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父と僕
203.墨_SUMI
しおりを挟む村人全員の行動の報告書を毎日提出する。
次第にテレビでは、
この一連の事件は半透明人間によるものの疑いがあるといわれだした。
あくまで、語感は疑いとしていたが、とても断定的な口調だった。
ラジオではいまだ取調べ中という。
テレビには半透明人間はあまり仕事をしていない。少し半透明人間に対する偏見がある業界だ。
だから、
ラジオではあくまで事件の内容を淡々と
そしてテレビでは半透明人間を少し煽って視聴率を稼ごうとする思惑が見え隠れしている報道だった。
次第に村では特に半透明人間の行動を制限するようになった。
不透明人間は被害者になることはあっても、加害者の可能性が低いから自由。
半透明人間というだけで、
行動を制限され、
非難され、
注意される。
そんな差別のような区別のようなものがだんだん当たり前になっていった。
世界での戦争はまだ続いていて、
人々は少し苦しい生活を強いられていた。
戦争と無差別透明人間による犯行は同時に人々の心を不安にさせていく。
戦況が苦しくなると、出動令が出されて、戦争へ行く人を村から出すよう言われる。
最初は半透明、不透明問わずだったのが、
一連の犯行が起こってから、半透明人間1人または不透明人間2人のように
命の重さに比重がつき始めた。
まだ半透明人間による組織的な犯行と特定していないのにも関わらず。
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