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第三話 魔力鑑定
しおりを挟む雨属性を手に入れてから、4年が経ち、10歳になっていた。
この世界では、10歳になると、魔力鑑定を行う。
私は、両親に連れられ、教会で、魔力鑑定を受けた。
魔力鑑定の結果、私は、魔力無しと判断された。
あ、忘れていた。
確か、あの雨雲の綿を食べると、雨属性が手に入るが、他の属性は失う。
親友曰く、雨属性は、特別な属性のため、魔力鑑定では、調べることが出来ないらしい。
魔力鑑定が終わってから、多少あった愛情が無くなった。
この世界では、魔力が無い者は、無能とされる。
だから、私は、今まで暮らしていた部屋ではなく、物置に移された。
そして、家族から、いないものとされた。
普通の人間なら、絶望するが、私は、前世の記憶を持っている。
だから、あまり絶望しなかった。
逆に、私は、好機だと思った。
思う存分、雨属性を鍛えることが出来る。
私は、桜雨を腰に携えて、外に飛び出した。
誰にも止められることなく、近くの森に到着した。
ああ、気持ちいい。
もう、無駄な勉強は、しなくていいんだ。
今までは、婿入りさせるために、貴族の教育を受けさせられていた。
だが、もう必要無くなった。
多分、俺は、魔法学園を卒業したら、縁切りされるだろう。
今、縁切りすると、世間的に問題になるからな。
魔法学園を卒業すると、成人と見なされるから、縁切りしても問題無くなる。
入学は、14歳だから、後4年ある。
それまでに、刀術と雨属性を鍛える。
それと知識も。
時間だけは、沢山ある。
だから鍛えよう。
自分の体を。
この世界は、親友が作ったゲームの中だ。
内容は、殆ど知らないが、生き抜くためには、力が必要だ。
たださえ、魔力無しと言われているからな。
そう決心した私は、出来る限りのことを始めた。
朝起きたら、素振りをして、昼は魔物を狩って、金を稼ぐ。
そして、その金で、本や生活に必要なものを購入した。
本は、夜に、一般的な知識を貯めるために使用した。
後は、自分が、今寝泊まりしている物置小屋を改造した。
寝床が、殺風景だと寂しいからな。
だから、ベットや普通の生活を出来るぐらいの家具などを購入し、設置した。
なんか、一人暮らしを始めた時みたいで、楽しかった。
まぁ、家事を毎日自分でしないといけないのが、少し面倒くさいがな。
それにしても転生前みたいだな。
そう言えば、私は、恋人すらいたことが無かったな。
この世界では、結婚したいな。
まぁ、難しいと思うがな。
私は、魔力無しだからな。
私は、魔法学園入学まで、自分を鍛え続けた。
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