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第二十八話 後輩に
しおりを挟むあれから1ヶ月が経過したのだ。
あの後、リーヴはホテルから出て、ノルウェーに帰ったのだ。
もう拒むものは無いからな。
連絡先は交換しているので、連絡は取り合っている。
ちなみに、リーヴとのことは話してない。
余計な心配を掛けたくないからな。
そう言えば、2日前ぐらいのニュースに黒いローブに身を包んだ者達の死体が路地裏で見つかった。
死因は原因不明みたいだ。
そして、今はラナと一緒に学校に登校している。
ラナと話していると学校に到着したのだ。
そのままラナと一緒に教室に向かうと学校がいつもよりも騒がしいと感じる。
何かあったのか?
そんなことを思っていると教室に到着する。
ラナは女友達のところに私は男友達のところに向かう。
男友達に何があったか聞くと留学生が来ると聞こえてくる。
また外国からの留学生みたいだ。
いや、違うな。
ラナは異世界からの留学生だからな。
留学生のことを頭の隅に置きながら、その日の午前を過ごしたのだ。
ラナと一緒に昼食を取っているときにノルウェーからの留学生とラナから聞く。
しかも1つ目の下の学年みたいだ。
まさか。
いや、そんなことはないか。
私の考え過ぎだろう。
私が考えているとラナの携帯から通知の音が聞こえてくる。
ラナは弁当と箸を置いて、携帯を手に持って、メッセージの確認をする。
「あ、樹。放課後に楓が僕達に会いたいから待ってほしいだって、良いよと返事してもいい?」
「構わないよ」
「うん、分かった」
ラナは楓にメッセージを返している。
「楓からメッセージが帰って来たけど、噂の留学生を案内した後に教室にくるみたいだよ」
本当にリーヴじゃないよな?
まぁ、放課後になればわかるか。
留学生のことを気にしながら午後の授業を過ごす。
学校が終わり、部活がある者は部活に行き、何も無い者は帰る。
私の男友達とラナの女友達は部活なので、私とラナに別れの挨拶をして、部活に行ってしまった。
なので、私はラナと話して楓と留学生のことを待つことにしたのだ。
30分ぐらいすると話し声が聞こえてくる。
楓の声と聞いたことがある声が。
ま、まさか本当に?
そんな疑問を頭に浮かべていると、教室のドアが開いたのだ。
開いたドアには楓と金色の髪をハーフアップで結い、緑色の瞳を持ち、真っ白な肌を持つノルウェー人が立っている。
それは紛れもなくリーヴだった。
中学生の制服に身を包んだリーヴは楓と一緒に私達の方にやってくる。
私達の方までやって来たリーヴは嬉しそうな笑顔を浮かべながら、両手を後ろに組む。
「お久しぶりです、樹さん。いえ、私は後輩なので、学校では先輩とお呼びしますね」
まだ教室に残っているクラスメイト達とラナと楓は驚きの表情を浮べていたのだ。
「リ、リーヴ。なんでこの学校に?」
「日本に興味を持ったので留学することにしました。留学するなら知っている人がいる学校がいいと思いここに来ました」
「そうか」
リーヴの説明に納得していると私の両肩には手が置かれていることに気がつく。
ひ、冷や汗が止まらない。
恐る恐る後ろを見てみると、ラナと楓が私の後ろに立って、私の肩に手を置いていたのだ。
ラナと楓は笑顔だったが、それは怒っている表情だ。
「樹。詳しく説明してね?」
「樹さん。私の友達との出会いをしっかりと教えて下さい」
私は駅で迷っていたリーヴの観光の手伝いをしたと嘘をつく。
それで楓は納得してくれたが、ラナは嘘をついていると察していたのだ。
学校の帰り道で、ラナには事実を話す。
薬物とクズ野郎以外のファンタジーのことを。
ラナはそれで納得してくれたのま。
後でメッセージで教えて貰ったがリーヴは1ヶ月の間に日本語を覚え、信じてくれなかった自身の両親との縁を切ろうとしたが、せめて成人までは面倒を見させてくれと懇願されたのでそれは納得したみたいだ。
助けたノルウェー人のリーヴは私の後輩になった。
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