上 下
22 / 64

第二十二話 裏路地で

しおりを挟む

 クソ野郎を倒した後、私はある場所に向かう。

 到着したのはある小道の前だ。

 普通なら少し躊躇するが私は迷わずその小道を進む。

 小道の先には津島神社という神社がひっそりと立っている。

 私は鳥居で頭を下げ、参道を進み、お賽銭箱の前に到着したのだ。

 財布の中からご縁があるように5円玉を取り出し、お賽銭箱の中に入れる。

 二礼二拍手一礼して、お参りする。

 お参りが終わったら、鳥居で一礼してから津島神社を後にしたのだ。

 今回は小道から大通りに戻ることが出来た。

 また異世界に召喚されるようなファンタジー的なことは起きなかったな。

 そう言えば、あの時一緒に召喚された高校生達はどうしたんだろう?

 様々な可能性を考えていると何処か聞こえたのだ。

 周りの騒音で聞こえづらいがうめき声が確かに聞こえる。

 聞こえたのはこっちか。

 私は早足でうめき声が聞こえた方に向かったのだ。

 その近くに到着すると知らない間に大通りから外れている。

 そして、私の前には薄暗い小道が続いている。

 さて、進むか。

 例え、化け物が出てきても何も問題無いだろう。

 それを倒すほどの力を私は持っている。

 私は薄暗い小道に躊躇せずに踏み込む。

 そんな小道を進んでいると薄暗い中で輝いているものを見つける。

 走って、そこに向かったのだ。

 近づいて分かった。

 薄暗い中で輝いていたのは金色の髪だということに。

 まだうめき声が聞こえるから生きてはいる。

 私は直ぐに金色の髪を持つ者に近寄る。

 近寄って分かったが地面に倒れていたのは女性、いや、少女だったのだ。 

 「だ、大丈夫ですか?」

 「こ、この鍵を」

 そう言い、少女は何かの鍵を渡してくる。

 「そして、ここに向かって下さい」

 そして、何かの紙を渡してくる。

 紙に書かれていたのは何処かの建物を示している地図とそれを補足するノルウェー語だったのだ。

 私には言語理解のスキルがあるので、ノルウェー語も読めたし、少女の言葉も分かる。
 
 少女をおんぶしようしたが、背中に当たってしまうのでお姫様抱っこをする。

 片手で紙を見ながら、大通りを通らずに目的地に向かう。

 言語から察するにこの少女、いや、この美少女はノルウェー人だろう。

 顔を見て分かったことだが、相当の美少女で同い年ぐらいだと。

 そして、肌には黒い何かが刻まれている。

 黒い何かはタトゥーのようにも見えるが、模様が呪いのようだ。

 呪いか。

 普通なら疑問に浮かび上がることはないが、あれだけファンタジーに巻き込まれたらな。

 有り得そうだな。

 そんなことを考えていると紙に書かれていた場所に到着する。

 到着したのは何処かの廃工場だ。

 不思議に思いながら、その廃工場の中に入ると端っこにプレハブ小屋が見えてくる。

 そしてそのプレハブ小屋には鍵付きのドアがつけられている。

 多分、この鍵があれに使うのだろう。

 私はプレハブ小屋に近付き、鍵で鍵付きのドアを開けてみる。

 私の予想通りに鍵は開き、プレハブ小屋の中に入ることが出来たのだ。

 プレハブ小屋には一通りの生活に必要な物が置かれている。

 ここで住んでいるのか?

 まぁいい。

 取り敢えず、寝かせないとな。

 そう思い、私は美少女をベッドで寝かせる。

 美少女が起きるまで私はこのプレハブ小屋の中で待つことになったのだ。

 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

僕のギフトは規格外!?〜大好きなもふもふたちと異世界で品質開拓を始めます〜

犬社護
ファンタジー
5歳の誕生日、アキトは不思議な夢を見た。舞台は日本、自分は小学生6年生の子供、様々なシーンが走馬灯のように進んでいき、突然の交通事故で終幕となり、そこでの経験と知識の一部を引き継いだまま目を覚ます。それが前世の記憶で、自分が異世界へと転生していることに気付かないまま日常生活を送るある日、父親の職場見学のため、街中にある遺跡へと出かけ、そこで出会った貴族の幼女と話し合っている時に誘拐されてしまい、大ピンチ! 目隠しされ不安の中でどうしようかと思案していると、小さなもふもふ精霊-白虎が救いの手を差し伸べて、アキトの秘めたる力が解放される。 この小さき白虎との出会いにより、アキトの運命が思わぬ方向へと動き出す。 これは、アキトと訳ありモフモフたちの起こす品質開拓物語。

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

素材ガチャで【合成マスター】スキルを獲得したので、世界最強の探索者を目指します。

名無し
ファンタジー
学園『ホライズン』でいじめられっ子の生徒、G級探索者の白石優也。いつものように不良たちに虐げられていたが、勇気を出してやり返すことに成功する。その勢いで、近隣に出没したモンスター討伐に立候補した優也。その選択が彼の運命を大きく変えていくことになるのであった。

悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます

竹桜
ファンタジー
 ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。  そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。  そして、ヒロインは4人いる。  ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。  エンドのルートしては六種類ある。  バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。  残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。  大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。  そして、主人公は不幸にも死んでしまった。    次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。  だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。  主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。  そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。  

アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~

明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!! 『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。  無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。  破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。 「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」 【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?

異世界転生はどん底人生の始まり~一時停止とステータス強奪で快適な人生を掴み取る!

夢・風魔
ファンタジー
若くして死んだ男は、異世界に転生した。恵まれた環境とは程遠い、ダンジョンの上層部に作られた居住区画で孤児として暮らしていた。 ある日、ダンジョンモンスターが暴走するスタンピードが発生し、彼──リヴァは死の縁に立たされていた。 そこで前世の記憶を思い出し、同時に転生特典のスキルに目覚める。 視界に映る者全ての動きを停止させる『一時停止』。任意のステータスを一日に1だけ奪い取れる『ステータス強奪』。 二つのスキルを駆使し、リヴァは地上での暮らしを夢見て今日もダンジョンへと潜る。 *カクヨムでも先行更新しております。

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

知識スキルで異世界らいふ

チョッキリ
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ

処理中です...