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三回忌のあとで
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三回忌の翌日。
しかも早朝。
仕事がないから問題ないのだが、来る前に連絡は寄こしてほしかった。
「ごめんね、磯田君。やっぱり昨日の美香のことが気になって」
「今日は予定の仕事は何もないからいいけども」
帰る前にうちに立ち寄ったらしい。
「で、なんの用よ」
「美香のことに決まってるでしょう?」
そりゃ分かってますけども?
「改めて落ち着いて考えると、だんだん若返る現象が起きてる、というのは分かった。けど、俺にはどうしようもないんだが?」
美香がどうなればいいのか、というのが全く見当もつかず。
成仏してほしいって思いはあるが、そのためにどんな現象が起きてほしいのかさっぱり分からない。
「でも、多分、年が遡ると、記憶もなくしちゃうこともあるんじゃない? 磯田君は美香とは高校三年の時だけ同級だったのよね?」
「あぁ。それが?」
察しが悪いわね。
なんて声が聞こえてきそうな表情に変わった。
悪かったな。鈍くて。
「小学校、中学校は別だったんでしょ? つまり、磯田君と出会う前だから、当然名前は知らない。名前が呼ばれなくなったのもそう言うことなんじゃないの?」
「……で?」
「で? って……。悲しくないの?」
「何で?」
「……ほんとにそう思ってる?」
ホントも何も。
枕経の依頼を受けたとき、その名前を聞いてもピンとこなかった。
彼女の話を聞くまで、同級生だったってことも分からなかった。
そんな人から名前を呼ばれなくなっても、悲しいとか切ないとか、思うはずもなし。
ちょっとだけ寂しくは感じたけども。
「池田さん、俺を過大評価してないか? 霊感ゼロの僧侶だぜ? 美香さんを見れたのはたまたまだろ。他の幽霊はみたことないんだし。大体この境内のお墓全てに幽霊が浮かんでたら、寺の信頼問題に関わるだろ」
笑いを取れたネタの一つだが、池田相手には滑ってしまった。
冷たい視線を食らっている。
「磯田君……あなたね……」
「池田さんと一緒にしないでくれる? 美香さんが見えたって、除霊とか浄化とかできないんだよ。池田さんのコッチ関係の仕事はどんなことをしてるか分かんないけど、滝行とかしてきたんだろ? 俺がこの資格を得るために受けた修行は、ほとんど座学だよ。資格を有している一般人で、池田さんみたいな特別な力はもってないの。なのに、なぜか美香さんを見ることができて、なぜか美香さんと会話ができる。けどそれだけしかできないの」
「……ごめん」
どんだけ俺を過大評価してるんだ。
ヒートアップしすぎだ。
落ち着け。
「でもよ、俺の名前を忘れたって、それがどうした? ってなもんでな」
「磯田君……」
「だってそうだろ? 昨日なんか、俺の名前が全然でないのに、始終ニコニコしてたじゃねぇか。で、それなりに会話もできてたんだぞ?」
「あ……」
それこそ、池田が俺と再会した時に、美香が悪霊にならないかと心配してたことだ。
いくら呼びかけても話しかけても聞いてくれそうにないことが分かったり、自分がいることをアピールしても無視され続けたりしたらそうなるかもしれない、と。
例え名前を忘れられても、会話を続けられてる仲だ。
名前を忘れても、幽霊になってからは俺と会話している間柄だってことは覚えてる。
それさえも忘れられてたら、ニコニコどころか、俺に警戒心を持って距離を取ろうとするだろうからな。
「あいつが俺に話しかけてくるんなら、できる間は相手してやるつもりだ。けど、俺に何かの期待をしてるお前には悪いが、美香のためってつもりは毛頭ない。美香じゃなくても、不安そうに話しかけてくるなら、その不安がなるべくなくなるように話し相手になるつもりだからな」
その相手を続けた結果がどうなろうとも、だ。
だって、友達がいないと……やっぱな。
「ううん。それでいいと思う。無理して仲良くするのはちょっと違うと思うから。急に親しくなると、逆に磯田君に執着して成仏しづらくなるかもしれないしね」
