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番外編 クリスマス

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 また異世界から文化がやって来た。

 その文化はクリスマスだったのだ。

 そして、クリスマス当日となった。

 僕はいつもと同じように執務室で書類の処理をしていると扉をノックされたのだ。

 入室の許可を出すとテレスとアリアが入室してきたのだ。

 入室してきた2人は妙な格好をしていた。

 室内なのに厚着をしている。

 「アレクくん。お仕事何ですけど、ここまでにして」

 「どうして?」

 「皆で集まりたいから」

 緊急の仕事は無いから大丈夫か。

 「分かった。今日の仕事はもう終わったから大丈夫だ」

 それを聞いたテレスは嬉しそうな表情を浮かべたのだ。

 「じゃあ、アレクくん。これをつけて下さい」

 そう言われ、アリアに渡されたのは目隠しだった。

 「それは?」

 「サプライズをしたいので」

 サプライズか。
 
 なら、受けないとな。

 「分かったよ」

 そう言い、僕はアリアから目隠しを受け取ったのだ。

 そして、黙って目隠しをつけた。

 それから僕は2人に手を引かれ、移動を始めたのだ。

 ある程度、移動すると手が離された。

 手が離れると同時に布が擦れる音が聞こえたのだ。

 それも2人分。

 それが聞こえ終わると声が聞こえてきたのだ。
 
 「目を開けて下さい、アレクさん」

 「目を開けても大丈夫」

 「アレク。目を開けても大丈夫だよ」

 セシリー達にそう言われたので、僕は目隠しを取ったのだ。

 目隠しを取った僕は固まってしまった。

 テレス達がサンタのコスプレをしていたのだ。

 「「「「「メリークリスマス、アレク(くん、さん)」」」」」

 僕は驚きながらもある言葉を返したのだ。

 「ああ、メリークリスマス」

 それから私は手を引かれ、机に案内されたのだ。

 案内された机には大量の鳥料理が並んでいたのだ。

 これは何だ?

 疑問に思った僕は直ぐ隣にいたエーリゼに疑問を投げ掛けてみた。

 「えっ。クリスマスはこの服を来て、チキンを食べるイベントじゃないの?」

 そうゆうことか。

 伝わって来る時に変化したのか。

 チキンを食べるイベントに。

 まぁ、良いか。

 今は変化したクリスマスを楽しもう。

 そう考えた僕はテレス達と異世界で変化してしまったクリスマスを楽しんだのだ。

 後日、僕はお礼と言い、少し遅いクリスマスプレゼントを渡したのだ。

 テレスには海を渡った土地にしか自生しない珍しい花を。

 アリアには様々なケーキが入ったものを。

 セシリーには他国でしか取れない山菜を。

 フェリスには珍しい魔物の素材を。

 エーリゼには冒険者として必要な物を。

 テレス達はとても喜んでくれた。

 そして、次の日にお礼として僕は遅いクリスマスプレゼントを貰った。

 このクリスマスプレゼントは誰にも詳細を言わない。

 大切な妻達からのプレゼントだからな。
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