半透明人間

あかさたな!

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世界と僕

101.白群_BYAKUGUN

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僕は冬しか外に出かけない。


冬は着込めば半透明人間なのが見られにくい。

もちろん見つかって通報されたら死刑にされる。

父も半透明人間であるが、同じく家から出ることが少ない。

母と弟は幸いにも不透明人間なので、表向きは母子家庭の家ということで生活している。

弟は学校にも通い、俺に学校の勉強を教えてくれる。
とても優しい子なのだ。

弟は図書室の本も、
いつも家にいる僕のために借りてきてくれる。

小説を読んで広い世界を冒険している時間は僕にとって唯一のオアシスだ。





家族以外に友達もいる。
同じ半透明人間の幼なじみだ。
そんな頻繁に会えないけど。

外で会うのは僕たちには危険すぎる。
感情のコントロールがうまくいかなくなると、
肌の変色が目立ってしまうのだ。

もちろん完璧に不透明人間になりきれる人はほぼいない。
感情を一切コントロールできる必要があるからだ。

怒りと喜びを混ぜると不透明人間に近い色が出せる。
でも少しでもびっくりしたら、
少しでも緊張したら、
少しでも喜んだら、
肌の色が保てなくなってしまう。


だから、僕らは極力外出を避けるようにして生きている。




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