100 / 102
番外編 エーリゼとの約束
しおりを挟む今日は、エーリゼとギルドの依頼で、SS級モンスター、ウォータードラゴンの討伐に来ていた。
「アレク、そっちから攻めて」と、エーリゼに言われた。
「うん、任せて」と言い、左からウォータードラゴンの急所を攻撃した。
急所を攻撃されたウォータードラゴンは、よろめき、長い悲鳴を上げた。
エーリゼは、その隙を見逃さず、ウォータードラゴンの首を手刀で切り落とした。
ウォータードラゴンは、大きい水溜りに倒れ、それ以降動くことは無かった。だが、ウォータードラゴンが倒れる時に、大きな水飛沫を上げ、僕とエーリゼの服が濡れてしまった。
「エーリゼ、大丈夫?」と、聞いた。
「うん、大丈夫だよ」と返し、服を脱ぎ始めた。
「ちょ、何してるんだ。エーリゼ」と言い、僕は、顔を逸らした。
「だって、風邪引くかもしれないじゃん。なんで、アレクは、恥ずかしかったの?僕の裸何回も見たじゃん」と、言ってきた。
「それとこれは、訳が違うよ。これ、羽織って」と言い、顔を逸らしながら、毛布を渡した。
火を起こし、暖かい風で、僕達の濡れた服を乾かせている。
僕とエーリゼは、毛布しか身につけていない。なのに、エーリゼは、僕の背中に抱きついている。
「なんで、抱きついているの?エーリゼ」と、聞いた。
「だって、こうして方が体温が維持できるからだよ。後、アレクに抱きつきたいと思ったからだよ」と、嬉しそうな声で返してきた。
「じゃあ、これならどう?」と言い、僕は、エーリゼと向かい合い、抱きついた。
エーリゼは、驚いていたが、すぐに僕の左肩に顔を乗せ、「ねぇ、アレク、この時間が永遠に続くといいなぁて、僕、考えちゃうんだ。これは、ダメなことかな?」と、聞いてきた。
「ううん、ダメじゃないよ。そう考えてくれるということは、僕のことを好きでいてくれるから、とても嬉しいよ」と、返した。
「そっか、ありがと、アレク」と、僕の耳元で言ってきた。そして、僕の唇に、キスをして、エーリゼは、微笑んだ。
[次の日]
エーリゼは、昨日水に濡れたせいなのか、体調を崩してしまった。
念の為に、医者を呼んで、診断をしてもらった。診断している間、僕とテレスとアリアとセシリーとフェリスは、エーリゼが休んでる部屋の中にいた。
医者の診断も終わり、僕達は、診断の結果を待っていた。
「奥様、おめでとうございます。ご懐妊でございます」と、医者が言った。
えっと、僕達は、固まってしまった。
「か、か、懐妊?じ、じゃあ、僕とアレクの子供がお腹の中にいるってこと?」と、医者に聞いた。
「ええ、そうでございます。妊娠3ヶ月というところでございます」と、返した。
「やったね、エーリゼ」と、テレスが言った。
「さ、先を越されてしまいました。ですが、おめでとう、エーリゼちゃん」と、アリアが言った。
「おめでとうございます、エーリゼさん。私、自分のことにように嬉しいです」と、セシリーが言った。
「うん、懐妊、おめでとう、エーリゼ」と、フェリスが言った。
「みんな、ありがとう」と言い、嬉し泣きをした。
エーリゼは、みんなに礼を言ってから、僕の方に向いた。
「ねぇ、アレク、僕、今、世界で1番幸せだよ。あの夕日の中で誓ってくれた約束を守ってくれてありがとね、アレク」と言い、今まで見たどんな笑顔よりも美しい笑顔を浮かべた。
1
お気に入りに追加
667
あなたにおすすめの小説
今度は悪意から逃げますね!
れもんぴーる
ファンタジー
国中に発生する大災害。魔法師アリスは、魔術師イリークとともに救助、復興の為に飛び回る。
隣国の教会使節団の協力もあり、徐々に災害は落ち着いていったが・・・
しかしその災害は人的に引き起こされたものだと分かり、イリークやアリス達が捕らえられ、無罪を訴えても家族までもが信じてくれず、断罪されてしまう。
長期にわたり牢につながれ、命を奪われたアリス・・・気が付くと5歳に戻っていた。
今度は陥れられないように力をつけなくちゃ!そして自分を嵌めた人間たちや家族から逃げ、イリークを助けなければ!
冤罪をかけられないよう立ち回り、災害から国民を守るために奮闘するアリスのお話。え?頑張りすぎてチートな力が?
*ご都合的なところもありますが、楽しんでいただけると嬉しいです。
*話の流れで少しですが残酷なシーンがあります。詳しい描写は控えておりますが、苦手な方は数段飛ばし読みしてください。お願いします。
その溺愛は伝わりづらい!気弱なスパダリ御曹司にノンケの僕は落とされました
海野幻創
BL
人好きのする端正な顔立ちを持ち、文武両道でなんでも無難にこなせることのできた生田雅紀(いくたまさき)は、小さい頃から多くの友人に囲まれていた。
しかし他人との付き合いは広く浅くの最小限に留めるタイプで、女性とも身体だけの付き合いしかしてこなかった。
偶然出会った久世透(くぜとおる)は、嫉妬を覚えるほどのスタイルと美貌をもち、引け目を感じるほどの高学歴で、議員の孫であり大企業役員の息子だった。
御曹司であることにふさわしく、スマートに大金を使ってみせるところがありながら、生田の前では捨てられた子犬のようにおどおどして気弱な様子を見せ、そのギャップを生田は面白がっていたのだが……。
これまで他人と深くは関わってこなかったはずなのに、会うたびに違う一面を見せる久世は、いつしか生田にとって離れがたい存在となっていく。
【7/27完結しました。読んでいただいてありがとうございました。】
【続編も8/17完結しました。】
「その溺愛は行き場を彷徨う……気弱なスパダリ御曹司は政略結婚を回避したい」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/962473946/911896785
↑この続編は、R18の過激描写がありますので、苦手な方はご注意ください。
いらないと言ったのはあなたの方なのに
水谷繭
恋愛
精霊師の名門に生まれたにも関わらず、精霊を操ることが出来ずに冷遇されていたセラフィーナ。
セラフィーナは、生家から救い出して王宮に連れてきてくれた婚約者のエリオット王子に深く感謝していた。
エリオットに尽くすセラフィーナだが、関係は歪つなままで、セラよりも能力の高いアメリアが現れると完全に捨て置かれるようになる。
ある日、エリオットにお前がいるせいでアメリアと婚約できないと言われたセラは、二人のために自分は死んだことにして隣国へ逃げようと思いつく。
しかし、セラがいなくなればいいと言っていたはずのエリオットは、実際にセラが消えると血相を変えて探しに来て……。
◆表紙画像はGirly drop様からお借りしました🍬
◇いいね、エールありがとうございます!
怒らせてはいけない人々 ~雉も鳴かずば撃たれまいに~
美袋和仁
恋愛
ある夜、一人の少女が婚約を破棄された。根も葉もない噂による冤罪だが、事を荒立てたくない彼女は従容として婚約破棄される。
しかしその背後で爆音が轟き、一人の男性が姿を見せた。彼は少女の父親。
怒らせてはならない人々に繋がる少女の婚約破棄が、思わぬ展開を導きだす。
なんとなくの一気書き。御笑覧下さると幸いです。
今さら、私に構わないでください
ましゅぺちーの
恋愛
愛する夫が恋をした。
彼を愛していたから、彼女を側妃に迎えるように進言した。
愛し合う二人の前では私は悪役。
幸せそうに微笑み合う二人を見て、私は彼への愛を捨てた。
しかし、夫からの愛を完全に諦めるようになると、彼の態度が少しずつ変化していって……?
タイトル変更しました。
所詮は他人事と言われたので他人になります!婚約者も親友も見捨てることにした私は好きに生きます!
ユウ
恋愛
辺境伯爵令嬢のリーゼロッテは幼馴染と婚約者に悩まされてきた。
幼馴染で親友であるアグネスは侯爵令嬢であり王太子殿下の婚約者ということもあり幼少期から王命によりサポートを頼まれていた。
婚約者である伯爵家の令息は従妹であるアグネスを大事にするあまり、婚約者であるサリオンも優先するのはアグネスだった。
王太子妃になるアグネスを優先することを了承ていたし、大事な友人と婚約者を愛していたし、尊敬もしていた。
しかしその関係に亀裂が生じたのは一人の女子生徒によるものだった。
貴族でもない平民の少女が特待生としてに入り王太子殿下と懇意だったことでアグネスはきつく当たり、婚約者も同調したのだが、相手は平民の少女。
遠回しに二人を注意するも‥
「所詮あなたは他人だもの!」
「部外者がしゃしゃりでるな!」
十年以上も尽くしてきた二人の心のない言葉に愛想を尽かしたのだ。
「所詮私は他人でしかないので本当の赤の他人になりましょう」
関係を断ったリーゼロッテは国を出て隣国で生きていくことを決めたのだが…
一方リーゼロッテが学園から姿を消したことで二人は王家からも責められ、孤立してしまうのだった。
なんとか学園に連れ戻そうと試みるのだが…
よくある婚約破棄なので
おのまとぺ
恋愛
ディアモンテ公爵家の令嬢ララが婚約を破棄された。
その噂は風に乗ってすぐにルーベ王国中に広がった。なんといっても相手は美男子と名高いフィルガルド王子。若い二人の結婚の日を国民は今か今かと夢見ていたのだ。
言葉数の少ない公爵令嬢が友人からの慰めに対して放った一言は、社交界に小さな波紋を呼ぶ。「災難だったわね」と声を掛けたアネット嬢にララが返した言葉は短かった。
「よくある婚約破棄なので」
・すれ違う二人をめぐる短い話
・前編は各自の証言になります
・後編は◆→ララ、◇→フィルガルド
・全25話完結
異世界に転生したのでとりあえず好き勝手生きる事にしました
おすし
ファンタジー
買い物の帰り道、神の争いに巻き込まれ命を落とした高校生・桐生 蓮。お詫びとして、神の加護を受け異世界の貴族の次男として転生するが、転生した身はとんでもない加護を受けていて?!転生前のアニメの知識を使い、2度目の人生を好きに生きる少年の王道物語。
※バトル・ほのぼの・街づくり・アホ・ハッピー・シリアス等色々ありです。頭空っぽにして読めるかもです。
※作者は初心者で初投稿なので、優しい目で見てやってください(´・ω・)
更新はめっちゃ不定期です。
※他の作品出すのいや!というかたは、回れ右の方がいいかもです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる