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新、非勇者編
俺達のスローライフはこれからだっ
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それから約三か月経った。
地面を覆い、全ての樹木の枝葉にもかかっていた雪はすべて消え、また白黒以外の綺麗な様々な色が周りの景色に彩られている。
この時期なら毎年似たような景色は、今回は特別晴れやかな気分で見ていられた。
いつどこで起きるか分からない魔物の泉現象、魔物の雪崩現象は完全に停止され、二度と起きることはない、と国王が全国土に向けて宣言されたからだ。
しかし、国王ってのがシアンじゃなくて、その親父になったってのは……。
まぁちょっとは驚いたが、さもありなんってとこだな。
シアンってば、理想を現実にする追求者というか、求道者というか。
ファンタジックに言えば、夢を追い求める人道主義青年って感じがする。
いいことはいい、悪いことは悪い、の区別をしっかりしながらも、でも何でもその型にはめるってわけでもない。
それはいいことはいいんだが、外交にもその主義主張を押し通せるのかどうか。
片や親父の方は、多分外交の手腕は結構評価できそうな気はする。
がない制覇というと、国民を抑圧し気味か。
だが放浪生活時代には、国民が悪政によって苦しめられているという様子は全く見なかった。
それなりに平和な世の中だったってことだ。
そこにシアンはクーデターを起こす。
しかし、元国王は再び国王の座に復帰。
ただ戻ってきたわけではなく、正式に自分の後継者にシアンを指名したようだから、家庭内の問題は円満に解決できたってことだな。
おまけに、来年シアンとあのお嬢様が、国を挙げての結婚式を挙げるってんだから、言うことなし。
招待状は俺達にも届いた。
もちろん俺達は満場一致で欠席。
現象が二度と起きないわけだから、俺らも平凡な一国民として生活するのが何より。
ところで、元国王夫婦との会話が終わった後のことなんだが……。
※※※※※ ※※※※※
まずは城門の外で奮戦していたマッキー、モーナー、クリマーと合流。
三人の前には、とにかく骨、骨、骨。
骨の山があちこちにできていた。
「マッキーがあ、親玉をお、打ち取ったみたいでえ」
とモーナーからの報告を聞いて耳を疑った。
そんな力がどこにあったのか。
気配すら感じ取れない秘密の力を、マッキーは今まで隠し持ってたのか。
「んー、テヘ」
テヘ、じゃねーよ。
だがこの骸骨の一団が無力化したってことは……。
「キャッ!」
「うおう!」
「ミッ!」
突然目の前の地面が盛り上がった。
かと思ったら、そこから顔を出したのはンーゴ。
「ミンナ、オマタセ」
そしてンーゴの腹から出てきたのは、コーティとミアーノ。
「……お嬢様方はどうした?」
「オイテキタ」
おい。
「いやー、ずっとンーゴの腹ン中にいるの、やんだっつーからよお」
「大勢いたスケルトン達が一気に消えちゃってね」
「ワナかと思ったんだがよお、まるでなぁんもない自然に元通りってな感じでよお」
「コッチハアイツラニハテキイナイケド、ムリシテマデマモルキモナイカラ。アラタタチモシンパイダッタシ」
「ンーゴの体ン中、汚らしいとか言うぐれぇだ。快適なとこを長い時間かけて歩く方がよほど楽なんやろうよ」
あいつらは非常事態でもあいつらだった。
まぁでも、その筋を通す強さは見習うべきだよな、うん。
「それで、その後のあのお嬢さんたちは?」
「知らね」
一言で終わった。
こっちはこっちでみんなに事の成り行きを説明した。
「やることできたってこと? てことは、もう安心?」
コーティも結論を急ぐやつだな。
「安心っつーより、心配はないってとこかな。あの分じゃ、本格的に黒幕どもを討伐してくれると思うぞ」
「んじゃ、もう帰ってもいいんじゃない?」
ついさっきまで命を危険にさらしてきたというのに、みんなケロッとしている。
あんな修羅場、俺と出会うまで何度も遭遇してきたんだろうかねぇ。
かくいう俺も、あんなヤバい気配をまき散らす連中が付近にいないってことは……断定はできないが、まぁ安心って感じがする。
「そう言えば、町の様子はどうだったんだろう?」
ヤバい連中と元国王たちを相手にしてきたんだ。
町の様子を伺うなんて余裕はあるはずがなかった。
「人の気配はあるっぽいけど、非常事態みたいな感じだから、みんな家に籠ってんじゃない?」
この骸骨の山、全部周囲の町に住む人の物だったら、実におぞましい……いや、誰の骨でもおぞましいことには違いないが、ついさっきまで普通に生活していた人間の骨って訳ではなさそうだから、ちょっとは安心。
「ってことは、あの骸骨たちとその親玉は、ここに目がけて一直線ってことかしらね?」
国民を支配するとかよりも、王家王族への怨みのみ。
如何に晴らして、こっちがいい気分になれるか、しか考えてなかったんだろうな。
まぁ今回の件で国民の命に別状はなく、健康被害もないとなりゃ、いろいろ考えられる結果の可能性の中じゃ上々だろ。
俺らに対しては、おそらくは何のペナルティもないはず。
功労に対する報酬を求めるつもりもないしな。
……門の外の地面に、どでかく長いトンネル作っちゃったけど。
ま、埋めつつ村に戻れるなら、お咎めなしと見ていいんじゃねぇか?
