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第9話 爵位を授かる

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 [同時襲撃から一週間後]

 僕は、今、謁見の間で爵位を受け取るところだ。

 「アレク・フレック殿、貴族学院と王宮の二つの襲撃で、活躍したことを称え、男爵の位を授ける」

 「謹んで、お受けいたします」

 次の瞬間、周りから盛大の拍手が聴こえてきた。

 「これで謁見を終了とする」と言う声が聞こえ、謁見が終わった。

 [馬車の中]

 「アレク、よかったな、爵位をもらえて」と、父上は嬉しそうな声で言ってきた。

 「父上、私は貴族になりたくはありませんよ」と、少し疲れた顔した。

 「そう言うな、亡き妻も喜ぶだろう」と、満足な顔をした。

 「うーん、母上が天国で喜んでくれているなら、悪くはないですね」と、少しやる気を出すことができた。

 貴族学院は、襲撃の影響で休みになっているため、伯爵領に戻ることができた。

 [母上の墓の前]

 「母上、お久しぶりです。少し功績を挙げる機会があったため、爵位を国王陛下から頂きました。これで、僕も独立貴族になりました。母上、天国で喜んでいてください」と、穏やかな顔浮かべながら、母上が眠る場所に向けて。

 [王都]

 領地から、帰ってきて、二日後に王宮に呼ばれていた。

 「フレック男爵、渡す屋敷の準備ができた」と、宰相に言われた。

 「どのような屋敷ですか?」と、疑問を投げかけた。

 「元々は、子爵家の屋敷だったものだ。位置は、貴族学院と王宮の間ぐらいの位置にある」と、僕の問いに答えた。

 宰相から、鍵をもらい、渡された屋敷に向かった。

 屋敷に着いたら、結構荒れていた。すぐに職人を呼び、旅した途中でいいと思った建物を参考に屋敷を改装した。そして、メイドと執事を募集した。これらのことで、1ヶ月掛かった。

 貴族学院の再開が、一週間前に迫った日のこと。

 「旦那様宛に手紙がきております」と、執事が手紙を持ってきた。

 ありがとうと執事に言い、その手紙を開いた。その手紙は、辺境伯からだった。明後日に、屋敷に来てくれないかという旨の手紙だった。すぐに返事の手紙を書き、粗品を用意するように執事に手配させた。
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