おっとそいつはご勘弁。
人はいつかは死ぬだろうが、もう少しこの世で楽しい思いをしていたい。
大ヒット間違いなしのゲームの発売予定日が決まったんだ。
とりあえず、そのゲームに飽きるまではな。
「……そろそろ電車の時間ね。邪魔しちゃったわね。相手してくれてありがと。何かあったらすぐ連絡ちょうだい」
「了解。見送りはここで我慢してくれ。何事もなきゃ、また来月お会いしましょう、ってとこかな」
「うん。じゃ、またね」
美香の奴は、いい友人を持ったものだ。
なんでこいつと会話できないんだろうな。
※※※※※ ※※※※※
結局池田の心配は杞憂に終わった。
三島家からの連絡は、月命日の供養は七回忌まで続けてもらう要望だった。
そしてその一か月後。
美香はもう俺の名前を呼ばなくなった。
が、いつも無邪気な満面の笑顔を向けてくれる。
しかし、今までよりも遠い距離感。
今までが近すぎた、と思う。
俺には、今の距離感の方が最適な気がする。
見慣れた姿が見慣れない姿に変わってきているから。
確かに高校生くらいの風貌が、中学生っぽくなっている。
なぜか髪の毛の長さはそのままだが。
しかし、この日の法要が終わって母親に挨拶をした時、その後ろで肩もみをする美香の顔が曇った。
「そういえば和尚さん、お菓子よりお漬物の方が好みっぽいですね」
「あ、まぁ、そうですね」
(……あの……和尚さん)
(どうしたの? 美香さん)
(お母さんの体の具合、何かおかしいみたい)
(どうして?)
美香の会話の相手は、そんな風になっても俺一人しかいないのはそのままらしい。
だから、母親がそんなことを呟いたとしても聞き取れるはずがない。
(肩もみしてるけど、なんかこう……感触がちょっと違うから)
(……そっか……)
こんな返事以外しようがない。
疑ったってしょうがないし、いきなり母親に、体調の様子を聞くってのも突然すぎる。
丁度母親は漬物を取りに台所に向かって、ここにはいない。
ならば。
「何か、美香さんのお母さん、ちょっと痩せたかな?」
集まっている同期達に、わざとらしく声をかける。
「え? そうか?」
「ちょっと頬はこけたかも」
「雪かきは一人でやったって話はしてたけど」
「今から何か月前の話だよ、それ」
俺が期待する話題が出てこない。
俺が水を向けてもいいんだが、なるべく避けた方がいい、はずだ。
「市の定期健診とか行ってるのかな?」
池田、ナイスっ。
「三回忌も終わって、気が抜けて……なんてこと、あるかもしれないよね」
「そうだよなぁ……。あ、おばさん」
「お待たせ……っと。なあに? どうしたの?」
「ちょっとやつれてるように見えたから、体、大丈夫かなって」
「確か息子さんいましたよね。同居しないんですか?」
俺には、彼女がやつれてるかどうかまでの見分けはつかなかった。
だからこそ、健康の話をするには、ちょっと根拠不足。
助け舟を出してらった気分で、実にありがたかった。
「えー? まぁ最近はちょっと疲れ気味かなぁ」
「定期検診は受けた?」
「もちろん。受けたけど、異常はなかったわよ?」
「でも市だからなぁ。かかりつけの病院で診てもらった方がいいよ」
ただの菩提寺と檀家という関係だけなら、ここまで突っ込んだ話は難しい。
檀家でも、それなりに親しい関係じゃないと。
「あ、そろそろ血圧の薬貰いに行かなきゃならないから、ついでに診てもらおうかな? 美香の供養も続けないといけないし、祐樹の世話にならないようにがんばらないとだしねー」
長男も東京で仕事をして、確か家庭を持ってたはずだ。
「お兄さんと同居しないの?」
「無理無理。お嫁さんが気を遣っちゃうでしょ」
気丈な人だ、と思う。
が、今どきのこのくらいの年代の人は、同じように思う人が多いように思える。
「じゃあ元気だということが確認できてから、来月の月命日の連絡、くださいね」
何とかうまく話をまとめられた。
(美香さん、近々病院に診察受ける予定みたいだよ。だから、いきなり倒れることはないと思うよ?)
(ほんと? 和尚さん、ありがとう)
口調が子供っぽい。
ひょっとしたら幼児化までいっちゃうのかな……。
けど、この事態は俺の立場ではずっと見守るほかはない。
池田は心配そうに母親を見て、美香を見る。
今にも親を失う子供を見るように。
しかも早朝。
仕事がないから問題ないのだが、来る前に連絡は寄こしてほしかった。
「ごめんね、磯田君。やっぱり昨日の美香のことが気になって」
「今日は予定の仕事は何もないからいいけども」
帰る前にうちに立ち寄ったらしい。
「で、なんの用よ」
「美香のことに決まってるでしょう?」
そりゃ分かってますけども?
「改めて落ち着いて考えると、だんだん若返る現象が起きてる、というのは分かった。けど、俺にはどうしようもないんだが?」
美香がどうなればいいのか、というのが全く見当もつかず。
成仏してほしいって思いはあるが、そのためにどんな現象が起きてほしいのかさっぱり分からない。
「でも、多分、年が遡ると、記憶もなくしちゃうこともあるんじゃない? 磯田君は美香とは高校三年の時だけ同級だったのよね?」
「あぁ。それが?」
察しが悪いわね。
なんて声が聞こえてきそうな表情に変わった。
悪かったな。鈍くて。
「小学校、中学校は別だったんでしょ? つまり、磯田君と出会う前だから、当然名前は知らない。名前が呼ばれなくなったのもそう言うことなんじゃないの?」
「……で?」
「で? って……。悲しくないの?」
「何で?」
「……ほんとにそう思ってる?」
ホントも何も。
枕経の依頼を受けたとき、その名前を聞いてもピンとこなかった。
彼女の話を聞くまで、同級生だったってことも分からなかった。
そんな人から名前を呼ばれなくなっても、悲しいとか切ないとか、思うはずもなし。
ちょっとだけ寂しくは感じたけども。
「池田さん、俺を過大評価してないか? 霊感ゼロの僧侶だぜ? 美香さんを見れたのはたまたまだろ。他の幽霊はみたことないんだし。大体この境内のお墓全てに幽霊が浮かんでたら、寺の信頼問題に関わるだろ」
笑いを取れたネタの一つだが、池田相手には滑ってしまった。
冷たい視線を食らっている。
「磯田君……あなたね……」
「池田さんと一緒にしないでくれる? 美香さんが見えたって、除霊とか浄化とかできないんだよ。池田さんのコッチ関係の仕事はどんなことをしてるか分かんないけど、滝行とかしてきたんだろ? 俺がこの資格を得るために受けた修行は、ほとんど座学だよ。資格を有している一般人で、池田さんみたいな特別な力はもってないの。なのに、なぜか美香さんを見ることができて、なぜか美香さんと会話ができる。けどそれだけしかできないの」
「……ごめん」
どんだけ俺を過大評価してるんだ。
ヒートアップしすぎだ。
落ち着け。
「でもよ、俺の名前を忘れたって、それがどうした? ってなもんでな」
「磯田君……」
「だってそうだろ? 昨日なんか、俺の名前が全然でないのに、始終ニコニコしてたじゃねぇか。で、それなりに会話もできてたんだぞ?」
「あ……」
それこそ、池田が俺と再会した時に、美香が悪霊にならないかと心配してたことだ。
いくら呼びかけても話しかけても聞いてくれそうにないことが分かったり、自分がいることをアピールしても無視され続けたりしたらそうなるかもしれない、と。
例え名前を忘れられても、会話を続けられてる仲だ。
名前を忘れても、幽霊になってからは俺と会話している間柄だってことは覚えてる。
それさえも忘れられてたら、ニコニコどころか、俺に警戒心を持って距離を取ろうとするだろうからな。
「あいつが俺に話しかけてくるんなら、できる間は相手してやるつもりだ。けど、俺に何かの期待をしてるお前には悪いが、美香のためってつもりは毛頭ない。美香じゃなくても、不安そうに話しかけてくるなら、その不安がなるべくなくなるように話し相手になるつもりだからな」
その相手を続けた結果がどうなろうとも、だ。
だって、友達がいないと……やっぱな。
「ううん。それでいいと思う。無理して仲良くするのはちょっと違うと思うから。急に親しくなると、逆に磯田君に執着して成仏しづらくなるかもしれないしね」
おっとそいつはご勘弁。
人はいつかは死ぬだろうが、もう少しこの世で楽しい思いをしていたい。
