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第57話 聖女の危機
しおりを挟む僕が、15歳になって1か月後が経っていた。
この日は、書類の処理を行っていた。突然、セシリーに渡した通信魔法具がなり、「ア、アレクさん、助けて下さい」と、聞こえた。
「どうしたんだ。セシリー」と、返した。
「今、クラリス教国が大変なことになっていて、頼れる人が、アレクさんしかいないのです」と、聞こえた。
「わかった、直ぐに行くよ」と言い、通信を終了した。
僕は、窓を開けて、神速を使い、クラリス教国に向かった。1秒も掛からずにクラリス教国に着いた。
直ぐに、セシリーがいる場所に向かった。
そこは、小さい教会だったが、教会の周りには多くの男達がいた。これは、何事かと思いながら、教会の上から中に入った。
教会の中には、セシリーと初老の神官と思われる男がいた。
「セシリー、大丈夫?怪我とかない?」と、声を掛けた。
僕の声と姿を見て、「アレクさん、怖かったです」と言い、抱きついてきた。
そんなセシリーの頭を撫でて、気分を落ち着かせた。
初老の神官が、苦しそうにしていたので、「大丈夫ですか?」と、声を掛けた。
「ええ、今は大丈夫です。失礼、私は、クラリス教国の司祭のナラダと言います」と、答えた。
「一体、何があったのですか?」と、聞いた。
「私にもよくわかりませんが、おかしくなったのは、1週間前からです。何処からか、自分は新の聖女と名乗る女が来て、どんどん地位を築いていきました。そして、本日、セシリーのことを偽の聖女と呼び、捕まえようとしました」と、答えた。
「それで、ここまで逃げてきたということですか?」と、聞いた。
「ええ、そうです。クラリス教国にいる男達は、皆おかしくなってしまいました。私も、そろそろ限界が近いのです。セシリーのことは、本物の娘のように思っています。ですから、どうかセシリーを守ってください」と、頭を下げて来た。
「頭をあげて下さい。セシリーのことは、私が絶対に守ります。私にお任せ下さい」と、言った。
「そうですか、ありがとうございます。セシリー、どうか幸せになってくれ」と、セシリーに向けて言った。
「はい、ナラダ司祭もお元気で」と言い、別れのハグをした。
別れのハグをした後に、僕は、セシリーをお姫様抱っこをして、「では、ナラダ司祭、貴方の大切な娘さんを私にお任せ下さい」と、言った。
「ああ、どうかよろしくお願いします」と、答えてくれた。
その返答を聞いた僕は、瞬足を使って、教会から離れた。
30分ぐらいで僕の領地に着いた。その間、セシリーは、嬉しそうな表情を浮かべていた。
僕の屋敷に着いたら、セシリーをお姫様抱っこから下ろして、フェリスの部屋に訪れた。
「アレク、その人、誰?」と、フェリスが聞いて来た。
「アレクさん、彼女とはどんな関係なのですか?」と、セシリーが聞いて来た。
「セシリー、彼女は、ヨルダン魔法国の第3王女のフェリスだ。そして、僕の4番目の婚約者だ」と、セシリーの質問に答えた。
「フェリス、彼女は、クラリス教国の聖女のセシリーだ。そして、迎えに行くと約束していた3番目の婚約者だよ」と、フェリスの質問に答えた。
「ん?待って、アレク、何で、聖女様が、ここに、いるの?」と、聞いて来た。
フェリスにクラリス教国で起こったことを話した。
「そう。多分、それは、魅力魔法、だと、思う」と、言った。
「確かにあの状況が、魅力魔法だとしたら納得できるな」と、答えた。
「魅力魔法って、何ですか?」と、セシリーが聞いて来た。
「魅力魔法は、使用者の異性を誰でも魅力してしまう禁忌魔法だ」と、答えた。
「え、アレクさんは、大丈夫何ですか?」と、セシリーが聞いて来た。
「それは、大丈夫、アレク、状態異常無効化の、魔法、持ってる」と、フェリスが答えた。
「このことは、テレス達にも伝えた方がいいから、明日、僕が迎えに来て、王都の屋敷で話をしよう。2人とも大丈夫?」と、聞いた。
「うん、大丈夫」と、フェリスが答えた。
「はい、私も大丈夫です」と、答えた。
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