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第二十三話 謁見
しおりを挟む俺は今謁見の間に来ている。
第1王女を庇った令嬢を助けたとして、謁見することになってしまった。
だが、このことが原因でベンネット伯爵は王家との事業は取りやめたらしい。
ベンネット伯爵からしたら、大事な娘が王家のせいで危険な目に遭ってしまったからだ。
いくらリリアが第1王女のことを庇ったしとてもリリアが危険な目に遭ったのは変わらないからな。
多分、俺が居なかったらリリアは死んでいたろう。
ちなみにあの場所に転移出来たのはリリアに渡したネックレス型の魔法具のお陰だ。
あの魔法具は危険な時に障壁を張り、リリアのことを守る物だ。
それと同時に俺に位置を知らせる。
位置さえ分かれば俺が転移魔法を使うことが出来る。
謁見の中で俺は褒美を受け取ることになった。
その褒美は男爵の爵位だった。
「申し訳ございません。その褒美は受け取ることが出来ません」
そう言いながら、俺は頭を下げた。
「ほぉ、それは何故だ?」
「私はバレナ王国で伯爵の地位を預かっているのです」
その言葉に謁見の間にいた者達の殆どは驚いていた。
レミアとエレネとベンネット伯爵は驚いていなかった。
「家名を聞いても?」
「大丈夫で御座います。私の家名はランガンです。私の本当の名はビリー・ランガンと申します」
その発言に謁見の間にいた者達は驚きを隠せなかった。
あのランガン伯爵家だ。
自国では社交会やパーティーの参加が禁止されている家だ。
しかもそこの当主はまだ成人もしてない。
そんな人物が今ここにいて魔族を倒したのだ。
驚かないわけが無い。
「ですので、国王陛下。私はこの後に予定されているパーティーには参加することが出来ません」
そう言いながら、俺は頭を下げた。
「そうゆう事なら、パーティーに参加できないのと爵位を与えられないことは理解出来た。このことは儂の方からバレナ王国の国王に伝えておく」
「ありがとうございます」
そう言いながら、俺はまた頭を下げた。
「さて、困ったことになった」
隣国の国王は本当に困ったように呟いた。
褒美はそこで決まらなかったのでそのまま謁見を終えた。
褒美に関したは私が決まったら、後で褒美を貰うことになった。
謁見の次の日からは普通に王立学院が普通にあるので行くと王立学院の生徒達に囲まれたのだ。
俺はやんわりと断りながら囲いを突破し、Aクラスに向かった。
Aクラスに到着するとAクラスの生徒達にも囲まれた。
普段喋らない人にも囲まれたのだ。
結局、後期が終わるまでこの状態は続いた。
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