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第五十八話 恥知らず

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 俺が到着した場所はバイヤル王国の王城の離宮だった。

 離宮には使い魔達は侵入者の前に立ちはだかり、リリア達のことを守っていた。

 侵入者と使い魔達の間には3種類の壁が立っていた。

 アメジストの壁と水の壁と風の壁が立っていたのだ。

 ちなみに、反応した魔法具は使い魔達の首輪だ。

 あの魔法具には使い魔達が力を使うと俺に知らせるように改造している。

 侵入者のことをよくよく見てみると第1王子だった。

 あいつ、リリア達に何しようとしているんだ?

 俺がバイヤル王国から出された依頼の最中に。

 殺すか。

 いや、殺すのは不味いか。

 一応他国の王族だ。

 まぁ、半殺しぐらいなら何も問題無いだろう。

 俺は魔法袋から魔銃と転移石に似た魔法具を取り出した。

 魔銃を左手に持ち、転移石に似た魔法具を使うのと同時に転移魔法を使用した。

 剣を持った第1王子の前に転移した。

 俺は何も言わずに、魔銃で第1王子を殴り飛ばした。

 殴り飛ばされた第1王子は剣を地面に落とした。

 俺は使い魔達に第1王子のことを囲むような壁を作るように指示を出した。

 すると、使い魔達は自分の属性の壁を第1王子の周りに作った。

 使い魔達は俺に敵わないと本能的に思っており、指示を聞いてくれる。

 俺は転移石に似た魔法具を使用するのと同時に転移魔法を使用し、壁の中に移動した。

 壁の中には倒れている第1王子がいた。

 どうやら、気絶しているようだ。

 あの程度の攻撃で気絶だと。

 弱すぎる。

 しかもリリア達を狙った外道だときたか。

 こいつが第1王子じゃなかったら、直ぐに殺している。

 俺の婚約者達に手を出そうとしたからな。

 俺は魔銃を構え、引き金を引いた。

 撃たれた魔力の塊は第1王子の左足を貫いた。

 第1王子は悲鳴を上げ、起き上がったのだ。

 そして、撃たれた場所を押さえている。

 俺は冷たい視線を向けながら、魔銃を第1王子の頭に押し付けた。

 「おい、お前。俺の大切な婚約者達に何しようとしていた?」

 第1王子は恐怖の表情を浮かべ、震えるだけでなにも答えなかった。

 「じゃあ、いいや。お前は王子だから殺されないだけだ。ただ、2度としないように罰は与えるがな」

 そう言いながら、第1王子の右手を撃ち抜いた。

 第1王子はまた悲鳴を上げた。

 俺は黙ったまま、右足と左手を魔銃で撃ち貫いた。

 第1王子の呻き声しか、聞こえなくなっていた。

 俺は応急処置だけし、転移魔法を使用し、壁から出た。

 取り敢えず、リリア達と使い魔達を部屋に戻した。

 リリア達付きの侍女には出発の準備を指示した。

 リリア達を部屋まで送り、その足でバイヤル王国の国王のところに向かい、依頼が完了したことを伝えた。

 バイヤル王国の国王は嬉しそうな表情を浮かべていた。

 その後に、俺は第1王子に婚約者達が襲撃されたことを伝えた。

 そのことを聞き、バイヤル王国の国王は顔を青ざめた。

 俺は帰ることを伝え、部屋を出た。

 バイヤル王国の国王は止めてきたが無視して、リリア達の部屋に向かった。

 リリア達の部屋に到着すると、殆ど準備が終わっていた。

 王宮の使用人達が制止してきたが無視して、王城を出た。

 魔法袋から魔導馬車と魔導馬を取り出した。

 先に、リリア達とリリア達付きの侍女に乗って貰った。

 そう言えば、壁を解除していなかった。

 使い魔達に指示して、解除してもらった。

 解除もしたので、もうやることは無いので魔導馬車に乗った。

 そのままベンネット伯爵家の屋敷に向かって、出発した。

 バイヤル王国を出るまでは何かと大変だったが特に何も大きなことは無く、ベンネット伯爵家の屋敷に到着した。

 襲撃があったことをリリア達の保護者に話すと目が笑ってない笑顔を浮かべていた。

 親バカって、怖いな。

 俺もリリア達との間に娘が生まれたら、親バカになるだろうな。

 愛している3人に似た娘なんて、溺愛しない訳無い。

 それにしても最近俺の両親はシアナのことを溺愛し過ぎている。

 俺よりも溺愛している。

 まぁ、良いけど。

 シアナがとても幸せそうだから。
 
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