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第二十四話 侯爵に

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 後期が終わって直ぐに俺は王城に呼ばれた。

 俺は時間をあまり掛けたくないので、転移魔法を使用し、王都の近くまで移動した。

 王都の近くで魔法袋から魔導馬車と魔導馬を出した。

 魔導馬車にはランガン伯爵家の家紋をつけて王都に入った。

 俺の魔導馬車に道行く人達は驚きの表情を浮かべていた。

 それはそうだろう。

 こんなに魔導馬車なんて、普通は持っていないからな。

 王城に到着したのはいいんだが、直ぐには入れなかった。

 まぁ、遣いが来てから直ぐに来たからこんなに早く来るとは思ってはいないだろう。

 俺は魔導馬車の中で紅茶を飲みながら待つことにした。

 1時間ぐらいするとやっと通してくれた。

 なので、俺は王城の前まで移動し、魔導馬車を止めた。

 俺は魔導馬車から降り、魔導馬車と魔導馬を魔法袋にしまった。

 その光景に周りの人間達は驚きの表情を浮かべていた。

 俺はそんなことを気にせず、王城の中に入った。

 王城の中には俺を案内する使用人がいた。

 その使用人に謁見の間まで案内してもらった。

 謁見の間の中に入ると顔を知らない貴族達と写真でしか見たことがない国王がいた。

 謁見の間にいた貴族達は驚いていた。

 それはそうだ。
  
 俺が身を包んでいる王族が着るような生地で作られていたからだ。

 謁見用にと少し奮発し過ぎた。

 俺が国王の前に膝を着くと国王陛下は話し始めた。

 隣国で魔族を倒したことを。

 そして、俺の爵位を侯爵に上げることも言っていた。

 流石にこのことは多くの貴族が反対していた。

  だが、国王はならお前達は倒せるのか?と言い黙らせたのだ。

 俺は特に不都合が無いので侯爵に上がることを了承した。

 「そう言えば、ランガン侯爵。前は隣国の伯爵家のご令嬢と婚約していたみたいだが、今は婚約者はいるのか?」

 「はい、居ります」

 その言葉に貴族達はまたまた驚きの表情を浮かべていた。

 「そ、そうか、一体いつから?」

 「私が13の時です。私は自身でパーティーを開くこともパーティーに参加することも出来ないので発表することが出来ませんでした。国王陛下から出された条件はしっかりと守っております。ですので、この後のパーティーにも参加できません」

 「た、確かにそうだな。これからもしっかりと励め」

 本来俺は謁見に参加出来ないので直ぐに出て行った。

 今回謁見したのは俺の爵位が上がるためだ。

 貴族達は悔しいだろうな。

 没落すると言われていた伯爵家が侯爵家になったんだ。

 しかも、制裁のつもりの条件が俺との関わりを完全に断ってしまっている。

 俺を舐めたツケだ。

  ざまあみろ。
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