モテたかったがこうじゃない

なん

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第一章

46*

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「…動いてもいいか?」

「はい……、あっ、あぁ……」

こちらが焦れったくなるくらいの動きで揺すられる。
隙間無く嵌まっているせいで少しの動きでも肉壁が引っ張られてお尻に力が入ってしまい、中のモノを締め付けてしまう。

「ふぅ…っ、少し、力を抜いてくれないか…っ」

力を抜く?そんなのムリ。
反射で力んでしまうのに自分で制御なんて出来ない。

あんなに解したのに挿れるだけで精一杯だなんてどんだけデカいの?
規格外の大きさに流石の受け入れ体質に変化した身体でもスムーズに動かすのは至難の業のようだ。

おれの尻は無事に済むんだろうか?穴開いたままにならない?

不安でまたお尻を締めてしまったようでグランツ様が苦しそうに呻いた。ごめんなさい。

というか、揺すられるばっかりで全然中が動いてないような…?

奥をぐっぐっと押されるばかりでなんかいつもと違う。今まではこう…上下に擦られて…んぅ?

「はぁ…っあ、あの…グランツ様…?」

「なんだ…っ?」

「その、ふぅ…っ、動くんじゃ、なかったんですか…?」

「・・・・・」

「グランツ様?」

「・・ご、…ない」

「え?」

「・・・動けないんだ」

「え“っ」

よっぽど締め付けが苦しいのだろう、額から汗を流しながら時折耐えるように息を吐くグランツ様はこの上なく気まずそうだ。…え、マジ?

「引いたり押したりと動かしているのだが、その、ぴったりと吸い付いてきてて、動かないんだ…」

だからずっと力抜けって言ってくるのか。甘い言葉とかじゃなく、本気で言ってたんだな。
え?どうすんの?このままグランツ様嵌めたまま?絶対やだ。

快感なんて感じてる場合じゃねぇ。

「力ずくで抜けないんですか?」

「試してもいいが、少しでも上下に動かそうとすると…マシロが一緒について来るんだ。あまりに滑りが無さすぎて中身が一緒に出てしまうんじゃないかと…」

力ずくで引き抜かれた後の惨劇を想像してしまい血の気が引く。

「怖いこと言うなよ!絶対ダメっ!」

「まさかこんなことになるとは…、面目ない…」

本当にひとつになっちゃった☆って笑えねーよ!
穴開いたままどころか栓されたままじゃないか。

あ、そうだ!

「何か滑りを出せるものないんですか?ローションとか」

「…すまない。想定していなかったから置いていない」

「でも騎士塔にいる間はグランツ様にお任せするってカール様が…だから、てっきり…」

次はグランツ様となのかなって、勝手に思ってた。おれが勇気出なかったらカール様にお願いするつもりだったけど。

「いや、あれは私をからっかっていただけだ。手を握られただけで固まってしまう私が君を抱けると思っていなかったはずだ。現に明日カール殿が来る手筈になっている」

「え、そうなの?」

「私もマシロを抱く、などと露にも思っていなかったが、…まさか君の方から襲ってくるとは想像も出来なかった」

申し訳ございません。

「…もう一つ白状すると、実は…誰かの中に挿れたのは初めてなんだ…」

「ん?初めて?」

「うぅ…その、情けない事にマシロに挿れるまで、挿入したことが無くてだな…」

「えっ?えぇ?でも女の人とした事あるって…?」

「…そういう行為自体はあるんだが、…私のモノは、…大き過ぎると…断られていて……まさか、こんな事になるとは…」

どんどん落ち込んでいくグランツ様には悪いが、この貫禄で童貞という事実に衝撃を受けた。いや、今おれの中にいるからもう童貞じゃないんだけど。てかじゃあおれで筆下ろししたって事?わお、可哀想。

かくいうおれは未来永劫童貞らしいけどな。おれの方が可哀想。

「…卒業おめでとうございます、グランツ様」

「君で出来たのは幸福だが…消えたい…」

心を強く持って団長。

「何人もの女性に無理だと言われてきたから、念入りに解さないとと…。なのに君ときたら早く挿れろと泣くものだから…本当に辛かった。しかし、そこまでしてもこのざまだ…すまない」

ごめんて団長。

「あの時は軽く発情してたから…あっ、また発情状態になればいいんじゃないですかね?おれの身体あの状態の時お尻が勝手に濡れてくるみたいなんで」

「なるほど、あの時の君は凶悪な色香を纏っていたがそんな変化もあったとは。しかし、あれは身体に害は無いのか?」

「無い…と思いますけど…」

…え?無いよね?えっちな気分になって、すぐに気持ち良くなって、お尻の穴が濡れるだけで…十分害だな。

「でも!今を切り抜けるにはそれしか無いんです!グランツ様はずっとおれの中に挿れてるつもりですか?」

「……それもいい」

「嫌ですよね!ね!」

「…どうすれば発情出来るんだ?」

どうすれば。さっきはグランツ様の精液を飲んでしたけど、今はおれの中にあるから飲めない。…いや?このままグランツ様が一回イケばいいのでは?

「グランツ様に中出しして貰えたら出来ます!」

「ブフっ!!な、なか…っ!?」

「中出しです!」

「聞こえている…っ!この状況でか!?」

「さっきも精液飲んだらしたんで、このままおれの中に出してくれたらするはずです!」

「このまま…っ中に…ぐっ!」

ぐぐぐっとおれの中の質量が増える。まだデカくなるのかこれ!?

「はああ…っふうぅぅ…っ!く、くるし…グランツさま…壊れちゃうよぉ…っ」

「ぐぅ…っ!ゔぅ…っっ!!」

「うへ?あ?あっ!ああぁああぁ…っ!!出て、やぁ…っ、多い、おなかあちゅいよぉーっ!」

「ふーっ、はあっすまない…っはぁ、止まらない…っ!」

「ああぁぁあぁああ…っ!だめぇ…っ!あんっもうぉ…入らな…やああぁあ…っ!」

いきなり大量に注がれた精液が腹一杯にどぶどぶ溜まっていく。
みっちり蓋をされているせいで余す事なく全てがおれの中に吐き出された。

突然の熱量に頭がスパークしたようにチカチカと弾け、強烈な快感が一気に押し寄せる。

終わらない射精と一瞬で駆け抜けた快感に、おれは目の前が真っ白になっていった。

遠くの方でグランツ様の必死な声が聞こえた気がしたが、それを確かめる事なく、そのまま意識が途切れていった。





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