何がそこまで怒りに火をつけたのかは不明だが、ちょっとやそっとでは収まりそうにない店主はまさしく怒髪天を突く。誰がなだめても焼け石に水。
「もう来ねぇ、なんて言葉をどう信用するよ? 来るなと言い聞かせても無駄。こっちはこんなカスに付き合ってやるようなヒマあったら宝石の細工してぇし、ほんっっっとこいつら、俺の人生の邪魔してやがんなあ!」
ハリセンが届く範囲で誰彼構わず振り回す。
「斡旋所に報告しとくわ。そうすりゃ警告を受けることになる。それでひとまず騒動は終わるだろうよ。それでも狼藉を働きゃ冒険者の資格はく奪」
いつになく静かな口調で店主に話しかけるブレイド。
力づくで店主を抑えると、動かなくなった時にこの五人から袋叩き似合う隙を与えるかもしれない。
ならば理詰めで説明した方が安全と判断した。
「そっか。そうなると、まず懲罰を受けることになるのよね。年単位で恒久的に出される依頼を強制的に受けさせられる。その間は店のある場所、村や町への出入り禁止になるのよ。自給自足の生活を、魔物が住む地域でしなければならないってこと。その禁を破ったら通報されて犯罪者一直線。最悪、民間人の手で命を落とすこともあると」
「テンシュの言うことは分かる。だがそれが今んとこの精一杯の処置ということだ。これでその手を下してもらえないか? これ以上騒ぎが大きくなると、評判が下がるのはこの店だけじゃ済まされない。この町から冒険者ばかりじゃない。住民達も遠ざかる可能性もある」
リメリアとライヤーも店主へ説得にあたる。
「……俺とこの双子はその処置には関知しねぇぞ。こいつらがどんな処遇になろうとも、また来たらこうするだけだ」
『ホットライン』と店主のやり取りを無視する乱入者達。
「ハン! こんなとこもう知るか! おい、行くぞ」
リーダーらしき人物がそのまま店から出ようとする。
「行かせねぇ。『ホットライン』のリーダーとしてテンシュに宣言したんだからな。この口約束はどんな契約よりも重いんだよ。なぁに、今は警告受けるだけだ。今後大人しくしてりゃ普通に冒険者として生活できるさ。斡旋所に同行してもらおう」
彼らにブレイドが立ちはだかり、逃がすまいとその後ろで他のメンバーが立ちはだかる。
しかし店主には、乱入者の言葉で『ホットライン』の説得には彼らにとって大した効果はないと判断した。
「ってこたぁ、またここでなんかやらかす気か? 俺はここを守れるかどうかしか関心がねぇんだ。こいつらが死のうがどうなろうが知ったこっちゃねぇな」
その二人のやり取りを聞いて、ハリセンを持ち直す店主。
「……ちょっとあなたたち、何してんの? 何これ? それにテンシュ、その恰好……」
この悶着に首を突っ込んできたのは、店の外からやってきたオーナーのセレナだった。
「……入口にこんなに人がいたんじゃ入れないんだけど……」
『法具店アマミ』の入り口付近で店主が冒険者五人相手に一人で渡り合う。その騒動が収まるか再燃するかのタイミングでセレナが帰って来た。
店主は五人から視線を外さないままセレナに問いかける。
「調査の協力とかはどうした?」
「お昼にいったん帰って来るって言ったの忘れた? 昼時だからついでに調査員の人達も一緒にどうかなーって思ってたんだけど、一体何の騒ぎ?」
セレナの目に入った店主の姿は、ネクタイはねじれ、上着も右肩がずれ、全身は土埃にまみれている。
「飯なら余所で食え。今はそれどころじゃねぇ。夜中に店に来て火をつけようとする奴らをこうして……」
「なっ! 誰もそんなこと言ってねぇだろ!」
「ほほぅ、無言実行たぁ大した奴だ。で、今夜来るって話だったな」
呆れるブレイド。
「だからテンシュ、話ややこしくすんなって。……セレナ、この五人、店内でいきなり狼藉を働いたんで斡旋所に通報を兼ねて連行しようとしてたところだ」
「その後ろのお二人は調査員って言ったわよね? ってことは国の役員ってことよね? じゃあ話早いんじゃない? 私達も証言するから然るべきところに連行してもらいましょう」
リメリアの提案は誰もが納得できるもののはずだが
「だが断る」