大ヒット間違いなしのゲームの発売予定日が決まったんだ。
とりあえず、そのゲームに飽きるまではな。
「……そろそろ電車の時間ね。邪魔しちゃったわね。相手してくれてありがと。何かあったらすぐ連絡ちょうだい」
「了解。見送りはここで我慢してくれ。何事もなきゃ、また来月お会いしましょう、ってとこかな」
「うん。じゃ、またね」
美香の奴は、いい友人を持ったものだ。
なんでこいつと会話できないんだろうな。
※※※※※ ※※※※※
結局池田の心配は杞憂に終わった。
三島家からの連絡は、月命日の供養は七回忌まで続けてもらう要望だった。
そしてその一か月後。
美香はもう俺の名前を呼ばなくなった。
が、いつも無邪気な満面の笑顔を向けてくれる。
しかし、今までよりも遠い距離感。
今までが近すぎた、と思う。
俺には、今の距離感の方が最適な気がする。
見慣れた姿が見慣れない姿に変わってきているから。
確かに高校生くらいの風貌が、中学生っぽくなっている。
なぜか髪の毛の長さはそのままだが。
しかし、この日の法要が終わって母親に挨拶をした時、その後ろで肩もみをする美香の顔が曇った。
「そういえば和尚さん、お菓子よりお漬物の方が好みっぽいですね」
「あ、まぁ、そうですね」
(……あの……和尚さん)
(どうしたの? 美香さん)
(お母さんの体の具合、何かおかしいみたい)
(どうして?)
美香の会話の相手は、そんな風になっても俺一人しかいないのはそのままらしい。
だから、母親がそんなことを呟いたとしても聞き取れるはずがない。
(肩もみしてるけど、なんかこう……感触がちょっと違うから)
(……そっか……)
こんな返事以外しようがない。
疑ったってしょうがないし、いきなり母親に、体調の様子を聞くってのも突然すぎる。
丁度母親は漬物を取りに台所に向かって、ここにはいない。
ならば。
「何か、美香さんのお母さん、ちょっと痩せたかな?」
集まっている同期達に、わざとらしく声をかける。
「え? そうか?」
「ちょっと頬はこけたかも」
「雪かきは一人でやったって話はしてたけど」
「今から何か月前の話だよ、それ」
俺が期待する話題が出てこない。
俺が水を向けてもいいんだが、なるべく避けた方がいい、はずだ。
「市の定期健診とか行ってるのかな?」
池田、ナイスっ。
「三回忌も終わって、気が抜けて……なんてこと、あるかもしれないよね」
「そうだよなぁ……。あ、おばさん」
「お待たせ……っと。なあに? どうしたの?」
「ちょっとやつれてるように見えたから、体、大丈夫かなって」
「確か息子さんいましたよね。同居しないんですか?」
俺には、彼女がやつれてるかどうかまでの見分けはつかなかった。
だからこそ、健康の話をするには、ちょっと根拠不足。
助け舟を出してらった気分で、実にありがたかった。
「えー? まぁ最近はちょっと疲れ気味かなぁ」
「定期検診は受けた?」
「もちろん。受けたけど、異常はなかったわよ?」
「でも市だからなぁ。かかりつけの病院で診てもらった方がいいよ」
ただの菩提寺と檀家という関係だけなら、ここまで突っ込んだ話は難しい。
檀家でも、それなりに親しい関係じゃないと。
「あ、そろそろ血圧の薬貰いに行かなきゃならないから、ついでに診てもらおうかな? 美香の供養も続けないといけないし、祐樹の世話にならないようにがんばらないとだしねー」
長男も東京で仕事をして、確か家庭を持ってたはずだ。
「お兄さんと同居しないの?」
「無理無理。お嫁さんが気を遣っちゃうでしょ」
気丈な人だ、と思う。
が、今どきのこのくらいの年代の人は、同じように思う人が多いように思える。
「じゃあ元気だということが確認できてから、来月の月命日の連絡、くださいね」
何とかうまく話をまとめられた。
(美香さん、近々病院に診察受ける予定みたいだよ。だから、いきなり倒れることはないと思うよ?)
(ほんと? 和尚さん、ありがとう)
口調が子供っぽい。
ひょっとしたら幼児化までいっちゃうのかな……。
けど、この事態は俺の立場ではずっと見守るほかはない。
池田は心配そうに母親を見て、美香を見る。
今にも親を失う子供を見るように。
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