上 下
3 / 29

第三話 魔力鑑定

しおりを挟む

 雨属性を手に入れてから、4年が経ち、10歳になっていた。

 この世界では、10歳になると、魔力鑑定を行う。

 私は、両親に連れられ、教会で、魔力鑑定を受けた。

  魔力鑑定の結果、私は、魔力無しと判断された。

 あ、忘れていた。

 確か、あの雨雲の綿を食べると、雨属性が手に入るが、他の属性は失う。

 親友曰く、雨属性は、特別な属性のため、魔力鑑定では、調べることが出来ないらしい。

 魔力鑑定が終わってから、多少あった愛情が無くなった。

 この世界では、魔力が無い者は、無能とされる。

 だから、私は、今まで暮らしていた部屋ではなく、物置に移された。

 そして、家族から、いないものとされた。

 普通の人間なら、絶望するが、私は、前世の記憶を持っている。

 だから、あまり絶望しなかった。

 逆に、私は、好機だと思った。

 思う存分、雨属性を鍛えることが出来る。

 私は、桜雨を腰に携えて、外に飛び出した。

 誰にも止められることなく、近くの森に到着した。

 ああ、気持ちいい。

 もう、無駄な勉強は、しなくていいんだ。

 今までは、婿入りさせるために、貴族の教育を受けさせられていた。

 だが、もう必要無くなった。

 多分、俺は、魔法学園を卒業したら、縁切りされるだろう。

 今、縁切りすると、世間的に問題になるからな。

 魔法学園を卒業すると、成人と見なされるから、縁切りしても問題無くなる。

 入学は、14歳だから、後4年ある。

 それまでに、刀術と雨属性を鍛える。

 それと知識も。

 時間だけは、沢山ある。

 だから鍛えよう。

 自分の体を。

 この世界は、親友が作ったゲームの中だ。

 内容は、殆ど知らないが、生き抜くためには、力が必要だ。

 たださえ、魔力無しと言われているからな。

 そう決心した私は、出来る限りのことを始めた。

 朝起きたら、素振りをして、昼は魔物を狩って、金を稼ぐ。

 そして、その金で、本や生活に必要なものを購入した。

 本は、夜に、一般的な知識を貯めるために使用した。

 後は、自分が、今寝泊まりしている物置小屋を改造した。

 寝床が、殺風景だと寂しいからな。

 だから、ベットや普通の生活を出来るぐらいの家具などを購入し、設置した。

 なんか、一人暮らしを始めた時みたいで、楽しかった。

 まぁ、家事を毎日自分でしないといけないのが、少し面倒くさいがな。

 それにしても転生前みたいだな。

 そう言えば、私は、恋人すらいたことが無かったな。

 この世界では、結婚したいな。

 まぁ、難しいと思うがな。

 私は、魔力無しだからな。

 私は、魔法学園入学まで、自分を鍛え続けた。
 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢の独壇場

あくび。
ファンタジー
子爵令嬢のララリーは、学園の卒業パーティーの中心部を遠巻きに見ていた。 彼女は転生者で、この世界が乙女ゲームの舞台だということを知っている。 自分はモブ令嬢という位置づけではあるけれど、入学してからは、ゲームの記憶を掘り起こして各イベントだって散々覗き見してきた。 正直に言えば、登場人物の性格やイベントの内容がゲームと違う気がするけれど、大筋はゲームの通りに進んでいると思う。 ということは、今日はクライマックスの婚約破棄が行われるはずなのだ。 そう思って卒業パーティーの様子を傍から眺めていたのだけど。 あら?これは、何かがおかしいですね。

奥様は聖女♡

メカ喜楽直人
ファンタジー
聖女を裏切った国は崩壊した。そうして国は魔獣が跋扈する魔境と化したのだ。 ある地方都市を襲ったスタンピードから人々を救ったのは一人の冒険者だった。彼女は夫婦者の冒険者であるが、戦うのはいつも彼女だけ。周囲は揶揄い夫を嘲るが、それを追い払うのは妻の役目だった。

糞ゲーと言われた乙女ゲームの悪役令嬢(末席)に生まれ変わったようですが、私は断罪されずに済みました。

メカ喜楽直人
ファンタジー
物心ついた時にはヴァリは前世の記憶を持っていることに気が付いていた。国の名前や自身の家名がちょっとダジャレっぽいなとは思っていたものの特に記憶にあるでなし、中央貴族とは縁もなく、のんきに田舎暮らしを満喫していた。 だが、領地を襲った大嵐により背負った借金のカタとして、准男爵家の嫡男と婚約することになる。 ──その時、ようやく気が付いたのだ。自分が神絵師の無駄遣いとして有名なキング・オブ・糞ゲー(乙女ゲーム部門)の世界に生まれ変わっていたことを。 しかも私、ヒロインがもの凄い物好きだったら悪役令嬢になっちゃうんですけど?!