思いもしない言葉が店主から出たことに全員が驚く。
「ここまできたら、もう当事者だけで解決できるようなこっちゃねぇだろ、テンシュ。こんなの作ってもらった恩もあるし、ここは俺らに任せろって」
「この店の保安に、貸しも借りも作る気はねぇな! 国の役員がしょっ引くっつんなら別に問題ねぇがよ。ここの責任者は俺だぜ? まぁその女が元々の責任者だがよ、この件の当事者は俺だ」
エンビーの説得も店主は聞き入れない。
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「確かにそうだ。だが冒険者はただ冒険者をやってるわけじゃない。資格が必要になるんだ。そのために養成所ってのがあるんだしな。つまり……」
「町の保安も守る役割もあるのよ。でも町中でそんなトラブルは滅多にないからその役割は忘れられがちになるけどね。だからこの件に関して『法具店アマミ』と私達『ホットライン』の間には貸し借りはないの。安心して、テンシュさん」
ブレイドに続いて『ホットライン』の他のメンバーも店主をなだめる。
以前にもそんな騒ぎがあったらしい。そのための対策も規則や規律の中に組み込まれているようで、再度騒動が起きるような穴はないらしい。
「なら勝手にしな。ところでお前ら……」
国の役員相手に抵抗するのは流石にまずいようで、すっかり観念している乱入者五人。その五人に声をかける店主
「……ったくこの二人のせいで! で、何の用だよ」
騒ぎの元になった昨日の乱入した二人を小突くリーダーと思しき者が、店主の呼びかけに反応する。
「いつ火をつけに来るんだ? 予告してくれると有り難いんだがな。こっちが正しいそっちが悪いって言う主義主張ってのはなかなか変わらないもんだ。逆恨みされる覚悟はできてるが、そっちは返り討ちにされる覚悟もしとけよ。……力じゃ勝負になりゃしねぇが、火事になったら煙の中に引きずり込んで地獄見せてやるぜ。俺も見たこたぁねぇ。一回でも見てみてぇって思わねぇか? 思うだろ? なあ」
セレナと双子、『ホットライン』は、またいつもの店主節かと頭を押さえる。だが五人はその言葉を本気に取ったようで、後ずさりながら調査員の方に近づく。
本気で殴り、蹴ろうとしても空振りばかりで全く当たらない。そんな相手からの話はというと、中身がまともではない。
大人しく警告を受けて、冒険者の規律に触れない生活を送った方がどれだけ安全か思い知ったのだろう。
「じゃあセレナさん。お昼の方はまた別の機会にして、こちらの手続き終わってからまた迎えに来ますので、調査の続きをよろしくお願いします。『ホットライン』さんと言いましたか、ご協力よろしく」
調査員はそれぞれに軽く会釈をして、その五人を拘束して連行。『ホットライン』の六人はそれに付き添って行った。
「テンシュ、着替えした方がよくない?」
調査員と『ホットライン』に付き添われて『法具店アマミ』を去る五人。
険しい顔つきで出入り口に立ち続けている店主を気遣うが、そんなセレナを無視してカウンターに向かう。
「テ、テンシュ……」
「大丈夫……?」
ウィーナとミールは店主を心配するが、その言葉も無視。
乱れた服装を正すこともせず、依頼のないときの作業である展示品の作製にかかった。
初めて『法具店アマミ』に入る客ならば、何も気にせず品物を見て回れると思われる。
しかし馴染みの客ならば、おそらくはいつもの雰囲気とは違うことに気付くだろう。
国中に災いをもたらすかもしれないと思われる魔物、巨塊。その討伐失敗に関する調査を新たな仕事としたセレナ。
この日はいったん中断し一旦店に戻ると、乱暴を働く五人組を相手に立ち回った後の店主が目に入った。
セレナと同行していた国から派遣されてきた調査員主導の元、関係者の『ホットライン』に付き添われて五人が連行された後の店内。
セレナは気を取り直して、普段の店主に戻りつつある彼と少し気が沈んでいるバイトの双子姉妹を、二階での昼食を誘う。
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