後は野となれ山となれ。
平穏な生活ができるように動いてくれりゃ、言うことなし。
※※※※※ ※※※※※
ってな結果、現象は当然起きることはなくなった。
だが、普通の魔物は相変わらず不定期で発生する。
それでも平穏な生活が続いていると言い切れるのは、俺の店におにぎりを買いに来る客、そのほとんどが冒険者だが、彼らだけの戦力でも殲滅できるから。
そして魔物らが落とすアイテムに、結構高値で売れるものがあるらしい。
で、彼らがここに来る理由はそればかりではなく……。
「集団戦の申し込み、受け付けてますか?」
「おい、割り込むなよ」
「順番待ちで日にちかかるが、受け付けてくれるから安心して列の後ろに並べ」
仲間らの人気は、いろんな意味で相変わらずだ。
ただ、一緒に遊びたいって子供らからは不満続出。
もう少し大きくなって冒険者になれたなら、きっと遊んでもらえるぞ。
楽しいかどうかは別として、な。
地面を覆い、全ての樹木の枝葉にもかかっていた雪はすべて消え、また白黒以外の綺麗な様々な色が周りの景色に彩られている。
この時期なら毎年似たような景色は、今回は特別晴れやかな気分で見ていられた。
いつどこで起きるか分からない魔物の泉現象、魔物の雪崩現象は完全に停止され、二度と起きることはない、と国王が全国土に向けて宣言されたからだ。
しかし、国王ってのがシアンじゃなくて、その親父になったってのは……。
まぁちょっとは驚いたが、さもありなんってとこだな。
シアンってば、理想を現実にする追求者というか、求道者というか。
ファンタジックに言えば、夢を追い求める人道主義青年って感じがする。
いいことはいい、悪いことは悪い、の区別をしっかりしながらも、でも何でもその型にはめるってわけでもない。
それはいいことはいいんだが、外交にもその主義主張を押し通せるのかどうか。
片や親父の方は、多分外交の手腕は結構評価できそうな気はする。
がない制覇というと、国民を抑圧し気味か。
だが放浪生活時代には、国民が悪政によって苦しめられているという様子は全く見なかった。
それなりに平和な世の中だったってことだ。
そこにシアンはクーデターを起こす。
しかし、元国王は再び国王の座に復帰。
ただ戻ってきたわけではなく、正式に自分の後継者にシアンを指名したようだから、家庭内の問題は円満に解決できたってことだな。
おまけに、来年シアンとあのお嬢様が、国を挙げての結婚式を挙げるってんだから、言うことなし。
招待状は俺達にも届いた。
もちろん俺達は満場一致で欠席。
現象が二度と起きないわけだから、俺らも平凡な一国民として生活するのが何より。
ところで、元国王夫婦との会話が終わった後のことなんだが……。
※※※※※ ※※※※※
まずは城門の外で奮戦していたマッキー、モーナー、クリマーと合流。
三人の前には、とにかく骨、骨、骨。
骨の山があちこちにできていた。
「マッキーがあ、親玉をお、打ち取ったみたいでえ」
とモーナーからの報告を聞いて耳を疑った。
そんな力がどこにあったのか。
気配すら感じ取れない秘密の力を、マッキーは今まで隠し持ってたのか。
「んー、テヘ」
テヘ、じゃねーよ。
だがこの骸骨の一団が無力化したってことは……。
「キャッ!」
「うおう!」
「ミッ!」
突然目の前の地面が盛り上がった。
かと思ったら、そこから顔を出したのはンーゴ。
「ミンナ、オマタセ」
そしてンーゴの腹から出てきたのは、コーティとミアーノ。
