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厄落としを拾った女の末路。
しおりを挟む九州にある大きな神社に行った時。
そこは当時住んでいた場所から近かったので、厄落としに行ったんです。
友達に厄落としが有名だって教えて貰ったから。。。
そこで、私、一万円拾ったんです。
後ほどそれが、誰かが厄落としにわざと落としていったものだと知りました。
厄落としというのが正確な呼び名かどうかはわからないのですが、聞いた話によると、お金を拾った人に厄を移すためにお金をわざと落としていくのだそうです。
当時の私は、大学は卒業したものの、就職活動がうまく行かずお金に困り果てていたので落ちていた一万円を喜んで拾いました。これで当分の食費には困らない。
なんなら、厄落としに来て早速、ツキが回ってきたなんて思いました。
でも、これは不幸の始まりだったんです。
最初の不幸は、帰り道に起こりました。
それは何かというと、帰りに乗っていた電車で人身事故を目撃してしまったんです。
電車に轢かれる人の顔が、結構トラウマになちゃって二度と電車になんか乗れなくなりました。
それから、三ヶ月以内に身内の不幸が2件もあったり、自転車に乗ってたら車に轢かれて足を骨折したり、何もない所で転んだり、フィッシング詐欺に引っかかって4万円を失ったり、、、
たった三ヶ月で、人生のどん底からさらにどん底に突き落とされてしまったんです。
そんなある日、私に厄落としの神社を教えてくれた友達の家に遊びに行ったんです。
と言うよりも、「話があるから」と呼び出されました。
友達の家に行くと、開口一番にこんなことを言われました。
「神社でお金、拾ったんじゃないよね」
正直、ギクリと驚きました。本来、拾ったお金は、神社の社務所か交番に届けないといけないのに着服してしまったことへの罪悪感で私は、俯いて黙り込みました。
「拾ったんだね?」
頷くことしかできませんでした。
そこで初めて、私はあのお金が、厄落としのために誰かが落とした物だと知ったのです。
そして私は、お金を落とした人の厄を貰ってしまっていた事に気が付きまいした。
友達の勧めで、私は翌日その神社に行って、なけなしの千円札を10枚、散りばめてきました。
私に付いてしまった“厄”を誰かに擦りつけるために…
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