55 / 61
第五十五話 新たな追放者
しおりを挟む地下室に来た僕は、厳重に閉ざされたドアの前に着いた。
僕は、厳重に閉ざされたドアを開け、部屋の中に入った。
部屋の中には、縄に縛られた白羽族の元長がいた。
僕は、見張っていた者達を全員を外に出し、2人だけの状況を作り出した。
「今度は、逆ですね、長。いや、元長」と言い、兜を脱ぎ、素顔を晒した。
僕の素顔を見て、元長は、驚きの表情を浮かべた。
「そ、そなたは、追放した異世界の勇者か?」と、元長が、聞いて来た。
「ええ、そうですよ。貴方に、追放された男です」と、答えた。
「ま、まさか、そなたが、あの黒騎士だったとは。少しだけ、そうかもしれないと思っていたがな。何故、暗き森に居た?」と、元長が、聞いて来た。
「フリージアとフレンさんのお父様が、ランダム転移魔法陣に、細工して、僕が、フリージアの所まで行くように設定したあったんですよ。何なら、勇者召喚にも細工をしていましたよ。フリージアのことを守ってくれる異世界人を呼ぶように」と、答えた。
その言葉を聞き、元長は、驚いていた。そして、笑い始めた。
「そうか、そうか、あの男は、そこまでしていたか。あの男に、慈悲なんて掛けるじゃ無かったな。巫女の父親だからと、巫女の母親だからと、双子の妹の忌子だからと、言ってな」と、元長は、呟いた。
僕は、「元長、フリージアは、もう忌子ではなくなった、これからは、黒の愛し子になった。これからの白羽族は、白い羽が4枚ある子は、巫女に、黒い羽を持つ子は、黒の愛し子になる。貴方方が、作った、狂った色差別が、無くなりますよ」
「そんな、簡単に行くかな?」と、元長は、ニヤリと笑いながら、聞いて来た。
「上手くいきますよ。今回協力してくれたのは、この世界の権力者達ですから。確かに、直ぐに全員変わらないと思いますが、大多数の人達は、差別意識が、無くなるでしょう」と、答えた。
「そうか、無くなるか。なんて、脆いものなんだ」と、元長が、呟いた。
僕は、「これで、話は、終わりです。貴方には、これから、このランダム転移魔法陣に入って貰います。今度は、逆ですね」
僕は、続けて、「でも、僕は、優しいので、護衛として、ペイルライダーを護衛に付けますよ。そして、私は、貴方にお礼がしたいので、サービスしますよ」
「お礼だと?」と、元長が、聞いて来た。
「ええ、お礼です。貴方が、私をここから追放してくれて、フリージアに、クレアに、テレシアに、私の大切な婚約者達に会うことが出来たので、とても感謝しているのです」と、答えた。
僕は、続けて、「そして、サービスの内容は、貴方の命は、ペイルライダーが、どんなことがあっても守るようにしました。だから、自決でも、魔物に襲われても、高い所から飛び降りても、どんな土地に飛ばされても、どんなに死にたいと思っても、寿命が、尽きるまで、守ってくれますよ」
「優しいな、黒騎士は」と、元長は、皮肉を言ってきた。
その皮肉を無視し、兜を着け、外に待機している見張りを呼んだ。
僕は、見張りが、入ってきている時に、ペイルライダーに、元長の護衛を頼んだ。
僕は、見張りに、元長をランダム転移魔法陣の中に放り込むように指示した。
見張りは、元長の縄を持ち、ランダム転移魔法陣の中に放り込んだ。
僕は、放り込まれた元長に、満面の笑みを浮かべ、「良い旅を」
これで、全て終わった。
フリージアが、忌子と呼ばれることは、無くなった。
僕は、忌子と呼ばれた少女を守り抜くことが出来た。
これからは、黒の愛し子のフリージアのことを守り抜く。
0
お気に入りに追加
62
あなたにおすすめの小説
異世界で穴掘ってます!
KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~
明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!!
『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。
無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。
破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。
「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」
【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?
迷宮攻略してたらいつの間にか世界救ってた
新世界の神
ファンタジー
冒険者業界ではそれなりに名の知れたソロの冒険者。月中悠一郎。
彼はある日、冒険者ギルドで一つの依頼を受ける。
依頼の内容は街の郊外にある建物から起きる怪音を調査してほしいというものだ。
これが後に世界救う引き金となる依頼だった。
仲間との出会い、別れを経験しながら彼は実力に磨きをかけていき、最終的には伝説にすら匹敵する存在になっていた…というありがちストーリー。
舞台は異世界。
スキル、ステータスはもちろん魔法だってあるそんな世界。
不定期投稿です。暇があるときにチラッと覗いてくれたら良いなと思います
【書籍化】パーティー追放から始まる収納無双!~姪っ子パーティといく最強ハーレム成り上がり~
くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
【24年11月5日発売】
その攻撃、収納する――――ッ!
【収納】のギフトを賜り、冒険者として活躍していたアベルは、ある日、一方的にパーティから追放されてしまう。
理由は、マジックバッグを手に入れたから。
マジックバッグの性能は、全てにおいてアベルの【収納】のギフトを上回っていたのだ。
これは、3度にも及ぶパーティ追放で、すっかり自信を見失った男の再生譚である。
異世界勇者のトラック無双。トラック運転手はトラックを得て最強へと至る(トラックが)
愛飢男
ファンタジー
最強の攻撃、それ即ち超硬度超質量の物体が超高速で激突する衝撃力である。
ってことは……大型トラックだよね。
21歳大型免許取り立ての久里井戸玲央、彼が仕事を終えて寝て起きたらそこは異世界だった。
勇者として召喚されたがファンタジーな異世界でトラック運転手は伝わらなかったようでやんわりと追放されてしまう。
追放勇者を拾ったのは隣国の聖女、これから久里井戸くんはどうなってしまうのでしょうか?
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる