いつか君と共に生きていきたい【完結】

1

　「あいしてる」

　隣ですやすやと寝息を立てるアンの耳に話しかける。
　こんなこと、俺が言っていいのか…？

　なんとなく不安になるが、溢れる感情を否定できずにいた。

　ベットの下のコートに手を伸ばし、ポケットからタバコを取り出して火をつけた。


　ベットに腰かけ、一服する。


　仕事用のスマホを取り出す。
　本業用だ。

　何も連絡は来ていなかった。

　俺の特殊潜入を知る上司が殉職してからほとんど警察からの連絡は来なかった。
いつか、警察から俺の名前は消されるのだろうか。


今、連絡をしてくる連中の顔も名前も知らない。ただ、一方的に指示が飛んでくる。

　もう俺は、刑事に戻ることはないかもしれない。薄々そう感じていた。

　


　そうして、本業が刑事の副業がヤクザみたいな、いや本業がヤクザになりつつある今のわけのわからん生活に疲弊すると、アンの元に来てしまう。


　２０歳くらいのアンは、細身で切長の二重が美しい。

　でもヤクザ専門の違法な風俗店にいるからには、何か後ろ暗い過去があるんだろう。


　知りたいけれど、知る権利はない気がしてアンになぜここにいるのかなんて聞けない。


　それより…




　また体が熱くなりムラついてきてしまった。

　灰皿にタバコを捨てて、布団に潜り込みアンに覆い被さる。


　大して若くもないけれど、アンに触れていたいと体が素直に反応してしまう。



　下が熱くなっているのがわかる。




　寝ているアンの顔に自分の顔を寄せる。

　そっと唇にキスを落とす。


　アンが、うっすらと目を開ける。


　またキスをしてアンを目覚めさせようとする。


　アンが、背中に手を回してきた。



　俺もアンの頭を撫でてそっと呟いてみる。


　「またやりたい…」


　アンがそっと頷いたのがわかる。




　裸のアンの体をそっと弄る。


　アンの太ももの付け根に手を滑らせる。

　
　俺は、アンが身をよじろうとする姿にさらに興奮を高めていた。

　頬にキスをしながら膣穴にそっと指を入れる。

　指をそっと動かすと、少しずつ濡れていくのがわかる。可愛い…


　指を動かしながら自分の口をアンの口に近づけた。

　深く、深く口付けをした。


　「挿れるぞ」

　もっと優しい言葉を掛ければいいのに、俺の口からはいつも無骨な言葉しか出なかった。


　舌を絡めるキスをしながら、俺は腰を振った。


　アンにも気持ちよくなって欲しいけれどもう余裕がなかった。

　薬に溺れた体に残るわずかな体力を今この瞬間に全て使い切る。


　今日1日で、一体何回、アンの中に挿れたのだろうか。

　アンには申し訳ないと思いつつ、一方的に腰を振ってしまう。


　気持ちが良くて思わず出てきそうな喘ぎ声を押し殺しながら淡々と腰を振ってやがてアンの中に自分を解き放った。