「……お嬢様方はどうした?」
「オイテキタ」
おい。
「いやー、ずっとンーゴの腹ン中にいるの、やんだっつーからよお」
「大勢いたスケルトン達が一気に消えちゃってね」
「ワナかと思ったんだがよお、まるでなぁんもない自然に元通りってな感じでよお」
「コッチハアイツラニハテキイナイケド、ムリシテマデマモルキモナイカラ。アラタタチモシンパイダッタシ」
「ンーゴの体ン中、汚らしいとか言うぐれぇだ。快適なとこを長い時間かけて歩く方がよほど楽なんやろうよ」
あいつらは非常事態でもあいつらだった。
まぁでも、その筋を通す強さは見習うべきだよな、うん。
「それで、その後のあのお嬢さんたちは?」
「知らね」
一言で終わった。
こっちはこっちでみんなに事の成り行きを説明した。
「やることできたってこと? てことは、もう安心?」
コーティも結論を急ぐやつだな。
「安心っつーより、心配はないってとこかな。あの分じゃ、本格的に黒幕どもを討伐してくれると思うぞ」
「んじゃ、もう帰ってもいいんじゃない?」
ついさっきまで命を危険にさらしてきたというのに、みんなケロッとしている。
あんな修羅場、俺と出会うまで何度も遭遇してきたんだろうかねぇ。
かくいう俺も、あんなヤバい気配をまき散らす連中が付近にいないってことは……断定はできないが、まぁ安心って感じがする。
「そう言えば、町の様子はどうだったんだろう?」
ヤバい連中と元国王たちを相手にしてきたんだ。
町の様子を伺うなんて余裕はあるはずがなかった。
「人の気配はあるっぽいけど、非常事態みたいな感じだから、みんな家に籠ってんじゃない?」
この骸骨の山、全部周囲の町に住む人の物だったら、実におぞましい……いや、誰の骨でもおぞましいことには違いないが、ついさっきまで普通に生活していた人間の骨って訳ではなさそうだから、ちょっとは安心。
「ってことは、あの骸骨たちとその親玉は、ここに目がけて一直線ってことかしらね?」
国民を支配するとかよりも、王家王族への怨みのみ。
如何に晴らして、こっちがいい気分になれるか、しか考えてなかったんだろうな。
まぁ今回の件で国民の命に別状はなく、健康被害もないとなりゃ、いろいろ考えられる結果の可能性の中じゃ上々だろ。
俺らに対しては、おそらくは何のペナルティもないはず。
功労に対する報酬を求めるつもりもないしな。
……門の外の地面に、どでかく長いトンネル作っちゃったけど。
ま、埋めつつ村に戻れるなら、お咎めなしと見ていいんじゃねぇか?
後は野となれ山となれ。
平穏な生活ができるように動いてくれりゃ、言うことなし。
※※※※※ ※※※※※
ってな結果、現象は当然起きることはなくなった。
だが、普通の魔物は相変わらず不定期で発生する。
それでも平穏な生活が続いていると言い切れるのは、俺の店におにぎりを買いに来る客、そのほとんどが冒険者だが、彼らだけの戦力でも殲滅できるから。
そして魔物らが落とすアイテムに、結構高値で売れるものがあるらしい。
で、彼らがここに来る理由はそればかりではなく……。
「集団戦の申し込み、受け付けてますか?」
「おい、割り込むなよ」
「順番待ちで日にちかかるが、受け付けてくれるから安心して列の後ろに並べ」
仲間らの人気は、いろんな意味で相変わらずだ。
ただ、一緒に遊びたいって子供らからは不満続出。
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