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しおりを挟むアンをベットに下ろして布団をかける。
「ありがと。」
ベッドに寝かせてやると、柔らかい表情で俺に微笑みかけてくる。
俺は、照れ臭くて笑みを返すことができず表情を変えずに風呂にお湯を溜めに行く。
10分ほど立った。
その間、俺はタバコを吸ったりスマホでゲームしたりして気を紛らわせていた。
そうでもしなければ、俺はアンを襲ってしまう気がした。
全裸で拘束台に縛られていたアンの姿を思い出し、興奮するからだ。
今思えばきっと、前の客にそのままに縛り付けられてそのまま帰られたのだろう。
一体、どのくらい拘束台の上にいたのだろうか?
早く拘束具を外してやればよかった…
俺はなんて酷いやつだ…
さまざまな考えが頭をよぎる中、自分も全裸になりアンを抱きあげて風呂に入る。
アンごと自分もバスタブに入る。
アンの背面から抱きつくような形になった。後ろからお腹の方へ腕を回す。アンのことを後ろから、ぎゅーっと抱きしめた。
すると、アンも抱きしめている俺の手を両腕で包んで抱きしめるような格好になった。
「痛かったか?」
俺は尋ねる。
コクリ、と頷く。
「もっと早くくれば…。違うか、もっと早く外してやればよかった。申し訳ない…。」
「来てくれただけで嬉しい。久しぶりでしょ?」
アンのリップサービスか。それとも、俺のことを本当に待っていてくれたのか?
後者を期待してしまう自分がいた。
今は、ともかくアンが腕の中にいてくれる事実に心が落ち着く。
アンが働くこの違法風俗店は、ヤクザの客がメインターゲットと言うこともあり、悪趣味なSMと言う名の暴力が横行している。
ホテルなので、血や糞尿、その他の体液が飛び散ってもシャワーを浴びて帰ることができるのでやりたい放題なのだろう。
ホテルの部屋と女の子の後始末はやる人がいないのか、部屋も女の子も見るに耐えない状態の時もよくある。
アンに初めて会った時も、アンは部屋で四肢を縛られて、膣にローターを入れっぱなしにされて床に転がっていた。
だから、今日は縛られている体勢はきつかっただろうが、まだ初めて会った時よりはマシかもしれないと思った。
「アン…。」
そう呟いて、アンの頬に唇を寄せた。
そっとキスをする。本当にそっと。壊してしまわないように。
アンがこちらを振り向いて顔を突き出す。キスをねだっているのだと言わずとも察して、アンの唇に唇を重ねる。
舌を出すと、アンも舌を出して絡めてくる。アンが俺の下唇を噛んだまま、柔らかい舌でペロペロと舐めてくる。
背筋がぞわりとした。
暖かい湯船に浸かり、冷え切っていたアンの体が温まっているのが肌越しに通じてくる。そして自分の体温も上がってくる…。
アンが口を離す。
すぐに引き戻そうとしたが、その前にアンは体の向きを変え俺と向かい合う形になった。
そして、アンの右手が、俺のペニスを撫でる。
左手は、俺の肩に回してしがみついてくる。
それから、見つめ合ってまた深いキスの続きを始めた。
俺は、右手でアンを支えて左手でアンの乳房を優しく揉む。時々乳首に触れるとアンの体がピクリと反応する。
もう限界だった。
限界を察したアンは尋ねてくる。
「挿れる?」
少し迷った。
もちろん挿れたい。
でも、アンの体が心配だ。
さっき無理やり、寝ているアンを無理やり犯した。
「挿れたら、痛くないか?」
どうしていいか悩んだ俺は、アンに尋ねた。
「痛くてもいい…挿れて欲しい。」
その言葉に、俺のアンを思いやりたい心は、自分の欲求に素直になることにした。
「じゃあ、挿れる。」
すぐにアンの右手が、俺のモノを誘導して中に挿れてくれた。
さっきまで冷たくなっていた、アンの中は暖かい。
アンは、挿入してすぐに両足を俺の腰に回して力を込めて離れないように挟んできた。
俺も、答えるようにアンを抱きしめた。
俺は、アンの体を下から己の棒で突き上げるように激しく動かした。
アンは必死に俺にしがみつく。
長い髪が、湯船に浸かったり出たりする。
激しく何度も突き上げる。
お互いの息が荒くなる。
アンの喘ぎ声が耳に響く。
「いく…。」
とアンが甘い声で言ったと同時に体をビクンビクンと動かす。
逝ってしまったのだろう。
俺も限界だった。
アンが逝った後、すぐにアンの中に果てた。
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