18 / 64
第十八話 末路
しおりを挟む[優弥視点]
なぜだ?
何故だ?何故だ?何故だ?何故だ?何故だ?何故だ?何故だ?何故だ?何故だ?何故だ?何故だ?何故だ?何故だ?何故だ?何故だ?何故だ?何故だ?何故だ?
なぜ、俺様の力が失われている。
いつものように朝起きて、俺様のハーレムと共に街に出掛けようと思いながら下に降りると、いきなり妹と母親にビンタされたのだ。
俺様はビンタされた右頬を押されながら、疑問を投げ掛けると軽蔑するような視線を向けられるだけだった。
そのことに唖然としていると父親から顔面を殴られたのだ。
父親に何も喋り掛けられずにただ殴られ続ける。
殴られ続けた後、自室に放り込められた。
殴られた場所を押さえながら、スマホを開いた俺様は驚きで固まってしまう。
俺様のスマホにはハーレムからの通知で埋め尽くされていたのだ。
1つ1つのメッセージを確認する。
全てのメッセージを纏めると俺様と別れて欲しいという話だったのだ。
俺様がどんなメッセージを送っても誰からも返ってくることは無かった。
俺様のハーレムの全員にブロックされたのだ。
その日から俺様の日常だった日々が狂い始める。
土日を終え、高校に登校すると女達からは軽蔑な視線を向けられ、男達からは馬鹿にされたような視線を向けられる。
な、なんだこの状況は?
この状況に困惑しながら学校を歩いていると、俺様のハーレムメンバーを見つける。
俺様は声を掛けてやったが、なんと拒絶されたのだ。
そして、そのまま俺様の前から走り去ってしまう。
初めて俺様はそこで気がつく。
サキュバスから貰った力が無くなったことに。
その日から、俺様は学校の嫌われ者になったのだ。
最近の俺様は学校にも行かず、家に引きこもっている。
自室は物に八つ当たりしたので、物が床に散乱している。
八つ当たりの音さえも俺様の家族は反応しない。
1日1食だけ運んでくるが、それ以外は本当に全く反応しない。
家の中ですれ違ってもいない者として扱っている。
そのことが更に俺様のプライドを傷つけた。
クソ、どうしてこうなった。
そんなことを考えながらベットの中で丸まっていると音が聞えた。
部屋を歩く音が。
「久し振りだな」
俺様はベットの中から顔だけを出し、声が聞えた方を向く。
俺様の部屋の中にいたのはよく分からない物を貰った怪しい者だったのだ。
「今更、何をしに来た?」
「対価を貰いに来ただけだ」
「対価?そんなもん必要ないだろ。俺様は力を失ったんだ」
「舐めるな、餓鬼。私は商人だぞ。商品を受け取ったならば、対価を払うのは当然だ。これは当たり前のことだろ?」
怪しい者は俺様の方に右手を伸ばしてくる。
怪しい者の右手をよく見てみると何かを掴んでいたのだ。
それは法螺貝に似ていたが、明らかに金属だ。
怪しい者がその法螺貝に似た何かを強く握ると俺様はそれに吸い込まれる。
悲鳴をあげる間も無く。
体が変な感覚に包まれた後、俺様の意識は途切れた。
40
お気に入りに追加
79
あなたにおすすめの小説

転生貴族の移動領地~家族から見捨てられた三子の俺、万能な【スライド】スキルで最強領地とともに旅をする~
名無し
ファンタジー
とある男爵の三子として転生した主人公スラン。美しい海辺の辺境で暮らしていたが、海賊やモンスターを寄せ付けなかった頼りの父が倒れ、意識不明に陥ってしまう。兄姉もまた、スランの得たスキル【スライド】が外れと見るや、彼を見捨ててライバル貴族に寝返る。だが、そこから【スライド】スキルの真価を知ったスランの逆襲が始まるのであった。

ダンジョンで有名モデルを助けたら公式配信に映っていたようでバズってしまいました。
夜兎ましろ
ファンタジー
高校を卒業したばかりの少年――夜見ユウは今まで鍛えてきた自分がダンジョンでも通用するのかを知るために、はじめてのダンジョンへと向かう。もし、上手くいけば冒険者にもなれるかもしれないと考えたからだ。
ダンジョンに足を踏み入れたユウはとある女性が魔物に襲われそうになっているところに遭遇し、魔法などを使って女性を助けたのだが、偶然にもその瞬間がダンジョンの公式配信に映ってしまっており、ユウはバズってしまうことになる。
バズってしまったならしょうがないと思い、ユウは配信活動をはじめることにするのだが、何故か助けた女性と共に配信を始めることになるのだった。

明日を信じて生きていきます~異世界に転生した俺はのんびり暮らします~
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生した主人公は、新たな冒険が待っていることを知りながらも、のんびりとした暮らしを選ぶことに決めました。
彼は明日を信じて、異世界での新しい生活を楽しむ決意を固めました。
最初の仲間たちと共に、未知の地での平穏な冒険が繰り広げられます。
一種の童話感覚で物語は語られます。
童話小説を読む感じで一読頂けると幸いです
ボッチになった僕がうっかり寄り道してダンジョンに入った結果
安佐ゆう
ファンタジー
第一の人生で心残りがあった者は、異世界に転生して未練を解消する。
そこは「第二の人生」と呼ばれる世界。
煩わしい人間関係から遠ざかり、のんびり過ごしたいと願う少年コイル。
学校を卒業したのち、とりあえず幼馴染たちとパーティーを組んで冒険者になる。だが、コイルのもつギフトが原因で、幼馴染たちのパーティーから追い出されてしまう。
ボッチになったコイルだったが、これ幸いと本来の目的「のんびり自給自足」を果たすため、町を出るのだった。
ロバのポックルとのんびり二人旅。ゴールと決めた森の傍まで来て、何気なくフラっとダンジョンに立ち寄った。そこでコイルを待つ運命は……
基本的には、ほのぼのです。
設定を間違えなければ、毎日12時、18時、22時に更新の予定です。

剣の世界のβテスター~異世界に転生し、力をつけて気ままに生きる~
島津穂高
ファンタジー
社畜だった俺が、βテスターとして異世界に転生することに!!
神様から授かったユニークスキルを軸に努力し、弱肉強食の異世界ヒエラルキー頂点を目指す!?
これは神様から頼まれたβテスターの仕事をしながら、第二の人生を謳歌する物語。

元万能技術者の冒険者にして釣り人な日々
於田縫紀
ファンタジー
俺は神殿技術者だったが過労死して転生。そして冒険者となった日の夜に記憶や技能・魔法を取り戻した。しかしかつて持っていた能力や魔法の他に、釣りに必要だと神が判断した様々な技能や魔法がおまけされていた。
今世はこれらを利用してのんびり釣り、最小限に仕事をしようと思ったのだが……
(タイトルは異なりますが、カクヨム投稿中の『何でも作れる元神殿技術者の冒険者にして釣り人な日々』と同じお話です。更新が追いつくまでは毎日更新、追いついた後は隔日更新となります)

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。

凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる