58 / 69
第五十八話 恥知らず
しおりを挟む俺が到着した場所はバイヤル王国の王城の離宮だった。
離宮には使い魔達は侵入者の前に立ちはだかり、リリア達のことを守っていた。
侵入者と使い魔達の間には3種類の壁が立っていた。
アメジストの壁と水の壁と風の壁が立っていたのだ。
ちなみに、反応した魔法具は使い魔達の首輪だ。
あの魔法具には使い魔達が力を使うと俺に知らせるように改造している。
侵入者のことをよくよく見てみると第1王子だった。
あいつ、リリア達に何しようとしているんだ?
俺がバイヤル王国から出された依頼の最中に。
殺すか。
いや、殺すのは不味いか。
一応他国の王族だ。
まぁ、半殺しぐらいなら何も問題無いだろう。
俺は魔法袋から魔銃と転移石に似た魔法具を取り出した。
魔銃を左手に持ち、転移石に似た魔法具を使うのと同時に転移魔法を使用した。
剣を持った第1王子の前に転移した。
俺は何も言わずに、魔銃で第1王子を殴り飛ばした。
殴り飛ばされた第1王子は剣を地面に落とした。
俺は使い魔達に第1王子のことを囲むような壁を作るように指示を出した。
すると、使い魔達は自分の属性の壁を第1王子の周りに作った。
使い魔達は俺に敵わないと本能的に思っており、指示を聞いてくれる。
俺は転移石に似た魔法具を使用するのと同時に転移魔法を使用し、壁の中に移動した。
壁の中には倒れている第1王子がいた。
どうやら、気絶しているようだ。
あの程度の攻撃で気絶だと。
弱すぎる。
しかもリリア達を狙った外道だときたか。
こいつが第1王子じゃなかったら、直ぐに殺している。
俺の婚約者達に手を出そうとしたからな。
俺は魔銃を構え、引き金を引いた。
撃たれた魔力の塊は第1王子の左足を貫いた。
第1王子は悲鳴を上げ、起き上がったのだ。
そして、撃たれた場所を押さえている。
俺は冷たい視線を向けながら、魔銃を第1王子の頭に押し付けた。
「おい、お前。俺の大切な婚約者達に何しようとしていた?」
第1王子は恐怖の表情を浮かべ、震えるだけでなにも答えなかった。
「じゃあ、いいや。お前は王子だから殺されないだけだ。ただ、2度としないように罰は与えるがな」
そう言いながら、第1王子の右手を撃ち抜いた。
第1王子はまた悲鳴を上げた。
俺は黙ったまま、右足と左手を魔銃で撃ち貫いた。
第1王子の呻き声しか、聞こえなくなっていた。
俺は応急処置だけし、転移魔法を使用し、壁から出た。
取り敢えず、リリア達と使い魔達を部屋に戻した。
リリア達付きの侍女には出発の準備を指示した。
リリア達を部屋まで送り、その足でバイヤル王国の国王のところに向かい、依頼が完了したことを伝えた。
バイヤル王国の国王は嬉しそうな表情を浮かべていた。
その後に、俺は第1王子に婚約者達が襲撃されたことを伝えた。
そのことを聞き、バイヤル王国の国王は顔を青ざめた。
俺は帰ることを伝え、部屋を出た。
バイヤル王国の国王は止めてきたが無視して、リリア達の部屋に向かった。
リリア達の部屋に到着すると、殆ど準備が終わっていた。
王宮の使用人達が制止してきたが無視して、王城を出た。
魔法袋から魔導馬車と魔導馬を取り出した。
先に、リリア達とリリア達付きの侍女に乗って貰った。
そう言えば、壁を解除していなかった。
使い魔達に指示して、解除してもらった。
解除もしたので、もうやることは無いので魔導馬車に乗った。
そのままベンネット伯爵家の屋敷に向かって、出発した。
バイヤル王国を出るまでは何かと大変だったが特に何も大きなことは無く、ベンネット伯爵家の屋敷に到着した。
襲撃があったことをリリア達の保護者に話すと目が笑ってない笑顔を浮かべていた。
親バカって、怖いな。
俺もリリア達との間に娘が生まれたら、親バカになるだろうな。
愛している3人に似た娘なんて、溺愛しない訳無い。
それにしても最近俺の両親はシアナのことを溺愛し過ぎている。
俺よりも溺愛している。
まぁ、良いけど。
シアナがとても幸せそうだから。
32
お気に入りに追加
2,421
あなたにおすすめの小説
異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。
【幸せスキル】は蜜の味 ハイハイしてたらレベルアップ
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はアーリー
不慮な事故で死んでしまった僕は転生することになりました
今度は幸せになってほしいという事でチートな能力を神様から授った
まさかの転生という事でチートを駆使して暮らしていきたいと思います
ーーーー
間違い召喚3巻発売記念として投稿いたします
アーリーは間違い召喚と同じ時期に生まれた作品です
読んでいただけると嬉しいです
23話で一時終了となります
レベル上限5の解体士 解体しかできない役立たずだったけど5レベルになったら世界が変わりました
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
前世で不慮な事故で死んだ僕、今の名はティル
異世界に転生できたのはいいけど、チートは持っていなかったから大変だった
孤児として孤児院で育った僕は育ての親のシスター、エレステナさんに何かできないかといつも思っていた
そう思っていたある日、いつも働いていた冒険者ギルドの解体室で魔物の解体をしていると、まだ死んでいない魔物が混ざっていた
その魔物を解体して絶命させると5レベルとなり上限に達したんだ。普通の人は上限が99と言われているのに僕は5おかしな話だ。
5レベルになったら世界が変わりました
称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~
しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」
病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?!
女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。
そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!?
そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?!
しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。
異世界転生の王道を行く最強無双劇!!!
ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!!
小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!
異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい
ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。
強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。
ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。
異世界転生!ハイハイからの倍人生
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は死んでしまった。
まさか野球観戦で死ぬとは思わなかった。
ホームランボールによって頭を打ち死んでしまった僕は異世界に転生する事になった。
転生する時に女神様がいくら何でも可哀そうという事で特殊な能力を与えてくれた。
それはレベルを減らすことでステータスを無制限に倍にしていける能力だった...
異世界転生漫遊記
しょう
ファンタジー
ブラック企業で働いていた主人公は
体を壊し亡くなってしまった。
それを哀れんだ神の手によって
主人公は異世界に転生することに
前世の失敗を繰り返さないように
今度は自由に楽しく生きていこうと
決める
主人公が転生した世界は
魔物が闊歩する世界!
それを知った主人公は幼い頃から
努力し続け、剣と魔法を習得する!
初めての作品です!
よろしくお願いします!
感想よろしくお願いします!
荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明
まったりー
ファンタジー
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。
そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。
その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる