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第二十九話 アナリア侯爵家の末路
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俺様は今貴族牢の中にいる。
俺様はあと少しで死ぬが、あの兄を道連れに出来るなら悪くない。
いつ来るか。
楽しみで仕方ない。
もし、あの兄に恋人がいたら、それはもの凄く良いものだ。
ああ、早く来てくれ。
そんなことを考えていると近衛兵がやって来た。
俺様を乱暴に貴族牢から出し、強制的に歩かされ、謁見の間に連れてかれた。
謁見の間には怒り心頭の国王がいた。
「貴様ら、やってくれたな。貴様達のせいでグリーンソルジャーの使い手が何処かに行ってしまったでは無いか」
あの兄がグリーンソルジャーの使い手だと?
あの兄は料理人だったはず?
お、俺様の手柄を取ったのか。
あの無能な兄が。
俺様は怒りで体が震えた。
その怒りは大声で口に出てしまった。
「折角、神獣達を呼び起こして、俺様の手柄にしようとしたが無能な兄が取っただとふざけるな。たかが料理人の分際で」
「まさか、貴様が神獣達を呼び起こしていたのか?」
「い、いや、そんなことは」
ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ。
これは言ってはいけないことだ。
俺様が次の言い訳を考えるといると、体が急に宙に舞った。
舞っている時に父上も宙を舞っていた。
俺様と父上は地面に叩きつけられた。
痛い。
血も出て来た。
俺様は顔を上げた。
そこにはグリーンソルジャーがいたのだ。
グリーンソルジャーの体は緑色の霧で構成されていた。
そして、武装をしていた。
グリーンソルジャーの1人が国王に近付き、何かを渡した。
それを読んだ国王は顔を真っ青にして、コクコクと頷いていた。
1人のグリーンソルジャーはそれを確認すると元の場所に戻った。
そして、そのまま霧のように消えたのだ。
突然のことに唖然としていると国王は俺様達のことを睨んだ。
「さて、貴様達。罪状を言い渡す。罪を市民達に公開し、その状況で王都を一周してもらう。その後、ギロチンで死刑だ。首は3日間晒しておく」
俺様と父上は弁明しようとしたがそのまま普通の牢獄に入れられた。
3日後、俺様達は街を歩かされた。
罵声が飛んできた。
石が飛んできた。
生卵が飛んできた。
トマトが飛んできた。
ギロチン台に到着する頃には俺様達はボロボロになっていた。
そして、俺様達はギロチン台に固定された。
こ、こんな、死に方はいやだ。
お、俺様は貴族として、毒杯で死ぬんだ。
だが、愚民達は俺様達を殺せと言っている。
俺様達はギロチン台で首を落され、死んだ。
その後、アナリア侯爵家は取り潰しとなり、領地は王家の領となった。
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