元ゲーマーのオタクが悪役令嬢? ごめん、そのゲーム全然知らない。とりま異世界ライフは普通に楽しめそうなので、設定無視して自分らしく生きます

みなみ抄花
ファンタジー
前世で死んだ自分は、どうやらやったこともないゲームの悪役令嬢に転生させられたようです。 女子力皆無の私が令嬢なんてそもそもが無理だから、設定無視して自分らしく生きますね。 勝手に転生させたどっかの神さま、ヒロインいじめとか勇者とか物語の盛り上げ役とかほんっと心底どうでも良いんで、そんなことよりチート能力もっとよこしてください。

転生したら死にゲーの世界だったので、最初に出会ったNPCに全力で縋ることにしました。

黒蜜きな粉
ファンタジー
『世界を救うために王を目指せ? そんなの絶対にお断りだ!』  ある日めざめたら大好きなゲームの世界にいた。  しかし、転生したのはアクションRPGの中でも、死にゲーと分類されるゲームの世界だった。  死にゲーと呼ばれるほどの過酷な世界で生活していくなんて無理すぎる!  目の前にいた見覚えのあるノンプレイヤーキャラクター(NPC)に必死で縋りついた。 「あなたと一緒に、この世界で平和に暮らしたい!」  死にたくない一心で放った言葉を、NPCはあっさりと受け入れてくれた。  ただし、一緒に暮らす条件として婚約者のふりをしろという。  婚約者のふりをするだけで殺伐とした世界で衣食住の保障がされるならかまわない。  死にゲーが恋愛シミュレーションゲームに変わっただけだ!   ※第17回ファンタジー小説大賞にエントリー中です。  よろしければ投票をしていただけると嬉しいです。  感想、ハートもお待ちしております!

一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。もしかして、メインは猫の方ですか、女神様!?

たまご
ファンタジー
 アラサーの相田つかさは事故により命を落とす。  最期の瞬間に頭に浮かんだのが「猫達のごはん、これからどうしよう……」だったせいか、飼っていた8匹の猫と共に異世界転生をしてしまう。  だが、つかさが目を覚ます前に女神様からとんでもチートを授かった猫達は新しい世界へと自由に飛び出して行ってしまう。  女神様に泣きつかれ、つかさは猫達を回収するために旅に出た。  猫達が、世界を滅ぼしてしまう前に!! 「私はスローライフ希望なんですけど……」  この作品は「小説家になろう」さん、「エブリスタ」さんで完結済みです。  表紙の写真は、モデルになったうちの猫様です。

最強令嬢とは、1%のひらめきと99%の努力である

megane-san
ファンタジー
私クロエは、生まれてすぐに傷を負った母に抱かれてブラウン辺境伯城に転移しましたが、母はそのまま亡くなり、辺境伯夫妻の養子として育てていただきました。3歳になる頃には闇と光魔法を発現し、さらに暗黒魔法と膨大な魔力まで持っている事が分かりました。そしてなんと私、前世の記憶まで思い出し、前世の知識で辺境伯領はかなり大儲けしてしまいました。私の力は陰謀を企てる者達に狙われましたが、必〇仕事人バリの方々のおかげで悪者は一層され、無事に修行を共にした兄弟子と婚姻することが出来ました。……が、なんと私、魔王に任命されてしまい……。そんな波乱万丈に日々を送る私のお話です。

盗人令嬢にご注意あそばせ〜『盗用』スキルを乱用させていただきます!

星見肴
ファンタジー
 7歳のスキル発現の儀式で『盗用』というスキルを得たエマ・エルフィールド。その日から彼女の生活は一変する。  侯爵令嬢ではなく使用人に、人間から奴隷に。盗んでもいない物を盗んだと濡れ衣を着せられ、いつしか『盗人令嬢』と呼ばれるように。  数年、そんな生活を送ってきたエマだったが、妹のアリアに階段から突き落とされて前世・狩津舞だった頃の記憶を取り戻す。  スキルで家の人間達から他人のスキルを奪えると知ったエマは、次々とスキルを奪い取る。  そして、実の父親がエマの殺害を企てていることを知り、家を出て行くことを決意する。  もちろん、全てを奪った連中にざまぁしてやります!  カルト集団だろうが邪竜だろうが関係なし! 盗人令嬢のスキルチートで全て奪ってやります! 完結

処理中です...