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第五十五話 新たな追放者

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 地下室に来た僕は、厳重に閉ざされたドアの前に着いた。

 僕は、厳重に閉ざされたドアを開け、部屋の中に入った。

 部屋の中には、縄に縛られた白羽族の元長がいた。

 僕は、見張っていた者達を全員を外に出し、2人だけの状況を作り出した。

 「今度は、逆ですね、長。いや、元長」と言い、兜を脱ぎ、素顔を晒した。

 僕の素顔を見て、元長は、驚きの表情を浮かべた。

 「そ、そなたは、追放した異世界の勇者か?」と、元長が、聞いて来た。

 「ええ、そうですよ。貴方に、追放された男です」と、答えた。

 「ま、まさか、そなたが、あの黒騎士だったとは。少しだけ、そうかもしれないと思っていたがな。何故、暗き森に居た?」と、元長が、聞いて来た。

 「フリージアとフレンさんのお父様が、ランダム転移魔法陣に、細工して、僕が、フリージアの所まで行くように設定したあったんですよ。何なら、勇者召喚にも細工をしていましたよ。フリージアのことを守ってくれる異世界人を呼ぶように」と、答えた。

 その言葉を聞き、元長は、驚いていた。そして、笑い始めた。

 「そうか、そうか、あの男は、そこまでしていたか。あの男に、慈悲なんて掛けるじゃ無かったな。巫女の父親だからと、巫女の母親だからと、双子の妹の忌子だからと、言ってな」と、元長は、呟いた。

 僕は、「元長、フリージアは、もう忌子ではなくなった、これからは、黒の愛し子になった。これからの白羽族は、白い羽が4枚ある子は、巫女に、黒い羽を持つ子は、黒の愛し子になる。貴方方が、作った、狂った色差別が、無くなりますよ」

 「そんな、簡単に行くかな?」と、元長は、ニヤリと笑いながら、聞いて来た。

 「上手くいきますよ。今回協力してくれたのは、この世界の権力者達ですから。確かに、直ぐに全員変わらないと思いますが、大多数の人達は、差別意識が、無くなるでしょう」と、答えた。

 「そうか、無くなるか。なんて、脆いものなんだ」と、元長が、呟いた。

 僕は、「これで、話は、終わりです。貴方には、これから、このランダム転移魔法陣に入って貰います。今度は、逆ですね」

 僕は、続けて、「でも、僕は、優しいので、護衛として、ペイルライダーを護衛に付けますよ。そして、私は、貴方にお礼がしたいので、サービスしますよ」

 「お礼だと?」と、元長が、聞いて来た。

 「ええ、お礼です。貴方が、私をここから追放してくれて、フリージアに、クレアに、テレシアに、私の大切な婚約者達に会うことが出来たので、とても感謝しているのです」と、答えた。

 僕は、続けて、「そして、サービスの内容は、貴方の命は、ペイルライダーが、どんなことがあっても守るようにしました。だから、自決でも、魔物に襲われても、高い所から飛び降りても、どんな土地に飛ばされても、どんなに死にたいと思っても、寿命が、尽きるまで、守ってくれますよ」

 「優しいな、黒騎士は」と、元長は、皮肉を言ってきた。

 その皮肉を無視し、兜を着け、外に待機している見張りを呼んだ。

 僕は、見張りが、入ってきている時に、ペイルライダーに、元長の護衛を頼んだ。

 僕は、見張りに、元長をランダム転移魔法陣の中に放り込むように指示した。

 見張りは、元長の縄を持ち、ランダム転移魔法陣の中に放り込んだ。

 僕は、放り込まれた元長に、満面の笑みを浮かべ、「良い旅を」

 これで、全て終わった。

 フリージアが、忌子と呼ばれることは、無くなった。

 僕は、忌子と呼ばれた少女を守り抜くことが出来た。

 これからは、黒の愛し子のフリージアのことを守り抜く。

 
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