日記

本野汐梨 Honno Siori

文字の大きさ
上 下
13 / 101

もう仕事に行けない

しおりを挟む
仕事に向かった。
嫌だったけど、いつも通り歯を食いしばって職場までの道のりをトボトボ歩いて向かう。
天気も気持ちも暗く重い。

明るいKpopをイヤホン越しに聞き流す。
私の生きる世界とは真逆の人たちの明るい歌。その人達の眩しいほどの笑顔が脳裏に浮かぶ。その人達は、仕事が辛い時はどうしているのだろうか?、キラキラしてるから死にたくなったりしないんだろうな、疑問と嫉妬で胸が苦しくなった。

職場まで徒歩20分。

こんな仕事を続けていたって、スキルなんて身につかないし、安月給だし、将来困るに違いない。漠然とした不安が煙のように胸に立ち込めた。

気が付いたら、職場まであと50メートルくらいになっていた。

「逃げよう。みんなに恨まれてもいい。私はもうここには居られない。」

残り僅かなのに耐えられなくなった私は踵を返した。

さっきまであんなに重い足取りだったのに急に軽くなった。駆け足で来た道を戻った。





しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

就職面接の感ドコロ!?

フルーツパフェ
大衆娯楽
今や十年前とは真逆の、売り手市場の就職活動。 学生達は賃金と休暇を貪欲に追い求め、いつ送られてくるかわからない採用辞退メールに怯えながら、それでも優秀な人材を発掘しようとしていた。 その業務ストレスのせいだろうか。 ある面接官は、女子学生達のリクルートスーツに興奮する性癖を備え、仕事のストレスから面接の現場を愉しむことに決めたのだった。

混迷日記【電子書籍作家の日々徒然】

その子四十路
エッセイ・ノンフィクション
高齢の母と二人暮らし。 電子書籍作家『その子四十路』のぜんぜん丁寧じゃない、混迷に満ちた日々の暮らしの記録。 2024年10月〜 ※他サイトでも公開しています。

校外学習の帰りに渋滞に巻き込まれた女子高生たちが小さな公園のトイレをみんなで使う話

赤髪命
大衆娯楽
少し田舎の土地にある女子校、華水黄杏女学園の1年生のあるクラスの乗ったバスが校外学習の帰りに渋滞に巻き込まれてしまい、急遽トイレ休憩のために立ち寄った小さな公園のトイレでクラスの女子がトイレを済ませる話です(分かりにくくてすみません。詳しくは本文を読んで下さい)

後悔と快感の中で

なつき
エッセイ・ノンフィクション
後悔してる私 快感に溺れてしまってる私 なつきの体験談かも知れないです もしもあの人達がこれを読んだらどうしよう もっと後悔して もっと溺れてしまうかも ※感想を聞かせてもらえたらうれしいです

日本各名山を旅して

naturalh1
エッセイ・ノンフィクション
筆者が旅をした、日本のあちこちに聳える名山のうち、筆者が記した旅エッセイ 「旅鉄からの手紙」 「さいはてに咲く~日本の端を旅をして~」 の下書きのみで、本稿に書かなかったレポートを集めたものである。

処理中です...